いつも感情を表に出さない義妹が初めて見せる表情。
いや違う、由奈が初めてうちに来た日、俺の頭を撫でていた時も、そういえばこんな顔をしていた。
それはまるで、子犬を愛でるように優しい眼差しだが、ともすれば弱い存在に対して慈悲を与えることを喜んでいるような────これが由奈の隠された内面なのだろうか。
妹の豹変ぶりに驚きを隠せないのだが、それよりも問題なのは────今、由奈が撫でているのは俺の頭ではなくチンコだってことだよね!?
いけないッ、そこは非常にセンシティブ!
「ちょっ! 触っちゃダメだって……ッ!」
「でも、おにいちゃんのおチンチン、こんなに大きくなってますよ?」
俺は由奈を止めようとするも、それにも構わず、彼女の小さな手は愛撫を続ける。
「ぅぅッ……! それはっ……」
勃起した肉棒の皮を優しくなぞるように刺激され、気持ちよさに声がうわずってしまう。
じわじわと痺れるような快感によって肉棒には更に血流が集まり表面に太い血管が浮き立つ。
「がまんしなくていいですよ、このことはお兄ちゃんと由奈のヒミツですから」
「ぐぅっ、ぅぅっ……ッ!」
歯を食いしばって肉棒から伝わる快感を必死に耐える。その情けない兄の顔を由奈はうっとりと眺めていた。
「ふふ、お兄ちゃん、おちんちんシコシコされてキモチいいんですよね? 精子でちゃいそうですか?」
「まっ、まって由奈……ほんとに、やばいから……ッ」
本当にダメなら無理やり引き離せばいいのだ。いくら俺でも腕力で小学生の女の子に負けるはずがない。押し返すことぐらい簡単だ。
なのに────俺にはそれができなかった。
気持ち良かったのだ。自分でするのとは比べものにならないぐらい。
小学生とはいえ、女の子に性器を触られるのがこんなに気持ちがイイものだと知らなかったのだ。
もっと味わいたいと思ってしまった。
だから俺は口ではダメといいながらも、もしもこのまま射精しちゃったら、それは妹が悪戯したせいで、俺は悪くないよな────なんて、セコイことを考えていた。
そして、射精までもう少しといったところで、突如として肉棒への刺激が途絶えてしまったことに動揺した。
見ると、由奈は握っていたイチモツから手を離していた。
「えっ、なんで……」
そう呟いた俺のとんでもなく間抜けな顔が浴室の鏡に映り込んでいる。
「お兄ちゃんがイヤなら、やめます」
「ぁっ……えっ……」
俺が本心ではどうして欲しいのか、きっと由奈には見透かされている。それだというのにこの仕打ちだ。
もしかしたら、この子は俺の情けない姿を見て喜ぶドSなんじゃなかろうか?
しかしそんな俺の邪推は、とつぜん抱きついてきた彼女の温もりによって打ち消された。
「ゆっ、由奈……?」
肌と肌が密着して、由奈の柔らかい体の感触と体温が直に伝わってくる。
そして、由奈は俺に抱きついたまま耳元で囁いた。
「お兄ちゃんと初めて会ったとき、由奈は思ったんです。こんな頼りなさそうな人が私のお兄ちゃんになるんだなって」
────なに? なんで俺、いきなりディスられてんの?
「小学生の私にもオドオドしてて、体は大きいのに迷子の子犬みたいでした。きっと今まで誰にも褒めてもらえず、ひとりぼっちで寂しい思いをしてきたから、自分に自信がもてない性格になっちゃったんだろうなって……」
おいっ、やめろ! 刺さるから! その言葉は俺のハートの柔らかい所にグサグサ刺さってるから!
「だから由奈は決めたんです。お兄ちゃんの妹になったら、私がたくさんナデナデして甘やかしてあげようって」
何を言ってんのこの子!?
目を爛々とさせながら力説する義妹の迫力に呆気に取られていると、彼女の手がまた俺のイチモツを握った。
「うぁっ……!」
「だから、ね? お兄ちゃんは由奈にはワガママ言っていいんですよ。妹にならお兄ちゃんの恥ずかしいところ全部見せてもいいんですよ?」
そっ、そうなの? お兄ちゃんは妹に恥ずかしいところ見せても許されるものなの?
俺の中で兄妹の定義が崩壊していくなか、由奈の柔らかい唇がチュッと頬に押し付けられる。
「ちゅっ……んっ、ちゅっ、ちゅっ……」
ぷにっとした感触が何度も頬に押し付けられる。チュッチュッとキスを浴びせながら、その位置はだんだんと唇に近くなってゆき、ついに口の端に到達した。
このまま、唇にキス────。
しかし、その寸前で、由奈はまたピタリと動きを止めてしまう。
「んふっ、どうしたんですかお兄ちゃん」
もの欲しげな目で見る俺に由奈が意地悪く尋ねる。
まただ。この子は俺が何をして欲しいのか分かってくるくせに、最後は俺に言わせてようとする。
「恥ずかしくないですよ、お兄ちゃんがして欲しいこと、妹の由奈になら言ってもいいんですよ?」
「あっ、ぅっ……キス……して」
「ほっぺにチュウですか?」
「ちがっ、じゃなくて……口に……して」
「ほら、がんばってくださいお兄ちゃん。お兄ちゃんは小学生の妹の由奈に、お口にキスして欲しいんですか?」
「うっ……キスして……欲しい、俺は高校生なのに……小学生で、妹だけど、由奈と……キスしたいっ」
胸の内に秘めた欲望を吐露した瞬間、俺の中にあったちっぽけなプライドとか自尊心は完全に完璧に完膚なきまで打ち砕かれ、残ったのは丸裸にされた俺という矮小な存在だけ。
「よくできました。お兄ちゃんいい子いい子。いい子のお兄ちゃんにはご褒美の……んっ、ちゅっ、ちゅぷっ……んちゅっ」
必死に抱えていたものを投げ捨てた対価はすぐに与えられた。
みすぼらしい裸の心を包むかのように、由奈は俺を抱きしめながら唇を重ね合わせると、口の中にピンク色の舌をにゅるりと捻じ込んで俺の舌と擦り合わせる。
「んっ、れろっ、くちゅっ、チュッ……ちゅぷっ……れろっ、れぇっ……くちゅっ、ちゅぽっ……」
ウネウネと性交するように絡み合う舌。これだけでもイッてしまいそうなほどにキモチイイのに、それと同時に股間で勃起している肉棒を片手を使って扱き上げる。
「んっ、ちゅっ、れろっ……チュッ、んっ、んんっ、お兄ひゃん、キモチいいですか? んむっ、んっ……小学生の妹とチュッチュしながら、勃起ちんちんシコシコされるの、キモチいいですか?」
「うぅッ……! 由奈の手も舌もキモチイイ……もっと、してほしい……」
「んふっ、すなおに言えていい子いい子です。それじゃぁ、たくさんチュッチュして、おちんちんシコシコしてあげますからね……んっ、ちゅぷっ、れろっ、くちゅっ、ちゅぱっ……んんッ……」
由奈は俺の願い通りに唇と舌を使って口の中を蕩かしながら、空いてる手でガマン汁を垂れ流してらてらと粘液に濡れた肉棒を手淫する。
「んぐっ、んぉっ、ぉぉっ……!」
口内でくちゅくちゅと絡み合う舌の音が頭の中に響き、手コキされるチンコは感覚が馬鹿になりそうなぐらい気持ちがいい。
上下から同時に送り込まれる快楽に頭がどうにかなりそうだった。
必死に押し留めていた精液がぐらぐらと込み上げてきて、もはや爆発寸前である。
由奈も射精が近いことを気づいたのか、さらに激しく手を動かす。
「うぅッ! 由奈っ……もっ、もう出そう……!」
「ちゅぷっ、んふっ、いいんですよ、小学生の妹におちんちんシコシコされながら、白い精子ぴゅっぴゅって出しちゃいましょう? 我慢しなくていいですから、ほら、しこしこキモチいいですね? お兄ちゃん精子出しちゃいましょうね? んんっ、ちゅっ、ちゅぷっ、れぇっ……ろれっ」
甘やかすような囁き声、蜜のように甘い唾液、溶けてしまいそうな快感、もはや我慢ができるはずもなく、性器の奥がぐぅっと引き締まり、俺は爆発寸前の射精感を一気に解放した。
「ぅぁあああぁァァッ!!」
ドブッ! ビュル! ビュルルッ! ドビュッ! ブビュッ! ドビュルッ!!
自分でも驚いてしまう量の精液が由奈の手の中に放出された。肉棒が脈打つたびにドプッドップッと粘ついた白濁液が吹き出す。
俺は無意識のうちに由奈にしがみついていた。まるで子供が母親に甘えるように。
頭の中が痺れて真っ白になる。快感、開放感、満足感、今までしてきたオナニーとは段違いの快楽だった。
長い射精を終えると、由奈は満足げに微笑みながら優しく俺の頭を撫でた。
「ふふ、じょうずにピュッピュできましたね、お兄ちゃん、いい子いい子」
由奈は尿道に残っている精液を絞り出すように、射精直後で敏感になっている肉棒をゆっくりとしごく。
「ぅぅっ……」
溜まっていた精液と共に心の中身を全てブチまけてしまった俺は、全身から抜け落ちるような脱力感に動けなくなってしまう。
ようやく放した由奈の手には俺が射精したドロリと濁った精液がべったりと絡み付いていた。
「男の子の射精って、こんなにたくさん出るんですね」
「ぁぁっ……ぅん……」
いつもはそんなに出ないけど、訂正する気力もない。
由奈も初めて生で見る男の精液を物珍しそうに手の中でいじっている。
俺はといえば、小学生の義妹の手に汚らしい精液をぶっかけてしまった罪悪感を覚えながらも、甘やかな快感の余韻に浸っていた。
とんでもないことをしてしまった……でも、とんでもなく気持ち良かった……。
「お兄ちゃん」
「んっ、なに……?」
「これからは由奈に好きなだけ甘えていいですよ」
「えっと……うん……」
「いい子いい子」
この先、俺と由奈は、どうなってしまうのだろう……。
妹に頭を撫でられる俺は、不安を感じていながらも、今まで心に空いていた隙間が埋まったような気がしていた。
それが良いことなのか悪いことなのか────俺には分からない。