最近の我が家は暮らしに色々な変化が起こっている。
美津妃さんが一緒に住むようになったことは勿論だが、珠代さんの日常も少しずつ変わっていた。
その要因は、俺が本当は珠代さんたちの正体を知っていたのがバレたってこと。
これによって、珠代さんは俺の前で正体を隠す必要がなくなったのである。(今までも耳と尻尾はご愛嬌だったが)
とはいえ、家事やらなんやらをするため、基本的には今でも人間に化けた状態で生活しているのだが、最近は晴れた日に縁側を覗いてみると、山吹色と黒色をした二匹のモフモフが丸まって日向ぼっこをする微笑ましい光景をちょくちょく見かけるようになった。
やはり狐の姿に戻っているときが一番楽なのだろう。俺も二人の隣に腰掛けつつ、陽光で温められたフカフカの毛皮を撫でたり、ときには頬擦りなんかしてみれば、温もりあふれるモフモフな肌触りによって非常に幸せな気持ちになれる。
人間の姿をした珠代さんはもちろん最高に可愛いけど、狐姿の珠代さんもまた癒し度抜群で非常に良きである。
人間の姿をしているときは妖艶を体現する美津妃さんも、狐に戻っているときはなんとまあ可愛いものだ。黒い毛皮の狐なんて初めて見るけど、まあ美津妃さんだし、普通の狐とはちょっと違うのだろう。
というか、俺が知らないだけで、世の中の狐はみんな化けたりできるものなのだろうか?
ちょっと気になったので二人に尋ねてみると──。
「いえ、全ての狐が化けられるわけではないんです。普通の狐と化け狐は違う種族なので」
と、いうことらしい。
「そうなんだ?」
「人間ふうに言うと家系ねぇ、化け狐の親から生まれた子供には力も受け継がれるし、逆に普通の狐はいくら長生きしたって化けたりできないわぁ」
「余所の土地にも化け狐は居ると聞きますが、この辺りでは私たちの里だけでしょうか」
なるほど、狐の中でも化けられるのは特殊な血を受け継いだ一族だけなのか。
「里の中でも、うちの家系は先祖の血を色濃く受け継いでるのよぉ」
「へぇ、じゃあ珠代さんも実は凄い力を持ってたりするの?」
「いえ、私はまだ化ける以外は大したこともできなくて……でも、お母さんとお祖母様は一族でも特に力が強いんです」
「そうなのよぉ、強い力を持ったメスに子供を産ませて成り上がろうって考えるオスの求愛が多くて大変なのよぉ」
いや、あなたは自分からオスを捕食するタイプの女性ですよね? とは、怖いから言えない。
「……なので、この辺りに棲む化け狐たちは里の長である祖母様が束ねているんです」
「つまり珠代さんは箱入りのお嬢様ってわけか」
「いえ、私はそんな……」
恥ずかしそうにはにかむ珠代さんの隣で、美津妃さんがドヤ顔をきめている。
「そうよぉ、”私たち”は良家のお嬢様なのよぉ、そんなメス二匹を一人で囲ってるんだもの、雪彦ちゃんは贅沢よねぇ」
「────そうですネ」
いや、あなたは箱をブチ破って飛び出す、じゃじゃ馬ならぬ、じゃじゃ狐ですよね? とは、怖いから言わないけれども、隣で珠代さんが乾いた笑みを浮かべている。まったく困ったお母さんだ。
しかし、こうして珠代さんたちのことを知ることができるのは嬉しい限りだ。正体を知らないフリをしていたときよりも珠代さんとの距離が縮まった気がする。
もちろん、心の距離が縮まれば、自然と体の距離も縮まるわけで。俺と珠代さんの日常もよりエロく変化をしているのだ。
*
その日も俺はポカポカと陽光の降り注ぐ縁側に座りながら、膝の上で丸くなっている珠代さんを優しく撫でていた。もはや習慣である。
しかし、もふもふに癒されるのも良いけれど、やはり男はそれだけじゃあ満足できなくなるわけで……お恥ずかしながら股間がムラッと来たのです。
嗚呼、ヤりたい……ッ!
以前の珠代さんであれば交尾まではさせてくれなかったけれど、もう俺たちの間には互いの想いを遮る障害はないのだ。性欲を我慢しすぎるのは良くないと言うし。
ヤりたいときは即交尾! 愛と本能に従って生きろッ!
これが現在の我が家の標語である。
従って、俺は珠代さんの背中を撫でていた手をお尻に移動させ、するりと尻尾を撫でつける。すると、穏やかに目を閉じていた珠代さんが、耳をピクリと動かしてコチラに振り向いた。
最近は尻尾を撫でるのが「交尾しませんか?」の合図なのだ。
どうですか珠代さん! YESですか!? NOですか!?
すると、瞬く間に人の姿に変わった珠代さんが、俺の膝に跨がりながら向き合う格好で、恥ずかしそうにこちらを見つめ、チュッと唇にキスをした。
YES! YES! YES! これは完全にYES!
もうね、目と目で通じ合えちゃってるわけよ。
俺は応えるように唇を重ねて彼女の甘い口を吸う。
ピチャピチャと舌と唾液が絡まるエッチな音をたてながら、服の上から柔らかいおっぱいを揉みしだく。
「ぁっ、んぅっ……ふぁっ」
心地よい快感に甘い吐息を漏らす珠代さん。俺は手をスカートに手を忍び込ませ股間に指を伸ばす。
「ぁっ……ひぅッ」
珠代さんの可愛い喘ぎ声と共に指先にヌルリとした感触が絡みつく。
彼女の体をその場に横たわらせ、スカートをめくり上げて柔らかな太股を開くと、陰部を隠すショーツにはじっとりと濡れた染みが広がっていた。
彼女の準備もできていることを確認して、俺は指でショーツのクロッチを横にずらすと、とろりと濡れたワレメに勃起したチンコを当てがい、肉唇に亀頭を埋没させ、そのまま奥に向かってズブリと挿入した。
「あぁッ……! んっ、ぅっ……!」
充分に濡れた珠代さんの膣はチンコをキツく締め付けながらも、一番奥まですんなりと受けれいれてくれた。初めてのセックスから、もう何度もまぐわっているので、珠代さんの膣内は俺のチンコの形を覚えているのだ。
子宮口まで到達した勃起チンコが熱くうねる膣肉にしごかれるのを感じながら、俺は腰を打ち付ける。
ジュポジュポと卑猥な音を出しながら、俺たちは体を抱きしめ合って互いの熱を感じながら交尾した。
家の周辺は塀で囲われているから、よじ登って覗かれない限り外から見られることはないけれど、そのときの俺は誰かに見られることなど気にせず、珠代さんの膣内で気持ちよくなるために、ひたらすら腰を振っていた。
肉棒で膣肉を掻き分け、亀頭が子宮口を小突くたびに、唇の隙間から漏れる珠代さんの喘ぎ声。それは次第に熱を増して余裕のないものへと変わっていく。絶頂が近づいているのだ。
俺の方も珠代さんの膣が相変わらず気持ち良すぎて、そう長くは持ちそうになかった。
「はぁッ、ふぅっ! 珠代さん、中に出すよ!」
「んくっ、あぁッ! くださいっ、子宮に雪彦さんの精子、たっぷり出して……! わたしも、もうっ……ひぅっ、あぁァッ!」
「ぐっ、出るっ……ぁぁッ……!」
珠代さんが絶頂の悲鳴を上げると同時に、入り口まで出かかっていた精液がドクドクと勢いよく流れ出す。
熱いマン肉に包まれながらの射精。
うはぁ、メチャクチャ気持ちえぇぇ。
全てがどうでもよくなるような膣内射精の快感に、俺がぼけぇっとしながら、ふと顔を横に向けたその時だ!
そこには何故かキツ夫がいた。
縁側から少し離れたところで、青い顔をしながらこちらを見つめ、呆然と立ちすくんでいるではないか。
「おい、不法侵入だぞ」
「呼び鈴を鳴らしても誰も出てこないから裏に回ったんだ!」
ああ、そうなのか。交尾に夢中で全く聞こえてなかったわ。
「なっ、ななっ、何をしてるんだお前たちはぁッ!?」
「なにって……交尾だけどそれがなにか?」
「珠代は私のッ! 私の妻だぞ!?」
「すまんなキツ夫、珠代さんはもう俺の女なんだ」
相手が動揺してると逆にこっちが冷静になるの巻。
憤慨のあまり青筋を立てるキツ夫、ちなみに珠代さんは絶頂の余韻で未だくったりしている。
「馬鹿なことを言うな! いますぐ珠代から離れろ!」
そういえば、俺と珠代さんの性器はいまだ繋がまったままだった。
ほへぇ〜、珠代さんのマンコきもちえぇ。
絶頂でヒクヒクする膣内が気持ちよくて、挿入したままのチンコが膣内で勃起する。
俺は本能に従ってヘコヘコと抽送を再開した。
「あっ、あんッ……! んンッ! ひぃんッ!」
膣の刺激で珠代さんが反応する。もうエロエロですわぁ。
「交尾をするなァァッ!!」
キツ夫ブチギレ。
珠代さんアヘアヘ。
俺ちょーきもちイイ!
もはや収集がつかない混沌とした状況の最中、「あらぁ、キツオちゃんじゃなぁい」と眠たげな声が入り込んできた。
その一声で、荒ぶっていたキツ夫がぴたりと動きを止めた。