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【22話】領主様と宿屋の看板娘【エロラノベ】

【ファンタジー・エロ小説】田舎領主様と獣人の母娘 田舎領主様と獣人の母娘

ゼルトリアへの帰路の途中、日も落ちて暗くなってきた頃に、シーズを乗せて走る馬車は小さな町へと到着した。

前回もこの町に立ち寄った際に泊まった宿を訪ねたが、あいにくと満室になっていたので、仕方なく他を当たることにしたシーズは、町外れに一軒の古びた宿を見つけた。

泊まれさえずれば多少古くとも構わない。シーズは古びた木の扉を開いて中に入った。

一階は食堂を兼ねているようで、カウンターの奥で仕込みをしていた寸胴のような体型をした女将が来客に気づいて顔を上げる。

「今夜の宿を借りたいんだが、部屋は空いてるかい?」

今のシーズはパーティー用に着ていた窮屈な礼服ではなく、普段から着慣れている動きやすい軽装に着替えていたため、ぱっと見では貴族には見えない。

女将は値踏みするように無遠慮な視線をシーズに向けてから、愛想なく先払いの宿代を告げてくる。

「ああ、それと腹が減ってるんだ、食事も頼むよ」

「食事代は別だよ」

女将の顔は「この若造、金はちゃんと持ってるのかい?」と疑わしげなものだったが、シーズが気前よく貨幣を渡すや、でっぷりとした分厚い唇を歪ませ、接客用の媚びた笑みを顔面に貼り付けた。

「おやまあ! すぐにお料理を用意いたしますので、少々おまちくださいな。クレア! お客様をテーブルにご案内しな!」

「はぁいっ!」

女将が声を張り上げると、厨房の奥からまだ年若い娘がパタパタと小走りに姿を現した。

使い古されたエプロンと頭には三角巾を身につけ、長い金髪をゆったりとしたお下げで一纏めにしている。素朴な雰囲気の少女だった。

「いらっしゃいませ。お兄さん、こちらのお席へどうぞ」

派手さはないが明るく親しみやすい笑みを浮かべながら、クレアと呼ばれた少女はシーズを席に案内すると、一旦戻ってからすぐに葡萄酒を持ってきてくれた。

場末の宿だからきっと安酒だろうと思いながら、シーズはカップに注がれた葡萄酒を一口飲むと、意外そうな顔をした。

そんなシーズにクレアはこっそりと耳打ちする。

「お母さんがね、お兄さんには上物のお酒を出せって」

どうやら女将はシーズから金の匂いを嗅ぎつけたらしい。客商売をしているだけあって、そいういう嗅覚は備わっているようだ。

「お母さん……? きみ、あの女将の娘なのか?」

それより驚いたのが、この素直そうな少女が、あの女将の娘だったことだ。

美人というよりも、可愛いという言葉が似合う少女は、とてもあの女将と血が繋がっているとは思えない愛らしい顔立ちをしている。

「ええそうよ。どうしたの?」

「君があんまりにも可愛いせいで驚いたんだ」

「やだっ、お兄さん私を口説いてるの?」

クレアはハニカミながらシーズの肩に軽く触れてから「ごゆっくり」と言って厨房へ戻っていった。

それからしばらくして運ばれてきた料理を食べていると、食堂には他の客もまばらに増えて、次第に食器のぶつかる音や酔っ払った男たちの喧騒に包まれていった。

場末の宿だが常連客もしっかり居るようで、まだまだ夜はこれからといった様子だ。

ひとしきり食事を終えたシーズのテーブルにクレアがやってくる。

「料理には満足してもらえた?」

「ああ、腹一杯だよ」

あまり期待していなかった宿の料理だが、食べてみるとなかなかに美味であり、出された食事は残さず綺麗に平らげた。

「よかった。お酒はまだ飲むかしら?」

細々とした気配りができ、明るい笑みを絶やさないクレアは、この宿屋の看板娘として好かれているようで、二人が話をしている間にも他の席からクレアを呼ぶ声が聞こえてくる。

「はぁいっ、すぐいきますから!」

「それじゃ、俺はそろそろ部屋に行くよ」

忙しそうな彼女の邪魔をするのも悪いので、シーズは早々に席を立つと、クレアに僅かばかりの貨幣を手渡す。

「こんなに貰っていいの?」

手の中にある貨幣を見て、少し驚いた顔をするクレア。

田舎領主とはいえシーズも一応は貴族である。やはり平民とは金銭感覚が少しズレていた。

場末の宿屋でそこまで気前よくチップを渡す客はいないのだろう。そもそも、貴族がこんな安宿に泊まっていること自体がおかしいのだ。

「ああ、それはほら、君があんまりにも可愛いもんだから」

「もうっ……お兄さんたら、おかしな人」

まんざらでもないといった様子で笑うクレアに軽く手を振って、シーズは二階に取った部屋へ向かった。

ランプの明かりに照らされた薄暗い室内。踏むと軽く軋む床。小さな机と椅子。隅には硬そうなベッドがあるだけの至ってシンプルな作りをした部屋だった。

それでも窮屈な馬車に座り続けるよりも断然快適だ。酒が入って適度に酔いが回ってきたシーズは、さっさと服を脱ぐとベッドに潜り込んだ。

下階から響いてくる喧騒を聞きながら、眠気に身を委ねていると、すぐに意識は微睡みへと沈んでいった。

どれほど眠っていたのか、次にシーズが目を開いたとき、宿の中は静寂に包まれていた。おそらく深夜を回って食堂に居た客も解散したのだろう。

なぜそんな時間に目が覚めたかといえば、ドアから聞こえて来る遠慮がちなノック音のせいだった。

「誰だ?」

シーズがドアに向かって声を掛けると、ゆっくりとドアが開く音がした。隙間から人影が見えるのだが、暗くて人相が判別できずにいると、「お兄さん」と呼ぶ声が聞こえた。

「クレアか?」

「うん……入っていい?」

「ああ、別に構わないが……」

明かりのない部屋は窓からの月明かりだけが頼りだったが、幸いに今夜も月がよく見えていたので、近づいてくるクレアの姿も次第にはっきりと見えてきたのだが――。

その姿は食堂で見た快活な宿屋の看板娘ではなかった。

三角巾を脱いだ頭はおさげの解かれた長い金髪が揺らめいており、薄い肌着だけを身につけている身体からは肩や脚が露出している。

そんな彼女はソロリソロリと暗い部屋の中を歩み寄り、辿り着いたベッドをよじ登ると、ついにシーズの目の前までやってきた。

「えへっ……きちゃった」

少し悪戯っぽく微笑むクレアに、流石のシーズもこれがどういうことか察した。

【23話】田舎領主様と少女と行きずりの関係【エロ小説】
眠っていたシーズを訪ねてきた宿屋の娘クレアは、娼婦のように体を売ろうとしてくる。屋敷を離れ性欲が溜まっていたスケベ領主様は、可愛い少女のお願いに二つ返事で手を伸ばすのだが……
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