「んっ……うぅん……みずぅ……」
喉の渇きで目を覚ましたフォーリは、むくりと体を起こすと、自分が部屋のベッドで眠っていたことに気づいた。
(あら……どうしてわたし、部屋で寝てるんでしょうか……? さっきまでアドニスさんたちと飲んでたはずなのに……)
三人で酒場に入ったところまでは覚えているのだが、そこから先がうろ覚えになっていた。なんとか思い出そうとたが、酔いの抜けていない頭がぐわんぐわんと揺れてムリだった。
(はぁ……これは、やらかしちゃいましたか……)
自分の酒癖が悪いことは自覚しているので、普段はあまり深酒はしないよう気を付けているのだが、ムシャクシャしていたこともあり、つい飲みすぎてしまった。
日頃から隙を見せずに完璧を演じているフォーリにとって、これはとんだ失態である。きっと、ふたりが泥酔した自分を部屋まで送ってくれたのだろう。妹のミリカはともかく、アドニスにみっともない姿を見られたかと思うと、余計に気分が滅入いった。
「はぁ……」
ため息をついて、フォーリが水を求めてベッドから降りようとしたときだった。
「ンッ……んンッ、 あっ、ぁっ……ぁぁッ」
薄暗い部屋に、くぐもった女の喘ぎ声が流れてきた。
驚いて周囲を見回したフォーリが目にしたのは、ベッドのすぐ側の床で、抱き合っている男女の姿だった。
(…………は?)
一瞬、まだ寝ぼけているのかと思ったが。目を凝らすと、それは紛れもなく、アドニスとミリカだった。ふたりとも裸で、ミリカが下に寝そべり、アドニスが覆いかぶさるように上から抱きついている。
もちろん、ただ抱き合っているわけではなく、股ぐらを密着させ互いの生殖器をズップリと結合させていた。
(…………は?)
状況は見た通りだ。しかし、頭がそれを受け入れようとしない。
なぜ意中の男と自分の妹が、自分の部屋で、自分が寝ている横で、セックスしているのだろうか?
あまりの出来事にフリーズしているフォーリをよそに、アドニスが腰ってペニスを膣奥へと突き挿れるたびに、ミリカの淫らな声が部屋に響く。
「んんっ♡ あっ、ぁぁっ♡ このチンポやばすぎ♡ お腹の奥まで届いちゃってる♡ んんぁあっ♡」
「ぐぅっ、膣肉が絡みついて……そんなに締め付けたら、すぐに出ちゃいそうだ」
「あんっ、だめぇ、もっと奥ズボズボしてぇ♡ あっ、あっ、そこっ、子宮の入り口コンコンするのいいっ♡ イイのぉ♡ んひぃィッ♡」
フォーリは妹の淫らな悲鳴に顔を赤くしながら、交わるふたりを憎々しげに睨んだ。
なんて下品なのだろう。生殖本能丸出しで、ただ己の欲求を満たすために快楽を貪る男と女。これじゃあまるで獣ではないか。
(アドニスさんもミリカも、結局はヤりたいだけなんでしょ? 異性と見れば所構わず発情して、ああいやだいやだ。自分はこんな低俗な人間にはなりたくないですね)
なんてことを考えながら、セックスに夢中の二人を見下すフォーリだったが、その視線は二人の結合部に釘付けだった。
ぬかるんだ膣穴をジュポジュポと肉棒が激しく出し入れされ、白く泡だった愛液が溢れ出て、太股を伝って垂れ落ちていく。
(ほんと、汚らわしい……こんな、こんな……)
フォーリはゴクリと息を呑んだ。酒のせいだろうか、交尾の様子を見ているだけで呼吸は荒くなり、体が熱く火照ってくる──。
お察しの通り、フォーリは処女だった。最近はそれにコンプレックスも感じていた。
自分だって恋人が欲しいし、エッチもしてみたい。けれど、それはムーディーな雰囲気の中で甘くうっとりなキラキラ初体験になる予定だ。
間違っても、こんな床の上に寝転がって「このチンポやばすぎ♡」とか言いながら、股を広げてパコパコなんてしないのである。
こんな醜いセックス、断じて認められない。
それだというのに──。
(えっ、うそっ……男の人のモノって、あんなに太いの? それにミリカも……なんでそんな気持ち良さそうに……)
妹の膣穴に杭のような極太のペニスがズボズボ出し入れされる光景を見せつけられ、フォーリは下腹部がキュンと疼くのを感じていた。
パンっパンッと、リズミカルに腰が打ち付けられ、妹がペニスに征服される光景を、顔を赤くして見つめるフォーリの手は、気づかぬうちにスカートの中に潜り込み、パンティの上から秘裂をまさぐっていた。
(んっ……やだっ、なんでわたし……こんなこと……)
妹のセックスを見ながら自慰をするなんて、自尊心が高いフォーリにとっては屈辱でしかないはずなのに、指先で軽く撫でただけで、甘やかな痺れがじわりと広がっていくのを感じて恍惚としてしまう。
「あアッ♡ んっ、んぅぅっ♡ イクッ、イクッ、もうイッちゃう♡」
「俺もッ、もう我慢できない……! このまま、中に出すぞ!」
「出してぇっ♡ オチンポずぼずぼしながら、お腹の奥に精液びゅーびゅーしてぇ♡」
アドニスとミリカが絶頂に向かっていっそう激しく交わるのに合わせて、フォーリの指はクロッチを横にズラして、指先を肉唇の中に潜りこませると、愛液でヌメッた膣穴の入り口を直にまさぐっていた。
(あっ、あぁっ……! だめっ、だめっ、こんな……でもっ、もうっ、いっ、イクッ、イッちゃう……っ!)
もはや理性で抑えることはできず、フォーリは絶頂に向けてグチュグチュと水音を立てながら膣穴をまさぐった。
「あアアアッ♡ いくっ、イッちゃう♡ イクッイクイク♡ いっくぅううゥッ♡♡♡」
「ぐゥゥッ! でっ、出るッ!!」
感極まった悲鳴を上げたミリカが両足でアドニスの腰をがっちりと挟み込むと、膣奥に押しつけられたペニスからザーメンがビュルルッ!と噴出される。
「ぐぅぅうっ!」
「あひぃっ♡ んあっ♡ んおっ♡ おっ♡ おぉぉっ♡♡♡」
アドニスがビクッ、ビクッと体を揺らすたびに、大量の生殖液が吹き出し、ミリカの子宮内に子種を注ぎ込む。子宮に熱い精液が子宮に流れ込んでくるのを感じながらミリカもアクメで体を痙攣させた。
(あっ……あぁっ♡ うそ……わたし、妹がセックスするところみながら……オナニーしてイッちゃった……)
そしてフォーリもまた、体を仰け反らせながら絶頂の波に呑まれたのだった。
*
*
*
(ふぅぅっ……気持ちよかった……)
膣内に白濁液をほとばしらせたアドニスは、大きく息を吐くと、乱れた息遣いで絶頂の余韻に浸っているミリカの顔を見つめた。
つい流れで致してしまったのだが、出すもの出してスッキリすると、そういえば、近くでフォーリが眠っていることを思い出す。
(いかん、こんなところ見られたら搾乳の計画がパーじゃないか。やれやれ、フォーリさんが酔い潰れてくれてて助かったぜ)
などと思いながら、ふと視線を向けた先には、ベッドの上に座って、自分たちをじっと見下ろしているフォーリがいた。
「………………」
アドニスは声も出せず凍りついた。
「ンっ……はぁっ♡ きもちよかったぁ♡ アドニスのチンポエグすぎだし♡ ねぇ、もう一回しよっ♡」
姉が起きていることに気づいていないミリカは、アドニスの首に腕を絡ませて甘えた声を出すが、明後日の方を向いたまま固まっているアドニスを不思議に思って、視線の先を辿ると、眠っていたはずの姉が自分たちをガン見していることに気付いてギョッとする。
ちなみに、ふたりの凹凸はいまだにズッポリハメられたままである。
「…………」
「…………」
「…………」
あまりにも気まずい沈黙。アドニスは言うに及ばす、さしものミリカも、これはやらかしたと顔を引きつらせる。
「あっ、あはハハ、えっと……お姉も一緒にヤる? なんちゃって……」
生真面目なフォーリに、そんな冗談を言うのは逆効果! それじゃあ余計に怒らせてしまうだけだと青ざめるアドニスだったが──。
「────ヤります」
「「マジで?」」
まさかの姉妹丼ボーナスチャンス到来である。