しとしと雨に濡れた紫陽花が色鮮やかな六月。
その日、俺と美緒は二人でショッピングモールへ出向いていた。
べつにデートというわけではないが、ただ普通の買い物をしにきた訳でもない。なんと、本日は美緒の誕生日。おじさんから姪に誕生日プレゼントを買ってあげようと、まあそいういうわけだ。
美緒は自分からこういうことを言い出さない性格なので、ちゃんと姪の誕生日を覚えていた俺には拍手を送ってやりたい。
「さあ美緒、今日は何でも好きなものを買ってやるからな、ほら、何がほしい? 遠慮せずおじさんに言ってくれていいんだゾ☆」
「おじさん、なんかテンション高くない?」
ウキウキとモールの中を見渡す俺とは逆に、美緒はいつも通りのローテンション。これではどっちが誕生日なのか分かったものではない。しかし、俺がこんな意気込んでしまうのには理由があった。
美緒との同居生活が始まってからこっち、最初こそ叔父として責任を持って姪の面倒をみるつもりだったのに、蓋を開けてみれば現役JKの色香に翻弄されるどころか、あまつさえ肉体関係まで持ってしまった。しかも友達の穂乃花ちゃんとまで致してしまったわけで……。
なんかさ、叔父としての威厳とか尊厳、もはや地に堕ちてるくね? もしかして俺、姪からJKフェチの変態おじさんとしか思われてないんじゃね?
──と、考えずにはいられない今日この頃。
だからこそ! ここらでひとつ美緒にいいところを見せて叔父としての名誉を挽回しようと思うのだ。そう──大人の財力ってやつでネ☆
今日ばかりは例えお高いブランド物をねだられたとしてもスマートにクレカを出し、「支払いは一括で(キリッ)」とキメてやる所存である。
ATMおじさん? 上等だ、それで大人の尊厳が買い戻せるならなぁッ!
そうして俺はイケ叔父な自分を想像しながら、美緒を連れて颯爽と足を踏み出したのだった。
*
「おじさん、コレとコレ、どっちがいいかな?」
ところ変わって、とある店の中。美緒がハンガーに掛けられた商品を両手に持って俺の前に見せてくる。
女性のこの手の質問をされた男性は大多数がどう答えるべきかで悩んでしまうだろう。しかしイケ叔父になると決めた俺は、ここでもスマートに答える──はずだった。
「あ~、えっと……どっちも似合うんじゃないかなぁ~」
「なんか適当に答えてない? おじさんもちゃんと選んで」
「えぇ……そんな、選べって言われても……」
現実は残酷だ。今の俺はまるで初めて女の子と買い物に出かけてキョドっちゃう童貞男子高校生。なんと情けない姿だろうか……。
しかし、ひとつだけ弁解させてほしい。これが普通の洋服選びであったら、俺もスパッと男らしく答えることが出来ていたはずなのだ。けど、いま美緒が手にしているものは──。
「じゃあ、こっちはどう?」
そう言って美緒が新たに見せてきたのは、レースとリボンがあしらわれた水色のブラとショーツだった。
──お分かりいただけだろうか?
ショッピングモールの中にある一角、明るいライティングとパステル調の内装がキラキラ感を漂わせるこの場所は男にとって未知の領域。『ランジェリーショップ』である。
周りに他の女性客がいないことは不幸中の幸いだったが、それでも居心地の悪さが半端ない。
「確かに欲しいものがあったら好きなの買ってやるとは言ったけどさ、美緒はこれが誕生日プレゼントでいいのか?」
「うん、ちょうど新しく何枚か欲しかったから」
「いや、けどなぁ……もっとほら、ブランド物の鞄とかでもいいんだぞ?」
「べつにいらない。ブランドとか興味ないし、そういうの高校生が持つものじゃないと思う」
「あ、そうですか……」
「それで、おじさんはこの下着は好き?」
「あ〜、う〜」
美緒が年齢に相応しい金銭感覚を身につけていることには感心するが、これじゃあ俺のイケ叔父計画が破綻するどころか、このままでは自分好みの下着を姪にプレゼントする変態叔父さんのレッテルが新たに貼られてしまう!
「実際に見てみないと分からない? わかった、それじゃあ試着してみよ」
「え゛?」
どうしようかと悩んでいたら、返事をする前に手を引かれて試着室の前まで連行されてしまった。
「ちょっと待っててね」
そう言って美緒は試着室の中に入ってしまい、俺はひとり残されてしまった。
──ランジェリーショップの試着室の前に居座るおじさんはさすがにマズくね?
店員さんに見つかったら絶対怒られるやつである。このままじゃガチの変態おじさん認定されちゃう!
「おっ、お〜い美緒、俺は外で待ってるから、会計になったら呼んでくれな?」
カーテン越し小声で話しかけるも返事はない。もうこのまま逃げてしまおうとしたとき、カーテンの隙間から伸びてきた美緒の手に掴まれた俺は、そのまま中に引きずり込まれてしまった。
「ちょっ! これはシャレにならないぞ!?」
「シっ、大きな声出したら店員さんにバレちゃうよ」
そう言って人差し指を唇に当てた美緒は、さっき手にしていた水色の下着を身に着けていた。
「どう? おじさんて、こういう清楚っぽいのが好きだよね?」
……図星である。
勿論セクシーランジェリーも良いと思うが、やはり美緒のような美少女JKには爽やかさを感じられる下着を着て欲しい。さすが美緒さん、おじさんの好みを分かってらっしゃる。けど今はそんな状況なのか?
「これ、スベスベしてて手触りもいいよ。ほら、触ってみて」
引かれた手がブラの覆われた乳房に触れる。柔らかい素材はたしかに手触りがよく、その下にある弾力もしっかりと感じられた。
狭い個室の中で感じる姪のほのかな体温に下半身が疼いてしまう。
そんな俺をじっと覗き込むように見つめる美緒が、ゆっくりと唇を重ねてきた。
「んっ……ちゅっ、ちゅぷっ……んふっ……」
美緒の唾液が口の中に流てくる。物音を立てる訳にもいかず、俺は黙ってされるがまま口の中に広がる甘い蜜を飲み込んだ。やがてキスに満足したのか、口を離した美緒が耳元で囁く。
「ねぇ、おじさんのココ……硬くなってるよ?」
「こ、これは……その……」
いたずらっぽく撫でられた股間は勃起で大きく膨らんでいた。
いくらなんでも、こんな場所で盛ってしまうのはマズイだろ!?
しかし、やんわりと触れてくる手を振り払うことはできず、ズボンの中からいきり立った肉棒が取り出されてしまった。
それから美緒は指でクロッチを横にズラし、とろっとした愛液を垂らすオマンコを俺に見せつける。
「これ買ってくれる?」
「ああ……買ってやるよ……」
答えながら、腰は勝手に動き、ペニスのさきっぽを濡れそぼったワレメにくちゅりと押し付ける。肉棒はゆっくりと前に突き出され、柔らかなオマンコ肉の中へと埋没していく。
ぬぷっ、ぬぷぷぷぅ──。
「んっ、ぁっ……♡」
熱くてトロトロの粘膜穴の中を肉棒が通り抜けると、美緒が背中に手を回してしがみついてきた。
「んっ、ぅんっ……おじさんのオチンチン、入ってきたっ……んぅ、ふぅっ♡」
店の中で性行為をする緊張感に刺激された膣がキュンキュンとペニスを締め付けてくる。互いに声を我慢しようとするも、熱い媚肉と硬く勃起したペニスが交わる快感に小さな呻きが漏れてしまう。
そとのきだった──。
「お客様? どうかなさいましたか?」
突然外から店員に声を掛けられて、抱き合った体がびくりと揺れる。
「あっ……な、なんでもっ……ありません……可愛いのがたくさんあるから、どれにしようか迷っちゃって……」
「そうですか、どうぞごゆっくりお選びになってください」
美緒が慌てて返事をする。さすがにこの状況はマズイと感じて俺はチンポを抜こうとしたが、美緒は両足を絡めて腰をホールドすると、そのまま膣奥へと挿入を促してきた。
(ぐぅっ……!)
肉棒が根元までズッポリと挿入を果たす。あまりの快感に思わず声が出てしまうところだったが、何とか歯を食いしばって耐えることが出来た。そんな俺の耳元で美緒が小さく囁く。
(おじさん、声出しちゃダメだよ?)
(まて……今はまずいって……)
しかし止める間もなく美緒の腰が前後に動き始める。
(んっ、ふっ♡ おちんぽっ……奥、当たってるね……♡)
(こんなところ見られたらどうするんだ……!?)
(ふっ、んぁっ……だって、おじさんが動いてくれないから……ぁっ♡)
美緒は俺の抗議を無視して、さらに大胆に腰を動かしてきた。
狭い試着室の中で粘膜が擦れ合うくちゅくちゅとした水音が小さく響く。外に聞こえやしないかとヒヤヒヤだ。
こうなったら、さっさとイカせてしまった方がいいと、俺も覚悟を決めてピストン運動を開始した。最初はゆっくりだったが徐々にスピードを上げていくと、それに合わせて美緒の反応も大きくなっていく。
(んっ、おじさんのオチンポ……きもちいいよ♡)
美緒が恍惚とした表情で呟く。姪のスケベな顔を見て滾ったチンポの切っ先が子宮口をノックすると、膣がぎゅっと収縮する。
(くっ! 美緒……締め付けすぎだって……)
(んふぅっ♡ からだ、勝手に反応しちゃって……ひうっ……んっ、ふぅぅ♡ おく……ぐりって、ふぅん♡」
声が出そうになる口を手で押さえながら、美緒はふぅふぅと息を漏らす。
密着した体はどんどん熱くなっていき、結合した生殖器は絶頂に向けて深い場所で絡み合う。
(んっ、ふっ……ぁっ♡ おじさんっ、わたしもうイッちゃいそう……)
(俺もだ……このまま、中に出すぞ!)
美緒の膣内が痙攣し始め、ペニスを搾り取るように締め付けてくる。それに負けじと腰を打ち付けると、やがて限界が訪れた。
(ぐぅっ! 出すぞっ!)
(うんっ、出してっ♡ おじさんのせーえき、オマンコの中にいっぱいちょうだい♡)
射精の懇願と共に、押さえていた滾りがチンポから一気に吹き出す。
びゅくっ、どぴゅるるるぅ! びゅくっ! びゅるるるっ──!!
美緒の中で俺のチンポが弾けた。それと同時に彼女の身体がビクンと跳ね上がる。膣壁は射精中のペニスをきつく締め上げて最後の一滴まで搾り取ろうとしてきた。
(おっ……おぉっ……ッ)
(んっ、んぅぅっ♡ はぁっ……ぁぁっ♡)
声を出せないかわりに、俺たちはこれでもかというぐらい力いっぱい互いの体にしがみついて、生殖器から伝わる脈動を感じながら絶頂の快感に震えた。
腟内に収まったペニスをドクッドクッと震わせて子宮の中に精液を注ぎ込む。
(んっ……ふぅっ……おじさんのせーえき、あったかいね……♡)
狭い試着室中で、尿道に残った精液を出し切るまで、俺たちは繋がり続けたのであった。
*
「たくさん買っちゃったね。ありがとうおじさん」
「あー、うん、まぁ……うん」
あの後、なんとか店員にバレることなく試着室を抜け出した俺と美緒は、当初の予定通り新しい下着を購入してショッピングモールを後にした。
美緒が手にした紙袋には、さっきのやつ以外にも俺が選んだ下着が複数入っている。しかも、ちょっとエッチなセクシーランジェリーまでチョイスしてしまった。
けっきょく俺は無事、「姪に自分好みの下着をプレゼントする変態叔父さん」の称号を手にしてしまったわけだ。
まあいいさ、美緒も喜んでくれてるみたいだし……。
とぼとぼと歩く俺の横で、美緒がこそっと耳打ちする。
「ねえおじさん、今夜はどれ着てシたい?」
「……ちょっとエッチなやつで」
「ん、わかった」
おそらく、俺が尊厳を取り戻す日はもう二度とやってこないだろう──。