頭の中が茹で上がったように熱くなり、シーズまともな思考力を失いながら、ただひたすら快楽を求めてアルテラの口にペニスを抽送した。
「んぶっ、じゅぶっ、おっ……んぶっ! れろっ、じゅぽっ、じゅぶっ、んんっ!」
「おぉっ、ぐぅっ……もっと舌を絡めてくれ……そうっ、そこっ……! 気持ち良いよアルテラ!」
言われた通りに肉棒をしゃぶるアルテラの舌によって、シーズが快感に酔いしれていると、彼女の頭を押さえている手に獣耳が触れた。
初めて触れた獣人の耳は血の流れを感じさせる温もりを帯びており、指で押すとフニャリと形を変えた。滑らかな毛並みは触り心地がよく、シーズはまるで従順な飼い犬にでもするように、アルテラの頭をよしよしと撫でる。
「じゅるっ、じゅぽっ……んんっ……りょうひゅひゃま……みみっ……らめれふっ…んんっ!」
耳は性感帯なのか、アルテラが悶えるように身をじよるが、シーズは構わず肉棒をアルテラの口に押し込む。
「ほらっ、ちゃんとしゃぶるんだ」
「はっ、はひぃ……んむっ、んぶっ、じゅぼっ! じゅっじゅぷっ、レロッ、りゅチュッ!」
「ああ……もうイキそうだ、アルテラ、また口の中に出すよ……」
「んむっ、はひぃ、らひへふだはい……じゅぷっ、りょうひゅひゃまぁ……ちゅぷっ」
押し寄せてくる絶頂の波に合わせて、アルテラのフェラチオも激しさ増す。
「んっ! じゅっぼっ! じゅっぶっ! じゅぶぶっ! ジュボッジュボッ! ジュルルッ!!」
肉棒を喉の奥まで咥えこみ、激しく吸引するフェラチオに、尿道の奥から精液がこみ上げてくる。
「ぐうぅっ! いくっ、いくぞっ、飲んでくれっ! アルテラ!!」
どびゅっ! びゅるっ! どくっ! どくっ! びゅるっ!
「んんんんっ!! んぐっ! んっ、んんぅっ……んぐっ、ごくっ……」
二回目とは思えない大量の性液が喉へと流れ込むのを、アルテラは言われたとおりゴクリゴクリと飲み込んでいく。
自分の放った精がアルテラの喉からお腹の中へと流れいく。彼女の体の中を犯していく。
シーズはたまらない興奮を覚えながら、絶頂の余韻に浸った。
射精したことで頭が冷静になっていくと、また罪悪感が胸をチクリと刺してきたが、それすら構わないと思わせてしまうほどの快楽に、シーズはアルテラの虜となっていた。
それからアルテラは、脱力してベッドに横たわるシーズの肉棒にこびりついていた精液も綺麗に舐め取り丁寧に拭いた。
こうした細かな気遣いもシーズに好印象を与える。
「アルテラ、キミもこっちにおいでよ」
「ふふっ、かしこまりました」
ベッドの上でチョイチョイと手招きをすると、アルテラは楚々とした動作で寄り添うように、シーズの隣に横たわると、まだ若いとはいえ男らしい厚みのある胸板にしなだれかかる。
今まで女性と体の関係をもったことはなく、もちろん娼婦を買った経験もないシーズだったが、こうして女性と同じベッドで横になっていると、なんだか妙に気が大きくなり、一皮剥けた気分になった。
それにしても、アルテラの色気に触発されたとはいえ、自分にあんな乱暴な一面があったことはショックだった。
「アルテラ、体は平気かい? さっきはその、調子に乗ってしまって……すまない……」
柔らかな彼女の身体を抱き寄せながら、申し訳なさそうに謝るシーズに、アルテラは返事のかわりに口づけをした。
先ほどのような、ねっとりしたキスではなく、穏やかな優しいキスだった。
「んっ……ちゅっ……ふっ、んっ……ちゅっ」
アルテラの甘い香りと肌の温もりを感じながら、すでにシーズは彼女に愛おしさのような情を感じていた。
(俺は自分で思ってた以上に単純な男だったんだなぁ……)
そんなことをボンヤリ考えていると、アルテラは吸っていた口を離し、それからシーズの瞳を覗き込むように見つめた。
「領主様……私をこの屋敷の使用人として、住み込みで働かせていただけないでしょうか」
「きみを、うちのメイドに?」
「はい……高いお給金は望みません。ただ娘と一緒に安心して暮らせれば満足ですので……」
ふむと、シーズは思案する。
たしかに、屋敷の中ならば、獣人である彼女たちも安全だろうし、下手に町で暮らしてもらうよりも、彼女たちが目の届く所に居てくれたほうがシーズとしても安心できる。
屋敷で雇えば領主が身元を保証することにもなるのだから、住民たちも獣人の母娘を受け入れやすくなるかもしれない。
シーズはアルテラの提案は悪くないと思った。
「それに……」
アルテラはそう呟きながら、猫のように頭をすり寄せてくる。
「そうすれば私も、領主様にもっとご奉仕して差し上げられますわ」
「それは……こっ、これより、もっと?」
「えぇ、そうですわ。領主様は、もぉっと気持ちのいいこと……したくありませんか?」
(それはつまり、セックス……だよな?)
そうなのである。シーズは一皮剥けた気がしていたけれど、実際には彼女の膣内は未経験の童貞坊や。これじゃあ半分しか剥けていないようなものだ。
(したい……アルテラと、セックスしたい……!)
若き領主様はチョロかった。
シーズが正義感のある真面目な青年だということは間違いない。しかし若者のリビドーは時としてそれを簡単に凌駕してしまうのだ。
アルテラの甘い囁きがシーズの期待を膨らませる。
どんな男も虜にしてしまいそうな笑みを浮かべながら、彼女はシーズの胸元に手を当て、悪戯っぽく指の先をくりくりと動かす。
シーズはまた下腹部が熱くなってしまいそうになり、誤魔化すように咳払いをした。
「確かに、使用人をもう一人雇えばマーサの負担も減るだろうしな。わかった。明日、彼女に話してみよう」
真面目な顔をして答えるが、頭の中ではすでにアルテラとのセックスを思い浮かべていた。
「まあっ、ありがとうございます領主様!」
アルテラは嬉しそうにシーズの首に抱きついた。
シーズも彼女を抱きしめながら、後ろに回した手で、アルテラの艶やかな長髪を指で梳く。
その際に、彼女の頭に生えている狼のように立派な銀色の毛に覆われた獣耳が手に触れた。
情事の最中はそれどころではなかったが、温かくて柔らかい毛並みは、彼女の豊満な胸とはまた違う意味で、ずっと触っていたくなる心地よさだった。
「あんっ……」
アルテラが身悶えすると、連動するように獣耳もぴくんと動いた。
「すまない。嫌だったか?」
「いいえ……領主様にでしたら、どこを触られても嫌なことなんてありませんわ……」
アルテラは魅惑的な微笑みと甘い言葉で、男が喜ぶツボを的確に突いてくる。
女性経験の乏しいシーズはそれで簡単にのぼせ上がってしまった。
ドキドキと胸が高鳴っている状態で、彼女のプルンとした唇を目の前にしては、我慢しろというほうが無理である。
辛抱たまらず、シーズはまたアルテラにキスをした。
「んっ……ちゅっ」
アルテラはそれを拒むことなく受け入れ、彼の唇を吸いながら優しく舐める。
それからシーズが満足するまで、二人はベッドの上で互いの口を吸い合いながら過ごした。