認識はしていた。これは”おかしい”ことなのだと。
幼い裸体を晒し兄のベッドに横たわる妹も、まだ小学生の妹に欲情してペニスを勃起させる兄も、何もかもが不釣り合いで全くバランスがとれていない。
異常で、歪で、どうかしている。それだというのに興奮が止まらない。
いや、止められないのではなく、止めたくないのだ。体が熱に浮かされるような高揚感、甘美な疼きをもっと感じていたいと思ってしまう。
それに、おかしいのは俺だけではない。由奈だってこれから自分が何をされるのか想像できないはずがない。それだというのに、性欲に飢えた男の勃起したイチモツを向けられても彼女に怯んだ様子はなく、ただ黙ってこちらを見つめるだけだ。
恐くはないのだろうか? まさかもう経験済みだったり? 実はこう見えてクラスの男子とヤリまくってるビッチ小学生です☆ なんてエロ同人みたいな展開が────あるわけないか。
頭をよぎったアホな想像をすぐにかき消す。
由奈は何を考えているか読めない少女だが、そんなタマじゃないことぐらい一緒に暮らし始めて数日の俺でもわかる。
彼女が俺を受け入れようとしている理由はきっと、風呂場で言っていた通り”甘やかしてあげたいから”だけなのだろう。冗談に聞こえても由奈は本気だったのだ。
いや、それで自分の処女を捧げる女児ってのも意味がわからないんだけど、こちらを見る由奈の目は「お兄ちゃんの好きにしていいんですよ」と言っているようだった。
そうだよ、由奈自身が望んでいるのなら我慢する必要なんてないじゃないか。
お言葉に甘えて好きなようにさせてもらえばいいのだ。
したいことを何でもさせてくれるという小学生の女の子を性欲の赴くままに……。
──なにそれ、どんなエロゲ?
あまりにも非現実的な状況。されど今まで妄想でしかなかった女の子とのあれやこれが叶うのだ。考えただけで勃起した肉棒はさらに滾ってしまう。
欲望に背中を押され、ベッドの上を膝立ちになってズリズリと由奈に近寄ると、彼女のか細い足を持ち上げM字に脚を開かせる。
ぱっかりと開かれた股間には濡れそぼった幼いワレメ。
男のペニスを受け入れるための穴がこの奥に隠れているのだ。考えただけで股間の奥が疼いて尻の穴がぐっと窄まるのを感じながら、開いた脚の間に体を潜り込ませ腰を近づける。
すると、血流で大きく膨らんだ亀頭の数センチ先には、まだ男に触れられたことのない小学五年生の性器が待ち受けていた。
少し腰を動かせば互いの性器が触れ合いそうな距離。AVでは何度もみたことがある正常位の体勢。
いつか自分も実際に女の子とセックスすることを想像しながら日々シコっていたが、その機会がまさかこんなに早くに訪れるとは思わなかった。
落ち着け、大丈夫だ……知識だけは十分にある。
あとは亀頭をワレメに当てがって、膣口を探りながらゆっくりと腰を落として挿入すればいいだけじゃないか。
それだというのに最後の踏ん切りがつかない。
もしも相手が同じクラスの女の子であったなら、なにも躊躇うことなく喜んで童貞を捨てることができただろう。
しかし、そこにいるのは自分の義妹で、しかも小学生の少女なのだ。
本当に、このままヤッても大丈夫なのか──?
そう考えた瞬間、興奮によって頭の隅に追いやられていた理性が再び活気づいてしまう。
──相手はまだ小学生だぞ。そんな子とセックスしたのがバレたらお前の人生はどうなる?
──俺はよくても、小学生の女の子が男のペニスを受け入れられるのか? 傷つけてしまうんじゃないのか?
──こんなことが許されるはずがない、お互いに不幸になるだけだぞ?
冷水を浴びせるように次々と沸き起こる懸念の数々。脳内を支配していた高揚感がどんどん小さくしぼんでゆき、かわりに恐れと不安が膨張する。
どうすれば……どうしよう……。
極度の緊張によって早まる鼓動。ドクン!ドクン!と頭の中に煩く鳴り響く。
息が苦しくなり、思考がまとまらず頭が真っ白になる。
葛藤のあまり、挿入しようとする姿勢のまま動けなくなってしまう。
「お兄ちゃん?」
「あ……」
由奈の声で正気に戻った俺は、自身の股間を見て間抜けな声を出す。
情けないことに、あれだけ威勢よく勃起していたはずのペニスは今や見る影もなく小さく縮こまっていたのだった。
「ごっ、ごめん、由奈、すぐに勃たせるから……!」
慌てて手でシゴいてみるものの、焦りのせいか全く反応してくれない。
こんなフニャチンでは挿入なんて出来るはずもなく、つまり俺の脱童貞は失敗したのだ。
義妹とのセックスが未遂に終わったことにどこか安堵しながらも、男としてのプライドは完全にへし折れてしまった。
あぁ……俺ってやつは、なんて情けないんだ……。
あまりの不甲斐なさに涙が出そうになり、それすらも情けなく思えて、もはや黙ってうな垂れることしかできないでいる俺の膝を由奈の小さくて温かい手が優しく撫でた。
「お兄ちゃん、おいで、ギュッてしよ?」
あらゆる意味で情けない兄を包みこんで許しを与える妹の慈愛。悪魔的な──いや天使的な母性に誘われ、俺は一も二もなく小さな胸に飛びついた。
「由奈ぁ……」
「ん、よしよし、お兄ちゃんいいこいいこ」
ああキモチワルい。なんてキモチワルイやつなんだ俺は……! 小学生の女の子に縋り付く男なんて最悪じゃないか!
それだというのに、この安心感といったらなんだ!?
由奈の小学生おっぱいに顔を埋めながらナデナデされているだけで圧倒的な多幸感に体が包みこまれてしまう。
あぁ……あったかい、小学生の体温でギュッてされるのあったかいよぉ。
(後の俺は語る。間違いなくこの瞬間に俺は由奈の手のひらの上に落ちたのだと────)
そうとも知らずに俺が甘やかしを享受していると、由奈が耳元に口を寄せてくる。
「よしよし、お兄ちゃんいいこ。お兄ちゃんは由奈に好きなだけ甘えていいんですよ」
鼓膜を揺らす由奈の甘い囁きに脳が溶けそうだった。
あまりの心地よさに、俺はいったい、今まで何を意固地になっていたのだろうとさえ思えてくる。
兄妹だからとか、年上の男だからとか、そんなくだらないプライドさえ捨ててしまえば、こんな幸せがすぐそばにあっただなんて……。
「ほら、お兄ちゃんの好きなチュッチュしましょ?」
新たな世界を垣間見た兄を引きずり込むように、由奈のプルンとした可愛らしい唇が近づき、触れ合い、深く合体する。
「ちゅっ、ちゅぷっ……んっ、れろっ、ちゅっ……んふっ、お兄ちゃん、キスするのキモチいいね?」
俺は考えることを放棄して妹に身も心も委ねる。まるで親鳥に餌をもらう雛のように、ただただ彼女の甘い唇をついばんだ。
「いっぱいキスしてあげますからね、んっ、ちゅぷっ、レロッ……くちゅっ……ちゅぷ」
柔らかな唇に愛撫されながら、ねっとりとした舌が口の中を蠢き。由奈の甘い匂いが鼻の奥まで広がる。
「ふふっ、お兄ちゃんはお耳を舐められるのも好きなんですよね? たくさんクチュクチュしてあげますからねぇ、んっ……れろっ、ちゅぱっ、れるれるっ……」
「うぁ……ぁっ……ッ」
口を離したかと思えば、今度は耳の穴にしっとりと濡れた舌先が入り込んでくる。ネチョっとした生暖かい感触。耳の中を弄ばれるゾクゾクとした感覚に背筋が震える。
「んっ、れろっ、ちゅっ……くちゅっ、ふぅぅっ、ちゅぷ……ほぉら、んっ……れるっ、ちゅぱっ、んふっ、妹にお耳クチュクチュされるの、キモチイイね?」
耳元に唇を密着させながら甘く囁かれる由奈の声が鼓膜を震わせる。天使の声音とピチャピチャといやらしく響く唾液の音。
まるで頭の中に直接快楽を注ぎ込まれたかのように脳みそが痺れて何も考えられなくなる。
「ふふっ、お兄ちゃんのオチンチン、元気になりましたね」
いつの間にか再び勃起していた肉棒を由奈の指がさわさわと撫で付ける。
「うっ……でも……」
挿入しようとすれば緊張でまた萎えてしまうのではと考えてしまうが、由奈はそんな俺の不安も見透かしているかのように、よしよしと頭を撫でた。
「だいじょうぶですよ。お兄ちゃんは横になってください。由奈がこのままもっとキモチよくしてあげますからね」
言われた通りに俺が仰向けに寝そべると、今度は由奈が股の間に位置取る。先程とは体勢が逆になったかたちだ。
「じっとしていてくださいね」
いったい何をしようというのか。頭を上げて彼女を見ていると、由奈はおもむろに股間の前に屈み込むと、勃起したペニスに顔を近づけた。
「んっ……れろッ……レルッ……ちゅっ……」
「うぁっ!?」
突如、温かくねっとりとした感触が股間を駆け巡り、あまりの気持ちよさに思わず声を上げてしまう。
何をされたのかすぐに分かった。由奈が舌で竿を舐め上げたのだ。
あまりの快感と信じられない光景に唖然としながら見つめる先で、由奈は伸ばしたピンク色の舌をゆっくりと兄の勃起したペニスに這わせるのだった。