さて、学園遭難生活が始まって数日が経ち、今日はカレンダー通りなら土曜日である。
普段なら休日はいつも日々の疲れを取るために10時過ぎまでだらだら寝ているのだが、今は生徒たちの朝食を準備しなければいけないので、俺は休みにも関わらず早起きして台所に立っていた。教師というより寮母にでもなった気分だ。
「先生、おはようございます」
「先生ぇ、おはよぉー」
「……はよ」
しばらくすると仲良し三人も揃って食堂にやってきた。授業がないので制服は着ておらず、おのおの自由な格好をしている。今まで生徒とは学園でしか会うことがなかったから、少女たちのプライベートな私服姿が拝めるのはロリコン冥利に尽きる。
それから皆で席について食事を始めると、三人はこの後何をしようか和気あいあいと喋っていた。遭難中とは思えない緊張感の無さだが、落ち込んでどんよりした空気になるより遥かにマシだ。
俺も今日ぐらいは生徒の世話は忘れてのんびりしようかと思ったが、そういえば今日は自分が洗濯当番だったことを思い出した。
「みんな、後で洗濯するから、洗い物があったら出しとくようにな」
「はぁーい」
俺がそう言うと、口の端にケチャップをつけた愛奈が元気よく返事をする。
「ほら愛奈、口についているぞ」
「んむぅ」
まったく世話のかかる子だ。俺が愛奈の口元をティッシュで拭ってやっていると、ふと、日和と花鈴が何か物言いたげにこちらを見ているのに気付いた。
「なんだ?」
「先生、なんで愛奈のこと名前で呼んでんの?」
花鈴が不審な目を俺に向ける。
しまった……この間のパパ娘プレイで名前呼びは二人きりのときだけにしようって決めたのに、つい口から出てしまった。
「ああ、えっと、それは……」
「わたしがねぇ、先生ぇに名前で呼んでっておねがいしたんだー」
言いあぐねる俺をよそに、愛奈があっけらかんと答えた。
「そうなの?愛奈ちゃん」
「うんー、そのほうが仲良しになれるでしょぉ? ヒヨちゃんとリンちゃんもそうしたらいいよぉ」
「そっ、そうなんだよ。こうやって共同生活をするうえでコミュニケーションは大事だろ? もっとみんなとの距離を縮めた方がいいと思ってさ。だから二人のことも名前で呼んでいいかな?」
これは渡りに船である。俺は愛奈の無邪気な発言に乗っかって適当な言い訳をでっちあげた。
「そうですね……はい、わたしはいいと思います。花鈴ちゃんも、ね?」
「まあ、ふたりがいいなら別にいいけど……」
元から協調性の高い日和はすんなりと受け入れてくれたが、花鈴は嫌々といった感じがするな。しかし、期せずして名前呼びできるようになったのは嬉しい誤算である。
しかし、心の中で浮かれていたからだろう、そのときの俺は花鈴が疑わしげな目で自分をじっと見つめていることに気付いていなかった──。
*
朝食を終えて解散した後、俺はひとり脱衣所で洗濯機の中に溜まっていた洗い物を放り込んでいた。
「靴下は丸めたままにしないよう言っておいたのに、これはどうせ花鈴だな」
主婦じみたひとりごとを呟きながら、タオルやらシャツやらを洗濯機に放り込んでいく途中、俺の手が小さな布切れを掴んだ。
「こっ、これは……!」
柔らかな綿の肌触り、白地に薄いピンクのストライプ模様、それはまぎれもなく三人のうち誰かが着用していた子供パンツだった。長い間履いていたのだろう、ウエストのゴムが少し伸びてしまっている。ふぅむ、これは誰のパンツかな?
この縞パンを三人の少女が履いている姿を想像しながら、俺はそっとパンツを鼻に当てると、スーッと大きく息を吸い込んだ。ほのかなすっぱさが鼻腔を刺激する。
そうして俺がロリコン的儀式を執り行っていたときだった。
「うわっ、キッモーい、先生が生徒のパンツの匂い嗅いでるんですけど~」
突然背後から聞こえてきた人を馬鹿にしたような笑い声に驚いて振り向くと、そこには花鈴がニヤニヤ笑いをしながら手にしたスマホをこちらに向けて立っていた。
「かっ、花鈴!? なっ、なにをして……」
「あー、いまさら隠してもムダだから、もう動画に撮ってあるし」
咄嗟に手にしたパンツを背中に隠したが、それも背面カメラのレンズにしっかり捉えられていた。
ぬかった!携帯は圏外のせいで通話こそできないが、それ以外の機能は使うことができる。俺が生徒のパンツをスハスハしている一部始終を撮られてしまった!
「なっ、なんでこんなこと……」
「わたし先生のことずっと怪しいと思ってたんだよねぇ、いっつもキモチワルイ目でわたしたちのこと見てるし、学園に閉じ込められてから愛奈や日和にやけにベタベタしてるし、気づかれてないとでも思ってた?」
愛奈や日和と秘密のアレコレをしてからも、三人が揃っているときはなるべくいつも通りに振る舞っていたつもりだが、まさか花鈴がそこまで疑っていたとは……完全に油断していた。
「日和や愛奈は気付いてないみたいだったけど、わたし知ってるんだよ、先生みたいな小さな女の子のことが好きな大人って、ロリコンて言うんでしょ?どうせ隠れてキモイことしてるんだろうと思って覗いてみたら、やっぱりね、わたしたちのパンツの匂い嗅ぐとかほんとキモい、死んだ方がいいんじゃないの?」
「ぐぅ……っ!」
「この動画をけーさつに見せたら、先生捕まっちゃうんじゃないかなぁ? ああそうだ、愛奈と日和にも見せてあげないと、うちらの先生は小学生のパンツの匂いを嗅ぐヘンタイロリコン教師だってさぁ」
「まっ、まて! 頼むからやめてくれ」
「どうしよっかなぁ、内緒にしてあげてもいいけど……じゃあそのかわり、先生は今からわたしの言うことをなんでも聞く犬になってもらうから」
「は? 犬?」
いきなりなにを言うかと思えば、調子に乗ってんじゃねえぞこのメスガキがぁっ! 言うにことかいて大人の教師である俺を犬扱いだとぉ!?
「なに? なんか文句あるわけ? このことバラされてもいいの?」
「あっ、いや……それは、だめだ……」
くそっ! こんなメスガキの言いなりになるなんて!! しかし甚だ不本意だが現場証拠を握られてしまってはどうしようもない。
もしもヘタに抵抗して愛奈な日和に俺がパンツをクンクンしている動画を見せられでもしたら……。
あれ────?
別に平気じゃね?
だって俺と愛奈はおちんちんシコシコどころから、お口でちゅぽちゅぽして口内射精しちゃう仲良しパパ娘だし。日和にしたってお互いチンコとマンコを触りっこしながら秘密のオナニーレッスンをしてる仲じゃん。
そんな俺が生徒のパンツをスハスハしていたのを知られたところで、それこそ今更って感じじゃねえの? 愛奈はあんまり気にしなさそうだし、日和は自分のパンツを嗅がれて恥しそうにしながらも、謝ったら簡単に許してくれる姿が容易に想像できるぞ。
そもそも警察に通報とか、外から隔離されてるから現状では不可能だし、うん、冷静に考えてみれば、こんなの脅しの材料にはならないわ。
なんだ、ビビッて損した。
「ちょっと先生、聞いてるの? なんとか言いなさいよ」
しかし花鈴は鬼の首を取ったようにスマホをチラつかせてドヤ顔をキメている。このメスガキさん自分が優位であることを疑っていないようだ。
というか、もしもこの場で俺が逆上して襲いかかってきたらとか想像できないのかね? ここには大人は俺しかいないんだ。もしも俺が凶悪なロリコンだったら今頃お前のメスガキロリマンコはロリコンチンポでブチ犯されてるんだぞ?
そんなこともわからないなんて、頭の悪いメスガキだなぁ。
泣くまで尻を叩いて叱ってやろうかとも思ったが、ちょっと面白そうなのでとりあえず話にのってみることにした。
「はいはい、わかったよ、それで? 花鈴は俺に何をさせたいんだ?」
「なんか余裕そうでムカツクんだけど」
「いやぁ、そんなことないですよぉー」
「ちっ……いいわ、じゃあ先生、今からわたしの目の前でオナニーしてみなさいよ」
「はぁ?」
「先生の気持ち悪いオナニー姿をカメラで撮ってあげるっつってんの、ほら、早くしてみなさいよ」
どうやら花鈴は俺が情けなくブヒブヒ言いながらシコる姿を撮影して笑い者にしたいらしい。やれやれ、どうして女子のイジメってこう発想が陰湿なんだろうね。
まあいっか、その気になれば力づくでスマホを取り上げればいいだけだし。そのあとシコたまお仕置きしてやるわ。
俺は素直に従うふりをしていズボンを下ろすと、パンツも脱いで性器を露出させた。
「うわっ……なにそれ、ブラブラしてる……きっしょ……」
花鈴は汚物を見るかのように表情を歪めながらも、しかし視線は股間にぶらさがるチンポに釘付けである。
「ほっ、ほら、早くオナニーしないさいよ、知ってるんだから、勃起するともっと大っきくなるんでしょ」
どうやらそういった知識だけはあるようだ。このマセガキめ。
「いやぁ、いきなり勃起しろって言われてもねぇ」
「はぁ? ロリコンのくせに生意気言うじゃないわよ! 変態はパンツの匂い嗅いだら勃起するんでしょ!」
「確かにパンツは好きだけど、やっぱこういうのは雰囲気が大事っていうのかなぁ、花鈴みたいな子供にはわかんないだろうなぁ」
「はぁぁ!? だったらどうすれば勃起するのよ!」
「花鈴のパンツ見せてよ」
「はぁ!? なんでわたしがあんたにパンツ見せなきゃいけないのよ! マジきもいんだけど!」
「俺にオナニーさせたいんだろ? だったらさぁ、ちょっとは協力してもらわないとねぇ。つーかなに?パンツ見られる程度で恥ずかしがっちゃうの? もしかしてビビッてんのかなぁぁぁ??」
「はぁあああ!!?? いっ、いいわよっ、パンツぐらい見せてやるわよ」
煽り耐性なさすぎて草なんだが! この子、もしかしなくてもアホだろ。
そして花鈴は羞恥に顔を赤くしながら、俺の目の前でスカートをめくり上げた。
スカートの下から現れた少女の股間を隠すソレは、さっき俺がクンクンしていたパンツと色違いの水色の縞パンだった。
