それは四月も下旬だというのに、まるで初夏のように蒸し暑い日だった。
夜になっても熱気の篭もった部屋は寝苦しく、冷房を効かせてベッドに横たわっていると、不意にコンコンとノックの音が部屋に響た。
「おじさん、起きてる?」
「ん……ああ、起きてるぞ」
次いでドアの外から聞こえてきた声に返事をすると、遠慮がちに開かれたドアの隙間から美緒が姿を見せた。
体を起こして枕元の灯りをつけると、室内がオレンジ色の光でぼんやりと明るくなる。
美緒はよほど暑かったのだろう、ずいぶんと涼し気な……というかエロい、高校生がそんなの着ちゃダメだろって言いたくなるセクシーなベビードールを着ていた。
照明の光で照らされた肢体はシルエットがうっすら透けて、きっとまたブラをつけていないのだろう乳房の丸みや、股間を隠す下着の形まで見えてしまっている。昨今の女子高生の寝巻き事情はいったいどうなっているんだ?
いつもとはどこか雰囲気が違う姪の様子に胸がざわつく。
「ど、どうしたんだ?」
「部屋のエアコンが調子悪いみたいで、暑くて眠れない。おじさんの部屋で一緒に寝てもいい?」
その言葉に、今度は股間がじわりと疼くのを感じた。
──これは、なんというか、すごくマズイ気がする。
美緒が幼いときには一緒に寝たこともあった、しかしそれはまだ小学生の低学年のときだ。女として美味しそうに実ってしまった今とはまるで話が違う。ここでベッドに招き入れたら、今まで抑えていた衝動が溢れ出してしまいそうだった。
「……わかった、俺はリビングで寝るから、美緒はここで寝るといい」
「そんなの悪いよ、一緒に寝よ?」
「いや、それはダメだって……」
「どうして? 小さいときはよくおじさんと一緒に寝てたのに」
だから、それは「小さい」ときの話だろ?
美緒にとっては今も変わらず俺は「親戚のおじさん」なんだろうけど、俺にとって、お前はもう性の対象になってしまっているから、不用意にそんなことを言ってはダメだ──と、はっきり言えないのがもどかしい。
「ほら、このベッド、ふたりだと狭いしさ」
「くっつけば大丈夫だよ、わたし寝相いいし」
いや余計にダメだから! それ全然大丈夫じゃないからぁッ!
と、心の中で叫ぶ俺を無視して、美緒はそのまま部屋に足を踏み入れると、猫のようにスルリとベッドの中へ潜り込んでしまう。
もぞもぞと布団の中を移動して、すぐ隣にひょっこり顔を出す仕草は本当に猫みたいだった。
「おじゃまします」
「ちょっ、おまえなぁ……」
どこか甘えた声で呟く美緒。細められた目は何かを求めるように、こちらをじっと見つめている。布団の中で触れた生足から美緒の体温が伝わってきて心臓の動きが早まる。
あかんでー、これはあかんやつやでー。
雰囲気に呑まれて間違いを起こす前にベッドから逃げ出そうとするも、しかし、シャツの裾を摘む細い指に阻まれてしまう。
「待っておじさん……本当はね、お父さんやお母さんと離れて暮らすの、すごく寂しくて……お願い、今日は一緒に寝てもいいでしょ?」
「ぬっ……」
その言い方はずるくない? 可愛い姪からそんなふうに上目遣いでお願いをされてしまったら、どうして断ることができようか。
だいじょうぶ、だよな? うん、美緒はちょっとホームシックになってるせいで大人に甘えたいだけだ。俺がしっかりしてれば、何も起こらないさ。
「しょうがないな、今日だけだぞ?」
「うん、ありがとう」
それは無理やり自分を納得させるような言い訳じみたものだったが、決心して布団の中に潜る。
「んっ、大きくなってから一緒に寝ると、ちょっと変な感じがするね」
「そりゃあ……そうだろうよ」
なるべく美緒の顔を見ないようにするも、わずかに視線を横に動かすと、肩紐がずり落ちて半分はだけてしまっている大きな乳房が視界に飛び込んできたので慌てて顔をそむける。
すると、すぐさま美緒が腕に抱きついてきた。右腕がおっぱいの谷間にむにゅんと挟まれて、早くも揺らぐ我が心。
「どうかした?」
「……なんでもないよ。ほら、もう明かり消すからな」
「うん。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
照明が消えると、暗くなった部屋にはエアコンから冷気が吹き出す音、そして耳元で感じる微かな息づかいだけが残った。
ベッドはふたりで寝るにはやはり少し狭くて自然と互いの体が密着してしまう。
心を落ち着けようと目をつむってみるも、逆に柔らかな女体の温もりをはっきりと感じてしまい、うるさく脈打つ心臓の音が美緒に伝わってしまわないか心配だった。
──だめだ、眠れる気がしない……。
かといって下手に動くこともできず、じっとしたまま時間だけが過ぎていき、美緒はもう眠ったのだろうかと考えていたときだった。
「おじさん……もう寝た?」
囁き声に耳をくすぐられ、思わず体が反応しそうになるのを堪えて寝たフリをする。なんというか、返事をしちゃダメな気がしたのだ。
「ねぇ、おじさん……」
隣で美緒が動いている気配が伝わってくる。次いで頬に吐息が吹きかかった。
──美緒はいったい何をしてるんだ?
声は止んだ。けれど、暗闇の中で今もなお息遣いだけはすぐそばに感じる。目の前に、顔のすぐそばに──。
俺が目を開けようか迷っている隙に、今度はぷにっとした柔らかいものが唇に押しつけられた。
「んっ……ふっ、ちゅっ……」
驚いて目を開けても、暗くて何も見えない。慌てて引き離そうとしたが、美緒は首に抱きつくとますます唇を強く押し付けて、歯の隙間から温かな唾液で濡れた舌をねじ込んできた。
「ちゅぷっ……れりゅっ、ちゅくっ、んふぅ、れるっ……ちゅくっ……んンっ……」
粘膜の擦れるクチュクチュとイヤラシイ音が頭に響く。それはたどたどしくも熱の籠もった濃厚な口づけで、密着する少し汗ばんだ柔肌の包容も合わさって体温が上昇していく。なんともいえない気持ちよさだった。
しかし、そのまま流されてしまいそうになる寸前で俺は残っていた理性を振り絞り、体の上に覆いかぶさっていた美緒の肩を掴んで顔を引き離すと、手を伸ばして枕元のライトを点ける。
暗い部屋に頬を上気させて俺の上に跨っている姪の姿がぼんやりと浮かびあがった。
「美緒……おまえ、どうしてこんな……」
「どうして──? ……おじさんが、わたしのことずっとエッチな目で見てたの気づいてたよ。ずっとわたしと、こういうことしたかったんだよね?」
「そっ、それは……」
バレてた!? いや、そりゃあアレだけ露骨に反応してたらバレて当然だろうけど、だからってどうしてこうなる?
「ねえ、おじさんがしたいなら、わたしはいいよ、エッチしても」
「なにバカなこと言って──」
「んっ……おじさんのここ、すごく大きくなってる……ほら、わかる? カチカチになったおじさんのオチンポが、パンツ越しにわたしのオマンコに擦れてるの……あっ、んぅ……」
「うぁっ、ちょっ……やめっ」
反論を遮るように股間でグリグリとペニスを圧迫され、陰茎を走る甘い痺れに思わず呻きが漏れる。
「おじさんのここ、すごいビクビクしてる。ねえ、生でくっつけたら、もっと気持ちよくなれるよ? 女子高生の生オマンコに、勃起したオチンポぐりぐりって……はぁっ……んっ、ぅうんっ」
美緒が切なげなあえぎを漏らして腰を揺する。ズボンの中で硬くなっているペニスが刺激に反応してビクッビクッと脈打った。
下着越しに擦られているだけでこんなにも気持ちいいのだから、これでもし性器が直接触れ合ってしまったら、いったいどれほどの快楽を味わえるのだろうか──。
誘惑に屈しそうになっているところで追い打ちをかけるように、美緒はキャミソールの肩紐を滑らせて乳房をはだけると、俺の手を取って露出した乳肉に押し付けた。
「ほら、JKの生おっぱいだよ。ほんとは触りたかったんでしょ? いいよ、わたしのおっぱい、おじさんの好きにして。思いっきり揉みくちゃにしても、赤ちゃんみたい吸っても。だから……ね? しようよ」
指が乳肉にムニュリと沈む。大きいとは思っていたが、直に触れるとその重量感に驚かされる。タップリと重たく、掌に吸いつくような肌触りとみずみずしい弾力。女子高生だから許されるおっぱいの感触だった。
これを自分の好きなようにしていいと言われてはたまったものではない。今すぐこのけしからん巨乳を揉みくちゃにしてやりたいという衝動が込み上げるも、ギリギリのところで理性が踏みとどまる。
「まっ、まて……これは……すごく、よくないことだ。わかるだろ? 俺たちは……んむっ!?」
「クチュッ……ンッ、じゅるっ、はぁっ……ちゅぷっ、れりゅっ……うんぅっ」
諭そうとする口を塞がれ、貪るような舌使いで口内を蹂躙された。普段の淡白な言動からは想像できない、トロトロの唾液をたっぷりと絡ませた情熱的な舌交尾。
──美緒はいったい、どうしてこんな……。
どこか焦っているようにも見える強引さに気圧されながら、口の中を蕩かす甘く淫らな唾液の交わりと、パンティ越しにJKオマンコで股間を擦られる甘い痺れによって、だんだんと頭の中がぼうっとしていく……。
そして気がつけば、俺は美緒の華奢な背中を抱き寄せて、自分から舌を絡めていた──。