その日もなんてことのない朝から始まった。
最近屋敷の中で過ごしてばかりだったシーズは、窓の外から差し込む陽気に誘われて、アルテラとミリアを伴い町近くの森へと出向いていた。
もちろんマリーレイアにも声は掛けたが、今日は書庫に篭って書物漁り精を出すそうなので、三人だけで出かけることとなった。
穏やかな鳥のさえずりが聞こえる森の中、シーズの案内で木々の合間を抜けながら、しばし進んでいく。
「ほら、そこが目的地だよ」
アルテラたちには森の風景はどこも同じように見えるのだが、シーズの後について茂みの奥へと入っていくと、そこには湧き出る地下水によって、まるで宝石のように青く澄んだ泉を中心に大きく開けた空間が広がっていた。
近隣の住民にも知られていない、シーズが密かに見つけたお気に入りの場所である。
「わぁっ、きれいだねぇ、お母さん」
「ええ、ほんとに、とても素敵な場所ですね、旦那様」
二人とも気に入ってくれたようで、ミリアは母親の手を握りながら泉に近づくと、太陽の光を浴びてを輝く粒をきらきらと反射させる水面を覗き込んでいる。
ミリアは水面を手でパチャパチャと叩きながら「入ってもへーき?」と母親に尋ねる。
「旦那様、この泉は深いのですか?」
「いや、そんなに深くないから水浴びをしても平気だよ、他に人が来ることもないだろうし、二人で入るといい。俺はここで少し休んでるからさ」
シーズは荷物を置いて木陰に腰を下ろしながら、二人にも好きなように過ごしてもらうことにした。
主人の許可も得られて、ミリアはねだるように母親の手を引っ張る。
「だんな様が入ってもいいって」
「お母さんも一緒に入るから、あまり離れてはだめよ?」
「はぁい!」
アルテラは水浴びさせるために手早くミリアの服と下着を脱がせると、自分の衣服もするすると脱いでゆく。
全裸になった母娘のお尻には、お揃いのフサフサとした尻尾がゆるやかに揺れており、見慣れたとはいえ、人族にはない特徴的な獣の部位をついつい目で追ってしまう。
アルテラは、娘の手を引きながら、ゆっくりと縁から水の中へと足を踏み入れた。
泉の水は、陽気に照らされた肌には心地よく、静かな水面をチャプチャプかきわけながら、二人は少し先まで進んでゆく。
泉の深さはミリアの腹が浸かるぐらいで、これぐらいなら大丈夫だろうと、アルテラが掴んでいた手を離すと、ミリアは嬉しそうに両手で水をすくい上げながら、きゃっきゃと遊び始めた。
アルテラも娘に水をかけられながら、楽しそうに微笑んでいる。
(こういうのも良いものだな)
獣耳と尻尾を揺らしながら、美しい泉で戯れる母娘の姿はどこか幻想的であり、もしもこの場に画家いたのなら、きっと絵画のモデルにしたことだろう。
シーズはそんな美しい光景をぼんやりと眺めながらこう思った。
(うーん、ムラムラしてきたぞ)
いくら芸術的であろうと、エロスであることに違いはないのだ。
そして彼は男なのだ、オスなのだ。
全裸のアルテラが動くたびに、大きな乳房がたっぷたっぷと揺れてしまえば視線は無意識に吸い寄せられてしまう。
白くムッチリとしたメス尻が突き出されていれば、なんて美味しそうなんだと、思わず唾を飲み込んでしまう。
ズボンの中ではさっきから息子が元気に膨らみっぱなしである。
もしもこの場に居るのがシーズとアルテラだけだったのなら、彼はいますぐ全裸になって水と戯れるアルテラに襲いかかり、開放的な気分を味わないながらアルテラとの青姦に興じたことだろう。
しかし、さすがに幼女の前でそんなことはできない。
それぐらいの節操は、まだシーズに残っていた。
(それに、いまのアルテラはお母さんしてるしなぁ)
いつも二人きりになると淫猥な色香でシーズを惑わすアルテラだが、ミリアといるときはそんな雰囲気は微塵も感じさせない。
今も優しく娘を見守る母親の顔をしている。そこに水を差すのも野暮というものだ。
シーズは邪念を払うように大きく深呼吸すると、木陰に横たわりながら、アルテラの美しい銀髪が風になびいてキラキラと輝く様子をぼんやりと眺めた。
(綺麗だなぁ……なんであんな美女がうちでメイドをやってるんだろうか……)
この国で獣人の母娘が暮らしていくのは誰かの庇護がないと難しいのだろうが、それにしても、彼女はどうしてここまで自分に尽くしてくれるのだろうかと、たまに疑問に思ってしまう。
メイドとして、よく仕えてくれているのだが、彼女の過剰ともいえる淫らな奉仕からは、どこか余裕のなさを感じてしまうことがある。
(屋敷を追い出されたら困るからだろうか……そんなことしないのに。不安なのか、それとも俺がまだ信用されてないだけなのだろうか……)
きっと、これは彼女の過去にも関係することなのだろう。
最初にアルテラの口から語られた過去の経緯、しかし、それが全てではなく、彼女がナニかを隠していることは、シーズもうすうす感づいていた。
とはいえ、無理に詮索するような真似はしたくないし、彼女が自分に害するような事を考えているとは思いたくない。
彼女を信じているといえば聞こえはいいが、深く追求して今の関係が崩れてしまうのを避けているだけなのかもしれない。
(いつか、聞かせてくれるかな……)
そのとき果たして、自分は彼女の全てを受け入れられるのだろうかと、少し考えてしまったシーズだが、娘の相手をしながらも、ときおりシーズに微笑みかけるアルテラに、そんな不安はどこかに消えてしまった。
それからしばらくしてミリアが遊び疲れて泉から出てくると、三人でバスケットに詰められたサンドイッチを美味しく食べた後、木陰でゆったりとした時間を過ごしていた。
「ミリアは寝ちゃったか?」
「はい、すごくはしゃいでいましたから」
いつの間にか眠ってしまったミリアは、母親の隣に横たわりながら、気持ちよさそうに寝息を立てていた。
アルテラは横に座りながら、愛おしそうにミリアのふわふわした髪の毛を撫で付けている。
(今なら、ちょっとぐらいイチャついても平気だよな?)
シーズはアルテラの背中に手をまわすと、細っそりとした肩をそっと抱き寄せた。
それに対してアルテラは、なにも言わずにシーズの肩に頭を乗せる。
いい雰囲気に欲がでたシーズは、おもむろに顔を寄せるとアルテラの唇をついばんだ。
「んっ……ちゅっ……」
アルテラもそれに応じるように、唇を触れ合わせる。
本当はこれぐらいで止めておくつもりだったのだが、アルテラの柔らかな唇の感触に興奮してしまい、彼女の口に舌を滑り込ませると、ねっとりとディープキスをし始める。
「んふっ、んっ……ちゅぷっ、レロッ……らんなひゃまぁ……んんっ」
激しくなる接吻に、アルテラは困ったように一度口を離すと、小声で囁く。
「あのっ、ここにはミリアがおりますし、続きは屋敷に戻られてからでも……」
「すまんアルテラ、我慢できない」
シーズは物音を立てないように、ゆっくりとアルテラを押し倒すと、スカートの中を弄った。
「あんっ、いけません……娘が起きてしまいますわ……」
「ぐっすり眠ってるし、音を立てなければ大丈夫さ、ほら」
もしもミリアが起きてしまったことを考えて、アルテラの服は脱がさず、スカートを捲って股間を隠すショーツの止め紐を解き、するりと抜き取る。
薄布が剥ぎ取られ、アルテラの卑猥な下の口が露わになると、口を押し付けて秘裂の奥を舌でほじくるよう舐める。
「ぁぁっ……ぅんっ……」
思わず声が出てしまいそうになるのを必死に押さえ込みながら、アルテラは膣口を愛撫されピクンッピクンッと体を震わせる。
こうなると身体は正直なもので、ダメと言いながらも意思とは裏腹に、膣からはトロリとした蜜液が湧き出してくる。
ピンク色の肉唇が愛液に濡れてヒクヒクと反応している様子を見て、シーズもズボンを半分ずり下ろすと、勃起したペニスを取り出した。
「挿れるよ、アルテラ」
「ああっ、本当にいけません、こんな、娘が眠っている隣でなんて……んぅっ、あぁっ……!」
弱々しく抵抗するアルテラを抱き押さえながら、シーズはアルテラの濡れた雌穴にズプリと肉棒を埋没させた。