「お姉ちゃん、ちょっとまって……」
「どうしたの?」
「あのね、小学五年生になってもお姉ちゃんとお風呂に入るのって、変じゃないかな……」
そう、ボクは小三どころか、小五になった今でも、お姉ちゃんとお風呂に入っていた。
最近ではお母さんからも、もう小さな子じゃないんだから、いいかげんやめなさいと言われているけど、こうしてお父さんやお母さんが留守の日は、お姉ちゃんはボクといっしょにお風呂に入ろうとする。
「どうしたの? またお母さんに怒られた?」
「ううん、そうじゃないけど……」
「それじゃあ……学校の子に何か言われた?」
お姉ちゃんはすごい、ボクが言わなくてもなんでもお見通しだ。
「ちょくせつ言われたわけじゃないけど……あのね、今日、クラスの男子が、お姉ちゃんとお風呂はいってるやつはキモいって、ヤバイって話してるの聞いて……」
「そうだったのね、じゃあ、アキくんはもう、お姉ちゃんとお風呂入るのはイヤになっちゃった?」
「ううん、そんなことないよ! でも……やっぱりヘンなのかなって……」
もうお姉ちゃんとお風呂に入れなくなっちゃうんだと思ったら、すごくかなしくなってきた。
うつむくボクと目線を合わせるように、お姉ちゃんがボクの前でしゃがむ。
「そうね、たしかに普通は、アキくんぐらいの歳になったら、もうお姉ちゃんといっしょにお風呂に入らないかもしれないわね」
「うん……」
「でもね、お姉ちゃんとアキくんて、普通の姉弟よりも、とっても仲良しだと思うの。クラスメイトの男の子は、お姉ちゃんとあまり仲が良くないんじゃないかしら?」
たしかに、ボクと同じように姉がいる男子の話を聞いてると、そんな感じがする。自分のお姉ちゃんを交換したいだなんて、ボクなら冗談でもそんなこと言わない。
「うん、たぶんそうだと思う。よく悪口言ってるもん。うるさいとか、ケンカしたとか」
「でも、アキくんはお姉ちゃんのこと、そんなふうに思ってないでしょう?」
「あたりまえだよ! ボクお姉ちゃんが大好きだから! 悪口なんてゼッタイいわない!」
「ふふっ、ありがとう。お姉ちゃんもアキくんのこと大好きよ。だからね、仲が悪い姉弟だったら一緒にお風呂に入らなくなるのが自然なのかもしれないけど、わたしたちはとっても仲がいい姉弟なんだから、一緒にお風呂に入ってもいいんじゃないかしら?」
「ぅえっ? あ、ぅっ……そう、なのかな……?」
「そうよ、お母さんも私達が一緒にお風呂に入るのをやめなさいって言ってくるけど、おかしいわよね、だってナニも悪いことをしてるわけじゃないじゃないのよ? お姉ちゃんがアキくんと一緒にお風呂に入りたくて、アキくんもお姉ちゃんと一緒にお風呂に入りたい。ただ姉弟で仲良くしようとしてるだけなのに、やめろだなんておかしいわ」
お姉ちゃんに言われると、ボクもだんだんそんな気がしてきた。そうだよ、ボクはただ大好きなお姉ちゃんと一緒にお風呂に入ってるだけなのに、それがダメだなんておかしいよ!
「うん、そうだよね、ボクもそう思う。ボク、お姉ちゃんと一緒にお風呂に入りたい」
「お姉ちゃん嬉しいな、アキくんがそう言ってくれて」
ボクの言葉に、お姉ちゃんが微笑んで頭を撫でてくれる。
「けど、周りの人は、それが分からないから、きっと何か言ってくると思うの。だから、わたしたちが一緒にお風呂に入ってるって、みんなにはナイショにしましょ? お母さんやお父さん、学校のクラスメイトにもナイショ、お姉ちゃんとアキくんだけのヒミツにするの」
「ボクとお姉ちゃんだけのヒミツ……」
いたずらっぽく、口の前で指を立てるお姉ちゃんは、なんだかいつもより子供っぽくて、でもそれがすごくカワイイと思った。
「うんっ、わかった! ヒミツにするよ!」
「ふふっ、アキくんはいい子ね。それじゃあ、お姉ちゃんとお風呂入ろっか」
「うん!」
ふしぎだな、さっきまで胸の中がモヤモヤしてたのに、お姉ちゃんと話したらスッキリして、もうクラスメイトが言ってたことなんて気にならなくなっていた。お姉ちゃんはやっぱりすごい。
そしてボクとお姉ちゃんは、仲良く手を繋いで、今度こそお風呂場に向かった。
洗面所で服を脱ぐとき、お姉ちゃんはいつも手伝ってくれる。
「ほらアキくん、ばんざーい」
「んん〜」
いわれるままに手を上げると、お姉ちゃんがシャツをすぽっと脱がしてくれた。
「じゃあ、次は足をあげて」
「うん」
しゃがんだお姉ちゃんに靴下を脱がせてもらい、そのままズボンとパンツも脱がされて、ボクが裸になると、お姉ちゃんは自分の服を脱ぎ始める。
ニットを脱いでから、スカートを下ろして足からするりと抜き取り、背中に手を回して上手にブラジャーを外す。そのしぐさが、なんだかすごく大人っぽくて、ボクはじっと見つめてしまう。
胸をかくしていたブラジャーが脱げると、お姉ちゃんのおっぱいが丸見えになる。
まあるくて、おもちみたいにむにゅっと柔らかそうなお姉ちゃんのおっぱい。
「どうしたのアキくん? お姉ちゃんのおっぱいが気になるの?」
「あ……うん、お姉ちゃんのおっぱい、まえはもっとぺったんこだったのにね」
「そうねぇ、お姉ちゃんの胸、中学生になってから急に大きくなりはじめたから」
そう言いながら、お姉ちゃんは最後にパンツを脱いだ。
「おまたせアキくん」
こっちを向いたお姉ちゃんのお股には、細い毛がうっすらと生えていた。きっとクラスの女子には生えてないと思う。ボクのチンチンにもまだ生えてない。やっぱりお姉ちゃんは大人だと思った。
そして裸んぼうになったボクたちは一緒にお風呂場に入った。
