部屋に響くアラームの音で意識が覚醒する。枕元に置かれたスマホの画面に表示された時刻は朝の7時。ぼんやりしながら隣に目を向けると、一緒に眠っていたはずの美緒の姿はなかった。
──そうか、昨夜の出来事は夢だったんだ。
だって、普通に考えたら、あんなに可愛くて巨乳なJKの姪と三十路の叔父さんがセックスできるはずがないのだから。そっかそっか、アレは俺の中で長年抑圧されていた女子高生へのアオハル妄執が見せたエッチな夢だったってわけか。
ちょっと残念なような……いやいや、女子高生に、しかも血の繋がった姪に手を出すだなんて社会的に完全にアウトじゃないか、むしろ夢でよかったと思うべきだろう。
なんて考えながら視線を股間に向けると、フルチンで元気いっぱい朝勃ち状態の息子が「昨夜はお楽しみでしたね!」と挨拶してきた。ベッドのシーツにはうっすらと赤いシミも残っていた。
俺は頭を抱えた。
「どーすんだこれ……」
過去に類を見ないヤッちまった感である。こんなの、俺を信頼して大切なひとり娘を預けてくれた兄夫婦に顔向けできないではないか。
あのときの俺はどうかしていたのだ。いくら発育が良かろうと、いくら自分好みの美少女に成長していようと、処女だった姪を相手に童貞みたくヘコヘコ腰を振って、あまつさえ子宮にたっぷり中出しまでキメてしまうんて……あんな、発情してトロトロになったJKオマンコに──!
思い出したらムラッときた。息子はバッキバキになっていた。これは朝勃ちどころではない硬さだ。
俺はまた頭を抱えた。
*
「おはよ、おじさん。コーヒー飲む?」
「え? あ、うん」
気まずさを感じながらリビングに顔を出すと、制服のブラウスの上にエプロンを身に着けた美緒がいつもと変わらぬ調子で朝食の支度をしていた。テーブルの上にはこんがりキツネ色に焼けたトーストと半熟の目玉焼きにカリカリベーコンが乗った皿が並び、隣には赤と緑で彩られたサラダも添えられている。
戸惑いながらも席についた俺の前に、淹れたての熱いコーヒーを注いだマグカップが置かれた。
「はい、どうぞ」
「ああ、うん、ありがと……」
黒い液体をひと口すすると、程よい苦味が口に広がる。いつも買ってるお手頃な豆の味にホッとした。
向かいの席に座った美緒が「いただきます」と両手を合わせたので、俺もならって手を合わせる。昨夜のことを切り出すタイミングを逃したまま、何事もなかったかのように食事が始まってしまった。
もそもそと食パンをかじりながらチラリと美緒をのぞき見る。いつもと全く変わらない表情の読めない澄ました顔。そこには初体験相手の男と朝を共にする気恥ずかしさなど微塵も感じられない。
──どうしてそんな平然としているんだ? 昨今の女子高生にとっては初体験など大した事ではないってことか? というか、なんで美緒はあんなことをしたんだ?
改めて美緒を見る。艷やかな黒髪、整った目鼻立ち、吸い込まれそうな綺麗な瞳、そしてFカップのおっぱい──これでモテないわけがない。学校ではさぞ男子の視線を集めていることだろう。
ふと、脳裏にありもしない光景が浮かぶ。
教室の窓際の席。風でフワリとなびくカーテンと差しこむ陽光。机に頬杖をついて、ぼんやりと外を眺める美緒。騒がしい教室の中で彼女の周りだけが切り取られたみたいに静かで、どこか近寄りがたい雰囲気の美少女を遠巻きに見つめる男子生徒──。
妄想の中の美緒が男子生徒の視線に気づいて振り向き、口を開く。
「おじさん、どうかした?」
呼ばれて、はたと妄想から覚める。現実の美緒が俺を見ていた。
「え……」
「さっきから、ずっとこっち見てるけど、なに?」
「あ、えっと……」
いかんいかん。美緒を見てるとうっかりアオハル妄想癖を発症させてしまう。今はそんなことより、昨夜の事について、ちゃんと話し合うことが先決じゃあないのか? そう、大人として叔父として、毅然とした態度でね!
俺は心を落ち着けるためにマグカップに入ったコーヒーを飲みながら話を切り出す。
「えー、美緒さんや、ちょっとおじさんから大切なお話があるんですけどね」
「うん」
「昨夜はその、なんというか……俺たちは男女の営み的なことをしてしまったわけですが、ひとつ屋根の下で暮らしている以上、今後ああいった行為はですね……」
「あ、もしかして、またエッチしたくなっちゃった?」
「へェッ!?」
涼し気な顔で先制パンチをおみまいしてくる姪にコーヒー吹きそうになった。
「でも、もうすぐ学校行かないといけないから、あんまり時間ないよ?」
なんか俺がエッチの催促をしてると勘違いされてるぅぅっ!?
──おいおいおい。美緒は俺のことをなんだと思ってるんだ? そんな、覚えたてのセックスにハマって四六時中盛っちゃう頭おサルさんな男子高校生じゃあるまいしさ。
確かに昨夜は雰囲気に流された挙げ句、ばちくそ中出しキメておいて今さらどの口がって感じだけれども。このままなし崩し的に叔父と姪で肉体関係になるなんてあってはならないのだ。
今ならまだ間に合う、ちゃんと言い聞かせよう。「エッチなことに興味のある年頃なのは分かるけど、ああいうことは本当に好きな相手とだけしないさい」って、それが保護者の務めってもんだろ?
「いや、そうじゃなくてさ。いいか美緒、ああいうことはだな──」
「口でならいいけど、今からする?」
「…………」
まあ色々言ったけど所詮はさ、男なんて何歳になろうが女の前では等しくおサルさんなわけで……。
「お願いしますぅぅ」
気がつけば、俺は深々と頭を下げていた。
え? 大人としての矜持はどこに行ったのかって? うるせえ黙れッ!!!
だってしょうがないじゃん!? こんな可愛い女子高生が朝からおしゃぶりしてくれるって言うんだよ!? そんなんさ……もう勃起しないわけにはいかないじゃん!
というわけで、JKフェラの誘惑に負けた倫理かなぐり捨ておじさんは手早く朝食を済ませると、さっそく姪のお口でオチンポご奉仕をしてもらうことになった──。