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【20話】文化祭とおじさんとメイドカフェ【エロラノベ】

【エロ小説】ダウナー系巨乳JKの姪が俺の青春コンプレックスを刺激してくる… ダウナー系巨乳JKの姪が俺の青春コンプレックスを刺激してくる…

暑さ過ぎ去り、肌寒い風が秋の到来を告げる十月のある日のこと──。

「おかえりなさいませ、ご主人様♡」

──俺はメイドさんにお出迎えされていた。

「おひとり様ですか? お席にご案内いたしますね」

「あー、いや……」

入り口から店内の様子を伺っていたところを見つかってしまった俺が、メイド少女の接客にたじろいでいたところに、今度は見知った顔のメイドさんが登場する。

「あら、いらしてたんですね、おじさま♪ D組のメイドカフェにようこそ~♪」

「ああ、穂乃花ちゃん、ちょうどいいところに……」

そう、ここは確かにメイドカフェではあるが、秋葉原や池袋にあるような兵どもが集うお店ではない。俺が今いるのはJKの本拠地である校舎なのだ。

本来であれば部外者のおじさんが足を踏み入れただけで通報されてしまう聖域サンクチュアリだが、今日はそれが例外的に認められている年に一度の文化祭!
美緒から招待券を貰っていた俺は、こうして足を運んでメイドに扮している姪の様子を見に来たわけである。

「いらっしゃい、おじさん──じゃなかった。おかえりなさいませ、ご主人様」

そうこうしている間に待望のメイド美緒も現れた。

黒を基調とした膝上丈のミニスカメイド服を着た二人が並んでいるのを前にして、その可愛らしさに俺が思わず見惚れていると、最初に案内をしてくれたクラスメイトのメイド少女が怪訝な顔をする。

「え、なになに? このおじさん、百合院さんたちの知り合い?」

「はい、この人はわたしと美緒ちゃんのご主人様なんです♪」

「え……やば」

「違うよ!?」

あっけらかんと嘘をつく穂乃花ちゃんの言葉に、メイド少女が不審な目で見てくるので慌てて否定する。こんな場所で洒落にならん冗談はやめてほしい。

「あはっ、間違えました♪ この人は美緒ちゃんのおじさまです♪」

「うん、私のおじさん」

「へぇ〜、だったら二人が案内してあげた方がいいよね」

「そうですね♪ さあ、ご主人様、どうぞ中にお入りください♪」

「こっちだよ、ご主人様」

「あっ、ちょっ、ちょっとまってくれ!」

二人に背中を押されて中に連れ込まれそうになり、俺は慌てて踏みとどまった。だって、このまま入ったら絶対に周りから「え、なにあのおじさん。ひとりで文化祭のメイドカフェにくるとか勇者すぎじゃね?」って注目されるにきまっているからね!

「どうしたのおじさん?」

「いやさ、俺は二人の様子を見に来ただけだから。それに、おじさんが一人で入るには敷居が高いっていうかさ……」

──二人に届け俺の切実な想い!

「なるほど、確かに男性一人では入りづらいかもしれませんねぇ」

「だろう?」

さすが気配り上手な穂乃花ちゃん、三十路おじさんの繊細な心情をちゃんと読みとってくれるぜ!

「わかりました。私たち、これからちょうど休憩時間だったので、おじさまにお付き合いしますね♪」

「そうだね。それならおじさんも恥ずかしくないね」

──違う、そうじゃない!

俺の心の叫びは届かないまま、ふたりのメイドJKに両脇を固められてしまったおじさんは、逃げることもできず強制入店。そして、テーブルクロスが掛けられた席に座らされ、美緒と穂乃花ちゃんも相席する格好で着席する。

結果、文化祭のメイドカフェで両手にJKメイドを侍らせるおじさんの図が出来上がった。めっちゃザワつく教室。

──これなら一人で入ったほうがダメージが少なかったのでは?

周囲からの視線を感じて縮こまる俺をよそに、穂乃花ちゃんがニコニコ顔で手書きのメニューを見せてくる。

「ご注文は何になさいますかご主人様? おすすめはインスタントコーヒーと業務用冷凍カットケーキの『特製ご主人様だいすきセット♡』です♪」

「じゃあ……それで」

「だいすきセットみっつ入りま~す♪」

ちゃっかり三人前オーダーされた。

「楽しそうだね穂乃花ちゃん」

「はい♪ わたしアルバイトしたことなかったので、とっても新鮮で楽しいです♪」

「美緒もそのメイド服、すごくよく似合ってるぞ」

「わたしは、本当は裏方をやりたかったけど、みんなに接客しろって言われたから仕方なく」

確かに美緒がニコニコ笑って接客する姿は想像ができない。現に、今もいつもどおりのクールフェイスである。

「でもでも、美緒ちゃんの可愛いメイド服姿は男子と女子の両方から人気なんですよ♪」

「わたしはよくわかんないけど、みんながそれでいいなら、べつにいいよ」

そう口にする美緒は、自分の評判にさして興味がないといった感じだ。しかし、予想はしていたことだが、美緒と穂乃花ちゃんの容姿はクラスメイトの少女たちと比べて飛び抜けていた。特に胸囲の差は圧倒的で、この二人だけメイド服の胸の部分がパッツパツなのである。

そんな超高校級美少女メイドふたりをはべらせているVIPおじさんは、はたして周囲からどう思われているだろう? さっきから背中にビシビシと突き刺さる視線が怖くて振り向けないんだぜ……。

そうこうしているうちに、紙皿に盛られた四角いケーキと紙コップに注がれたインスタントコーヒーが別のメイド少女によって人数分運ばれてきた。提供スピードは抜群である。

──よし、さっさと食べて早く逃げ出そう。

そう思ってフォークを握りしめたところで、穂乃花ちゃんがまたして楽しそうな笑みを浮かべる。

「美緒ちゃん、ここはメイドとしてご主人様に食べさてあげたほうがいいんじゃないかな♪」

──なん……だと?

「そうだね、せっかく来てくれたんだし、わたしたちが食べさせてあげるね。はい、ご主人様、あ~ん」

「ほらほらご主人様、あ~んですよ♪」

──やめてぇ! そのご奉仕精神は称賛に値するけど、今はこれ以上おじさんを目立たせないでぇ!

これが家だったら喜んで「あ〜ん」してもらうところだが、さすがにここではヤバい。耳を澄ませば、「すいません! こっちもメイドさんに『あ~ん』してほしいんですけど!」「すみませんご主人様、うちはそういうお店じゃないんで」「え、もしかして裏オプっすか!?」なんて会話まで聞こえてくるじゃないか。

それだというのに、容赦なく口にケーキを突っ込んでくるJKメイドさんたち。

「どう? ご主人様、おいしい?」

「いかがですか~、ご主人様♪」

「あ、はい、とても美味しゅうございます……」

半解凍の冷たいケーキが口の中でシャクシャクと音を立てるが、味はよくわからなかった。

羞恥心が一周回って諦めの境地へと至る俺。こうなったら毒を食らわば皿までの精神で、とことんJKメイドカフェを堪能する次第である。

「あ〜、穂乃花ちゃん、他にもメニューはあるのかな? メイドカフェ定番のオムライスとかさ」

「そうですねぇ、他には『特製ご主人様しゅきしゅきセット♡』と『特製ご主人様らぶらぶセット♡』がありますよ♪」

「内容は?」

「ケーキの味が違います♪」

手抜き感がすごかった。

「メイド服と内装の準備に時間と予算のほとんどを使っちゃったから凝ったものはムリだった。あと、一枚五百円で『メイドさんのあまふわチェキ』と、一回三百円の『メイドさんとキュンキュンあっちむいてホイ』があるよ。ゲームで勝てばチェキが一枚無料」

と、美緒が補足してくれたが……課金圧が強ぇ。

「少しでも利益を上げないと大赤字なんです♪ いたいけなメイドを助けるために、チェキもおひとついかがですかご主人様♡」

助けてやりたいとは思うけど、ここであっさりお金を払ってしまえば、まだ社会を知らない少女に「あは♪ お金を稼ぐって結構チョロいんですね♪」と思わせてしまうかもしれない。ここは大人として、正しく教育してやらねば。

「穂乃花ちゃん、可愛くおねだりすれば男が何でも言うことを聞くと思ったら大間違いだぞ。お金を稼ぐっていうのはそんなに甘くはないんだ」

「わぁっ、さすがご主人様♪ 含蓄のあるお言葉ですね♪」

「ふふふ、だろう?」

女子高生に尊敬されることでしか得られない充足感がここにはある!

そしてしばしの歓談の後──。

俺はニコニコ顔の巨乳JKメイドに手書きのレシートを手渡された。

「お会計四千八百円になります♪」

「……これで」

「はい、二百円のお釣りです♪ 売上にご協力いただき、ありがとうございました、ご主人様♡」

そこには文化祭のメイドカフェで五千円札を出すおじさんがいた。そしてポケットにはハート付きメッセージが書かれたツーショットチェキがぎっしり詰まっていた。

「おじさん……チョロすぎ」

どうやら俺は、チョロイ男で回ってる社会の真実をJKに教えてしまったらしい。

「さてと、美緒と穂乃花ちゃんのメイド姿も拝めたことだし、俺はそろそろお暇しようかな」

「もう帰っちゃうの? せっかく来たんだし、他のクラスも見ていったら? わたし、まだ自由時間だから案内するよ」

「それはありがたいけど、いいのか?」

「もともと、おじさんが来なかったら穂乃花とふたりで回るつもりだったし、穂乃花も一緒に行くでしょ?」

「う~ん、それなんだけど、教室の方がちょっと忙しいみたいだから、わたしは残るね。美緒ちゃんはおじさまと楽しんできて♪」

「そうなの? だったらわたしも一緒に……」

「いいからいいから♪ ほら、おじさまはちゃんと美緒ちゃんをエスコートしてくださいね♪」

そうして、穂乃花ちゃんに背中を押されたおじさんと姪は、ふたりで文化祭を回ることになった──。

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