陵辱の果てに、スフィアナは大量に膣内射精された精液を股間から垂れ零す無残な姿で床に倒れ伏していた。
溜め込んだ精液を少女の膣に出し尽くした神父は、汗だらけの顔で満足げに言う。
「いいかいスフィアナ、このことは誰にも話すんじゃないぞ、もしも他言すればお前と父親の秘密をバラすからな」
こうして脅しておけば、これからも好きなだけスフィアナの幼い体を堪能できるのだと想像し、神父は心の中でほくそ笑む。
このとき、媚薬の効き目が薄れてきたおかげで、ようやくまともな思考力が戻ってきたスフィアナは、神父の言葉を聞きながら胸の中に憎しみが広がっていくのを感じた。
少女は初めて人を憎んだ。
娘を犯す父親に失望こそすれ憎むことはなかったが、司祭の立場を利用し人の道を踏み外したこの男が許せなかった。
人を憎むことは信仰に反することだったが、御前で陵辱される自分に救いの手を差し伸べない神への信仰心など、ついさっき消え失せた。
「おい、聞こえているのか?」
一向に反応がなく、よもや死んだのではないだろうなと神父が近づいたところで、スフィアナはのろりと体を起こした。
そして暗紫色に光る妖しい瞳で神父を見据えながら、胸の内からわきだす憎しみを言葉にした。
神父はそれを黙って聞いてから、何も言わずに少女が教会から出ていくのを見届けたのだった。
*
スフィアナはひとり、薄暗くなった空の下、帰り道をとぼとぼと歩いていた。
頭の中には不安ばかりがよぎる。
これから自分は父親に加えて、神父にまで体を差し出さなければならないのだ、と。
しかし、それは杞憂に終わった。
翌日、神父が街から姿を消したのだ。
もぬけの殻となった教会の噂はすぐにもスフィアナの耳にも届いた。
それから数ヶ月後、街近くの森にある沼から神父の遺体が引き上げられ、遺体の状態や現場状況から、神父は自殺だと推測されたのだが、それをスフィアナが知ることはなかった。
なぜなら彼女もまた、神父が失踪してからすぐ、街から姿を消すことになるのだから。
*
神父が失踪してからも、父と娘の情事は続いていた。
ベッドの上で父親とまぐわう少女は父親のペニスで犯されながら甘い喘ぎ声をあげていた。
「どうしたんだいスフィアナ、今日はやけに感じているじゃないか」
「あんっ……ぁっ、そんなことないわ……」
「おまえのオマンコがお父さんの肉棒をギュウギュウと締め付けてくるぞ」
「んぅっ……! だめぇ……お父さん……そんなに奥を突かないでぇ……」
「なんていやらしい声を出すんだ」
「ちがうのぉ……こんな……あぁ……ッ!」
媚薬によって激しい絶頂を体験してからというもの、スフィアナの体は感度が増し、彼女の意思に反して、父親とのセックスに快感を覚えるようになっていた。
「スフィアナ、そろそろ出すぞ! お前の膣内に射精するからな!」
「あぁっ! だめぇっ、いま中に出されたら、私っ……おかしくなっちゃうわ……ァァッ!」
「うぅっ……出すぞ、お父さんの精子を受け止めるんだ! ぐううぅっ!!」
父親が呻くと同時に、お腹の中に迸る熱い精液によって子宮が疼き全身に甘い痺れが広がる。
「んああアァッ!!」
スフィアナもまた、抑えきれない快楽にのみ込まれ絶頂を迎えた。
(あぁ……イッちゃった……お父さんの精液を子宮に注がれながら……わたし、イっちゃった……)
スフィアナは絶頂の余韻に浸りながら、自分がどんどん変わっていくのを感じていた。
けれど、変わっていくのを拒めないのはスフィアナだけではなく、彼女を取り巻く状況も刻々と変わってゆき、これが父親との最後の情事であった。
母親に隠れての近親相姦など、いつまでも隠し通せるわけがなかったのだ。
出かけたはずの母親が忘れ物をして家に引き返し、二階から聞こえてくる物音に気づいて娘の部屋を開けてしまうことなど、いつ起こってもおかしくなかった。
そして今、開かれた扉の前では、絶頂を迎え重なり合っている父と娘の現場を、顔面蒼白となった母親が見つめていた。
声も出せず目を見開いて震える母親の姿に気づいたスフィアナは父を押し除けて弁明する。
「ちがう、ちがうのよお母さん! これはちがうの!」
必死に言い訳をする娘に対して、母親がとった行動は悲鳴を上げるでもなく、父親を罵倒するでもなかった。
母親はまっすぐスフィアナに近づいてくると、両手で娘の首を締め上げたのだ。
細い腕からは想像できない程の力でギリギリと首を絞められたスフィアナは、呼吸ができない苦しみに呻く。
「ぅぁっ……っ、ぉかぁ……さん……やめっ……ぁっ、ぐッ……!」
「おかしいと思ったのよ! お父さんが変になったのはアンタのせいだったのね!? 血の繋がった父親とこんな! なんておぞましい子なの!?」
男を寝取られた憎しみに顔を歪め、唾を飛ばしながら口汚く罵る、それはもうスフィアナの知る母親ではなく、嫉妬に狂った女の姿だった。
(どうして……わたしは……お母さんのために、お父さんに犯されて……なのに、なんで……)
両親の仲を守るために身を犠牲にたというのに、結局最後はこうなってしまった。
スフィアナは苦しみに喘ぎながら涙を流した。
もういやだ。早くこの苦しみから解放されたい。
彼女がそう願ったとき、ふいに首を締め付けていた力が緩んだ。
いったい何が起こったのだろう。蒸せ返りながら咳をするスフィアナが目にしたのは、頭から血を流し床に倒れている母親の姿だった。
「おかあ、さん……?」
スフィアナが呼びかけても母親は反応しない。
倒れた母親の傍には、部屋に置かれていた花瓶を手に持った父親が立ち尽くしていた。
花瓶の底には赤い血がべったりと付着していた。
打ち所が悪かったのだろう、もはや母親は物言わぬ人形と化していた。
(わたしは……いったい)
視界がグニャリと歪む。
(なんのために、いったい、なんのために……)
少女が守りたかったものはあっけなく、最悪な形で壊れてしまった。
残ったのは純潔を失い薄汚れた体だけだった。
スフィアナは耐え切れなくなり、ろくに服も着ないまま逃げ出すように家を飛び出した。
もうウンザリだった。このどうしようもない現実から逃げ出したかった。
軒先の掃除をしていた隣家のおばさんが、家から飛び出してきたスフィアナの姿に仰天して駆け寄ってくる。
泣きじゃくる少女の言葉は要領をえなかったが、その格好から異常な事態であることは一目瞭然だ。
そして、保護されたスフィアナが精神不安定の状態から回復したとき、父親はすでに牢屋の中だった。
父親が妻を殺したことは街じゅうに知れ渡っており、娘に性的な暴行があったことも密やかに噂されていた。
街じゅうの人々から愛されていたはずのスフィアナは今や腫れ物扱いで、誰も彼女に温もりを与えてはくれなかった。
もはやそこに彼女の居場所はなく、スフィアナは遠い街に住む叔父夫婦に引き取られることとなった。
*