やばい、これは予想外の展開だ。
美津妃さんは俺の味方になってくれるかも、と楽観していたらこのザマである。
ちくしょうっ、彼女の気さくな態度につい気を緩めてしまった。
だって、あんな柔らかおっぱいを押し付けられたら男は誰だって油断するだろ!?
美津妃さんは美しい毛並みの尻尾を優雅に揺らしながら余裕の笑みを浮かべている。
先ほどまでは、おっとりしたお母さんといった雰囲気だったのに、今はまるで捕食者のような怖さを感じる。
「残念だわぁ、雪彦ちゃん、けっこう私の好みだったんだけどぉ……しょうがないわよねぇ?」
いやいや、しょうがあるよ! 勝手に納得しないでくれ!
「俺はどうなるんですかね? この流れでいくと、殺されたりするんですか?」
まともに動くのは口だけという絶望的な状況。今の俺は美津妃さんの気分次第でどうとでもなってしまう。
「安心してぇ、そんな手荒なことをするつもりはないわぁ」
「ほっ……」
命の危険がないことに安堵する。よかった、どうやら血なまぐさい展開は回避できそうだ。
「そうねぇ、とりあえずここ最近の記憶をまるっと消しちゃおうかしらぁ」
いやっ、じゅうぶん手荒いよ!? なにそれ、化け狐ってそんなこともできるの?
ちょっと人に変身できるキツネぐらいに考えていたが、どうやら俺の認識は間違っていたようだ。
やばい、このままだと頭の中をいじられてしまう!?
「やっぱり、美津妃さんもキツ夫とグルだったんですね? 珠代さんを連れ帰るのが目的だったんだ」
「うーん、ちょっと違うわぁ、私は別にあの坊やの味方をするつもりはないんだけどぉ」
キツ夫を坊や扱いする美津妃さんからは、なんというか貫禄のようなものがにじみ出ている。
「だったら、俺と珠代さんが一緒に暮らしても問題ないのでは?」
「それはだめよぉ、だって雪彦ちゃんは私たちの正体を知っちゃったしぃ」
「やっぱり、正体を知られてはいけないルールが狐業界にはあるんですか?」
「う〜ん、ルールっていうかぁ、人間と化け狐が一緒にはいられないでしょぉ?」
確かに、人に化けた獣は正体がばれて破局するというのがお伽話の定番だ。普通はそう考えるのだろう。
「というかぁ、雪彦ちゃんはどうして全然驚かないのぉ? この耳と尻尾が見えないのかしらぁ?」
美津妃さんは頭の狐耳をピコピコと動かしながら、長い尻尾を俺の身体に巻き付け、モフモフした尻尾で首元を撫でてくる。
「どぉぅ?」
どうって……めちゃくちゃ気持ちいいんだけど?
「滑らかな肌ざわりと包まれるようなモフモフ感、美津妃さんのいい匂が合わさって、これは至福と言わざるをえませんね」
「そうじゃないでしょぉ!?」
俺は素直な感想を口にしたつもりだったが、どうやら彼女の求めた反応とは違ったようだ。
「おかしいわぁ、普通、人間はこの姿を見たら怖がるのにぃ」
「だって俺、珠代さんの正体がキツネだって、最初から知ってたんで」
俺の言葉に美津妃さんは、ぽかんとした顔をする。
「うそぉ……だったらどうして、珠代ちゃんをお家に住まわせてるのぉ? 私なんかぁ、むかし正体がバレたせいで鉄砲持った人間たちに追いかけ回されたのよぉ、鬱陶しいからまとめて返り討ちにしたけどぉ、とっても怖かったわぁ」
俺は貴方の方が怖いですよ。
「恥ずかしながら、娘さんに一目惚れをしました」
俺の告白に美津妃さんは思わず破顔してしまう。
「えぇっ、本気ぃ?」
「恥ずかしながらマジです。キツ夫野郎から珠代さんを横取りして夫婦生活を営みたい所存です」
俺の目を見て、それが本気だということが伝わったのだろう、美津妃さんは少し考えるそぶりをしてから一言。
「珠代ちゃんとエッチなことしたいのぉ?」
「とてもしたいですネ!」
即答である。というか、すでに軽くお手つきしているのだが。
「もしかして、雪彦ちゃんは変態さんなのかしらぁ?」
「なぜに!?」
おいおい、俺はHENTAIかもしれないが、変態ではないぜ?
「だってぇ、人に化けていても相手はキツネ、獣なのよぉ? 獣と交尾したがる人間なんて変態だわぁ」
「いや、昨今のオタ文化を嗜む男にとってケモミミはむしろご褒美ですから。確かに俺はガチケモナーではないのでフォックス状態の珠代さんと交尾るのはハードルが高いですけど、人型をキープしているならもう少し獣度を上げても欲情できると思われます!」
「ちょっと何を言ってるかわからないわぁ」
むっ、美津妃さんが若干引いてる! 自分の好きなことに関して饒舌になってしまうのはオタクの悲しいサガなのさ。
「ん゙ん゙っ……失礼、少し熱くなってしまいました」
「ともかく、たとえ化け狐だろうと俺は珠代さんが好きなんです! 娘さんを幸せにしたいんです!」
ドヤッ! これは俺の熱い気持ちが美津妃さんに伝わったんじゃないか!?
「そうねぇ、でもぉ、口では何とだって言えるしぃ」
どうやらまだ彼女から信用されてはいないようだ。
「じゃあどうすれば俺を認めて貰えますか?」
「う〜ん、雪彦ちゃんがちゃんとオスの役目を果たせるって証明してくれないとぉ、私も安心して珠代ちゃんを預けられないわぁ」
「証明?」
「うふふ」
意味深に微笑む美津妃さんが、おもむろに俺の股間を手でさする。
「やっぱりぃ、こういう場合はオスらしさを見せもらうのが一番よねぇ?」
「おぅっふっ!?」
さわさわっと、股間を甘撫でされる快感に思わず声が出てしまう。
「どぉかしらぁ?」
美津妃さんの誘うような流し目で、俺はすぐに彼女の意図を理解した。
それと同時に金縛りが解けて体の自由も戻ると、コキコキと首を動かしながら、俺はおもむろに立ち上がりズボンに手をかける。
「いいでしょう、俺がオスとして役目を果たせることを証明しようじゃありませんか」
そうして、ズボンと一緒にパンツをズバッと脱ぎ捨てるッ!
解放された俺の股間には、全力で勃起した息子が天に向かってそそり立っていた。
「あぁんッ! ガチガチの人間おちんぽぉ、素敵だわぁっ」
うっとりとした瞳で俺のイチモツに熱い視線を送る美津妃さん。
やっぱりだ! 俺は彼女を一目見たときから、なんとなく察していたのだ。
艶やかな姿、匂い立つ女のフェロモン、男の劣情を誘う仕草。
そうっ! 美津妃さんは間違いないく性根が淫乱な女狐だってことをなぁッ!!
先程から目の前でエロいメスの匂いをプンプンさせられていたんだ、こちらもマグナムの発射準備はとっくにできとるんですわ!
こうなってしまえば、ここにいるのは発情したオスとメスでしかないわけで、さあ! レッツ交尾といこうじゃないか!!
一応、言っておくおけど、これは断じて美津妃さんに気移りしたわけじゃないからな?
俺が好きなのは、あくまでも珠代さんだ。
しかし、母親の美津妃さんを納得させられなければ、俺の愛は珠代さんに届かない。
言うなればこれは、珠代さんを俺の女にするための”愛の試練”なのだ!
けっして、熟れた豊満ボディを持て余しているスケベな彼女の母親にチンポをぶち込むみたいな同人的エロシチュに性欲衝動を駆られたわけではない。
珠代さんへの愛故に、俺は野生の摂理にのっとって、彼女の母親にオスのチンコ力を認めさせなければならないのだ!!
よし、理論武装完了。
「うふふっ、私のココもぉ、こんなになっちゃってるわぁ」
待ちきれないといった様子で股を開き、しなやかな指でショーツの上からオマンコを弄る美津妃さん。
蒸れたメスの匂いを漂わせる股間の布地には、ぬっとりとした愛液の染みが広がっていた。
うっひょい! この母狐とんだ好き者だぜッ!
俺はもう我慢できずに彼女の母親に襲いかかった、それはまるでエロ同人誌のごとく!