修一の秘密を知ってしまった健二は、麻奈美が留守なのをいいことに、彼女の部屋に忍び込んだ。
隠しカメラを探すためだ。さきほど見た映像のアングルから、カメラが設置されている場所の目星をつけて部屋を調べてみると、巧妙な隠し方をされた盗撮用の小型カメラを発見した。
(本当にあった……)
おそらく修一も、こうして姉が留守の時を見計らって、映像を記録したSDカードを回収していたのだろう。
修一が秘めていた姉に対する歪んだ執着心を目の当たりにして、健二は危機感を覚えた。
今までのニセモノは自分は何も知らないといった反応を見せてきた。健二もそれに惑わされ、ニセモノの中身は修一ではないと思い始めていた。
しかし、それは全て修一の筋書き通りだったのだ。
山田健二という幼馴染の立場を利用して、あいつは絶対に麻奈美に手を出そうとしている。
健二は確信し、決意する。
(僕が麻奈美ちゃんをニセモノから――いや、修一から守るんだ!)
隠しカメラは取り外さなかった。麻奈美を守るために彼女の部屋を監視できたほうが都合がよかったからだ、もしも修一がこの部屋に忍び込んで悪さをしようものなら、このカメラで証拠を押さえられる。
今後は定期的に映像をチェックしよう。麻奈美のプライバシーを侵害する行いだが仕方がない。
(そうだよ、これは麻奈美ちゃんのためなんだ)
そして、自分に言い聞かせるように「僕が守ってあげるからね、麻奈美ちゃん」と呟いた。
どうやら健二は、今の自分が気持ちの悪い笑みを浮かべていることに気づいていないようだ。
*
「ねえっ、シュウくん……こんなこと、ダメよ……」
「なんで? この前はおっぱい触らせてくれじゃないか」
「あれは、シュウくんがどうしてもって言うから……」
「じゃあまたお願い。いいでしょ姉さん?」
「んっ……だめッ……あぁっ……!」
健二は後ろから麻奈美を抱きすくめながら、ブラウスの前ボタンを外していく。
ブラジャーのホックを外し、ぷるんと揺れる大きなおっぱいを揉みしだきながら、麻奈美の首筋に鼻を擦り付ける。少し汗混じりの蒸れた女の匂いに気持ちが昂る。
どうしてそんなことになったのか。その経緯は実に単純だ。
麻奈美が大学から帰ってきた。後ろに姿に欲情した健二が後ろから抱きついた。それだけの話だ。
健二の中では、すでに麻奈美は自分のものになっているようだ。
「姉さん、おま○こ触らせてよ」
前回のことで麻奈美が押しに弱いことも、淫乱の素質を秘めていることも見抜いた健二は大胆に迫る。
「だめっ、だめよっ」
とうぜん麻奈美は拒絶するが、健二はそんなことお構いなしに、スカートの中に手を突っ込んで、太ももを撫で回しながら強引にショーツの中に手を潜り込ませた。
秘部は驚くほど熱く濡れており、潜り込んだ指にぬるりとした蜜液が絡みつく。
「姉さんて、真面目で清純ぽいのに、ほんとは凄くエッチだよね? 弟におっぱい触られただけで、こんなに濡らしてるなんてさ、実は変態なのかな?」
「うぅっ……いやぁっ、言わないでぇ……」
「大丈夫だよ、僕は姉さんのそういう所も全部大好きだから……ほらっ」
指先がとろけるように熱くヌメった窪みにつぷりと沈み込むと、麻奈美は抗えない快感に身を悶えさせる。
「ぁあっ、あぁっ……んンッ! んぁっ、あっ、だめっ、だめぇっ……」
「姉さんのおま○こ、トロトロになってるよ、ほらっ、こんなにいやらしい音がする」
わざと音が立つようにクチュクチュと膣口を愛撫する。
(あぁっ、私……だめなのに、弟の指で感じてる……)
自分が淫らな女だという証拠を突きつけられ、麻奈美は羞恥に顔をそむけようとするが、それでも弟の指が膣口を撫でるたび、お腹の奥からじわじわと快感がこみ上げてくる。
さざ波が次第に大きく広がるように絶頂へと導かれていくのが分かる。
「ん、ぁっ、だっ、だめっ……あっ、ぁァッ……!」
麻奈美がもう少しでイキそうになったとき、健二は手の動きを止め、膣口をまさぐっていた指を抜き取った。
「えっ、なっ、なんで……」
絶頂の寸前で愛撫を止められて、麻奈美は戸惑ったように弟を見る。
「だって、姉さんがダメッていうからさ」
「そっ、それは……」
「本当は最後までして欲しいんでしょ? 素直にいいなよ姉さん」
「ちがうわ……私、そんなこと……」
それでも認めようとしない麻奈美の反応に、健二はじれったくなり麻奈美をソファに押し倒し、両手で無理やり脚を開かせると、ショーツを脱がし秘部を晒す。
「やめて! シュウくん、やめてっ!」
「そうやって嫌がるフリをするけどさ、本当はしてほしいんでしょ?」
「そんなっ……わたしっ、ひァッ!?」
健二は逃げようとする麻奈美を押さえ込みながら、股の間に顔を埋めて、蜜液で濡れた膣口に唇を当てると、舌でベロリと舐め上げた。
「ひぁっ! あぁっ! いやっ……そんなところ、舐めちゃ、んゥッ!」
唾液まみれのザラついた舌によって、硬くなったクリトリスを舐められると、敏感な部分に強い刺激に受けた麻奈美は悲鳴をあげる。
(これが麻奈美ちゃんのマ○コの味……!)
健二は甘い蜜を舐める獣のように、一心不乱に舌を動かし、秘部からトロトロと溢れてくる愛液を舐めとっていく。
長く伸ばした舌が秘裂に潜り込んで、膣壁を刺激する。
指とは違う、まるで生き物が蠢いているような感覚に麻奈美の身体は悦びに震えた。
「あぁ、ぁぁっ、シュウくん……ぁっ、んっ、あっ、アァッ……!」
堪えるように太股が閉じられ、健二は柔らかい太ももに頭を挟みこまれる。
「んっ、じゅるっ、姉さんのここ……すごく美味しいよ……れろっ、ずじゅっ!」
「あぁんっ……! あっ、はぁっ、うっ、あぁっ!」
秘部を口で包み込ながらすするように吸引され、麻奈美の口から抑えきれない艶やかな喘ぎ声が漏れだす。
麻奈美が絶頂寸前なのを察して、健二は舌の根が引きつるぐらいべろを伸ばしながら、上下左右に激しく動かす。
「あっ、だめっ、もっ、もうっ、いっ、イクッ、あっ、あァッ、アアッ、んアぁァァッ!!!」
痙攣するように身体を振るわせながら、麻奈美はぎゅうっと太股で弟の頭を締め付ける。そして、身体からふっと力が抜けると、麻奈美はソファにくたりと倒れ込んだ。
(あぁっ、私……またイッちゃった……弟にイカされちゃった……)
認めたくない現実。麻奈美は腕で顔を隠しながら自己嫌悪に陥った。
しかし、まだ終わりではない。
「姉さん……」
弟の呼ぶ声に顔を向ける。
「ひっ……!」
失意の麻奈美が見たものは、ズボンを脱ぎ、勃起して硬く反り返ったペニスを自分へ向けている弟の姿だった。