ファンタジー人妻エロ小説「田舎領主様と獣人の母娘」の第11話〜第20話をまとめて掲載しています。メイドとして屋敷で働くことになった巨乳人妻の色気に性欲を持てあますご主人様。妖艶な人妻メイドと領主様の関係が深まっていくストーリー。
【11話】領主様は巨乳人妻メイドで妄想する
ミリアとした約束のこともあり、書斎に戻ったシーズは先ほどとはうって変わった様子で、残りの執務を早々に片付けると、マーサに断ってさっそく町に出掛けることにした。
その途中に、屋敷の家事をしていたアルテラと出会った。
「あら、旦那様。お出掛けでございますか?」
しっとりとした笑顔を彼女から向けられ、心がざわついたが、なんとか平常心を保ち、シーズは近くに誰もいないことを確認すると、アルテラに近づいてポケットに隠していたショーツを彼女にそっと手渡した。
アルテラは恥じらいながら、それをスカートの中にしまう。
「旦那様がお持ちになられていたなんて……私ったら、なんて恥ずかしい……」
「いや、俺があんなことをしたから……きみが悪いわけじゃないよ」
「うふっ、旦那様のお優しいところ、素敵だと思いますわ……」
アルテラがそっと身を寄せて、大きく柔らかな胸が腕にふにゃりと押し当てられる。
上目遣いに見つめるアルテラの瞳が妖しく光ると、シーズの心臓は鼓動を早める。
アルテラから漂う甘い香りに、さっきまで静まっていた色欲がまた騒ぎだす。
「アルテラ、そんなにくっついたら胸が当たって……」
「ふふっ、旦那様は私の胸をどうなされたいのですか?」
アルテラはまるでシーズの発情スイッチだ。また欲望に流されてしまいそうになり視線を泳がせるシーズの目には、まさにおあつらえむきな、使われていない客室のドアが映る。
(またムラムラしてきた……)
アルテラから香る甘い匂いを嗅いでいると、頭がぼうっとして下半身に熱いものがこみ上げてくる。
シーズは彼女の手を掴むと、引っ張るように暗い客室の中へと連れ込み、扉の鍵を閉め、アルテラを後ろから抱きすくめる。
「あんっ、旦那様ぁ……いったい何をなさるのですか……?」
「そんなこと、言わなくてもわかっているだろ」
シーズはメイド服のボタンを外すと、胸元から手を差し込んでアルテラの乳房を揉みしだく。
「ああ……柔らかいよ、アルテラ……」
彼女の首筋に鼻を当て、めいいぱっ息を吸い込むと、甘い女の匂いが鼻腔いっぱいに広がる。
「ああっ、いけませんわ……んっ、まだお仕事の途中ですのに……こんなこと」
腕の中でもぞもぞと動くアルテラを逃すまいと、シーズは強く抱きしめながら、股間を彼女のヒップにぐりぐりと押し付ける。
「あっ……んっ、旦那様の、硬いモノが……私のお尻に当たってますわ……」
「何が当たってるか、ちゃんと言ってごらん」
「そんなっ、恥ずかしいですわ……」
「ちゃんと言えないなら、お仕置きだ」
シーズはそう言って、彼女のおっぱいの真ん中にあるピンク色の乳首を、指先でキュッと摘み上げた。
「ひぁっ! んっ、んふぅっ……旦那様ぁ、やめてくださいませ……」
「だったら、ちゃんと言ってごらん」
「……ぉち○ぽ……です」
アルテラは恥ずかしそうにポツリと呟いた。
しかし、それではシーズを満足させることはできない。
「よく聞こえないな。はっきり言うんだアルテラ」
シーズは執拗に乳首をこねくり回しながら、彼女の耳元で囁く。
「んんっ……! おっ、おち○ぽです、あっぅっ……旦那様の、硬くなったオチ○ポが、私のお尻に擦りつけられていますっ……」
羞恥に頬を染めるアルテラを、ベッドにうつ伏せにして押し倒すと、シーズはスカートを捲り上げた。
スカートに隠れていた彼女の白く滑らかなヒップはなにも穿いておらず、隠すものがない秘部が、シーズの眼前に晒される。
「いやぁっ……見ないでください、旦那様……」
「あれからずっと、穿いてなかったのか?」
「それは、旦那様が……」
アルテラが言い訳をしようとすると、シーズはアルテラの秘部に指を這わせた。
「ひぁっ! んんっ……!」
指先にヌルリとした感触がする。彼女の秘裂はすでに愛液にまみれていた。
「もうこんなに濡れているじゃないかアルテラ。こんな破廉恥な格好をしながら、実は興奮していたのだろう?」
「そんなっ……あっ、ひぃっ……ぅんっ!」
ヌチャヌチャと音を立てながらシーズの指に膣口をいじられ、アルテラは切なげに喘ぐ。
「きみは、なんてイヤラシイ女なんだ。アルテラ」
「あぁっ……申し訳ありません、旦那様ぁ……」
「これが欲しくて、しょうがなかったんだろう?」
シーズはズボンの下から取り出した男根でアルテラの膣口をつつく。
くちゅっくちゅっと、亀頭と擦れた膣ヒダが音を立てる。
「あぁっ、んッ……後生ですから意地悪をしないでください、旦那様ぁ……」
「じゃあ、どうして欲しいのかちゃんと言ってごらん」
「わっ、わたしの中に……旦那様のモノを、ください……」
羞恥に震えるアルテラの大きなお尻を、シーズの手がペチンッと叩く。
「あぁっ!……だ、旦那様……なにをっ……」
「違うだろアルテラ。ちゃんと言うんだ」
アルテラは観念したように、自らの手で膣肉を開く。
「ど、どうか……アルテラのいやらしい、おっ、オマ○コに……旦那様の太くて硬いオチ○ポを挿れてくださいませ……」
それが合図となり、シーズはアルテラの膣口に、膨れた亀頭を合わせると、思い切り腰を突き出した。
肉棒がねっとりと熱く絡みつく膣ヒダをかき分けながら、一気に奥までズブリッと挿入される。
「アァぁっ!! 旦那様ぁっッ!!」
アルテラが快感に嬌声を上げるのを聞きながら、シーズはひたすらに腰を動かす。
初めて挿入したアルテラの膣内は、想像を絶するほどの快楽をシーズに与える。
──はずなのに。
なぜだろう、その気持ちよさがシーズにはわからない。
それはそうだ、なぜならシーズの男根は、まだアルテラの膣内の感触を知らないので想像しようがない。
所詮これは、彼の妄想でしかないのだから──。
「あの、旦那様?」
アルテラの呼び声に、シーズはハッとして周囲を見回した。
そこは暗い客室などではなく、屋敷の廊下だった。
アルテラはシーズにくっついたまま、彼の様子をうかがうように見つめていた。
「どうかなさいましたか? 旦那様」
「いっ、いや、なんでもない……ちょっと考え事をしていただけさ」
まるで白昼夢のように、あんないかがわしい妄想をするなんて、自分はいったいどうしてしまったのか。
危うく新たな性癖の扉を開けてしまいそうになって内心焦っていると、アルテラが艶っぽく微笑えんだ。
「ここを、こんなにされて……何を考えてらしたのですか旦那様?」
アルテラにズボンの膨れた部分を撫でられて、シーズは思わず腰が引けてしまう。
「いや、これは……」
「うふっ、素直におっしゃっていただければ……」
蛇のように腕を絡ませながら、彼女はシーズの耳に唇を押しあてながら囁く。
「アルテラは、旦那様のしたいことを、なんでもしてさしあげますわ……」
彼女の誘惑にシーズはたじろいで何も言えない。
先ほどの妄想とは立場がまるで逆だった。
女性経験の乏しいシーズがアルテラから主導を奪うなど無理な話なのだ。
しかし、今はこのまま流されるわけにはいかなかった。
「いっ、いや、今は他にやることがあるんだ。ミリアのためにも……」
シーズの口から娘の名前が出たとたん、絡み付いていたアルテラの腕が緩んだ。
「ミリア……ですか?」
アルテラは目をしばたたかせる。
「そっ、そう。だから……すまない!」
言うが早いか、シーズはアルテラを振りほどいて一目散に屋敷の外へと飛び出していった。
とても領主様とは思えない逃げっぷりである。
そんな彼を、アルテラは不思議そうな顔で見送るのだった。
【12話】お風呂で人妻巨乳メイドに手コキされる領主様
その日、シーズが屋敷に戻ってきたのは夕日が空をオレンジ色に染めた頃であった。
「おかえりなさいませ。旦那様」
主人の帰宅にうやうやしく頭を下げるアルテラに出迎えられる。
メイド姿のアルテラが自分の帰りを待っていてくれた。そんな些細なことでもシーズの頰が緩みそうになっている。玄関の物音に気付いたのか、そこへミリアもやってきた。
「あっ、だんな様ぁ」
ミリアはまるで子犬がじゃれつくようにシーズの手を握りながらぐーっと引っ張った。
シーズもあやすようにミリアのフワフワした髪を撫でながら優しく笑いかける。
「ただいまミリア」
「だんな様、どこいってたんですか?」
アルテラは主人に対する娘の粗相を嗜めようと、ミリアの肩をそっと引き離そうとするが、シーズは「大丈夫だよ」と言ってから、改めて二人に目を向ける。
「明日、きみたちを連れて町に行こうと思う」
それを聞いたアルテラは少しの驚きと不安を表情に滲ませ、対照的にミリアは顔をほころばせる。
「ほんとっ?」
「ああ、本当だよ」
「おかあさん、お外にいけるんだって!」
ミリアは嬉しそうにはしゃぐが、アルテラはやはりどこか不安そうだった。
「旦那様、その……大丈夫なのでしょうか?」
それは、獣人である自分たちが町に出ることで起こりえる問題を危惧した言葉だった。
シーズは彼女を安心させるように頷く。
「俺と一緒にいれば大丈夫さ」
「そう……ですね。旦那様がいらっしゃいますものね」
口ではそう言っているが、やはり彼女の心配は拭いきれなかったようで、シーズは場を和ませるためにミリアを抱き上げながら今日はどんなことをしていたのか尋ねる。
ミリアは身振り手振りを交えながら、マーサの授業では緊張したけど新しく文字を覚えたことや、ドイルと一緒に花壇の花に水をやったことなど、今日の出来事を嬉しそうに話す。
引っ込み思案な娘がいつの間にかシーズと打ち解け、はきはきと喋っている様子を目の当たりにしたアルテラの顔からは、男を惑わせる妖艶さはなりを潜め、そこにあるのは娘を見守る優しい母親の顔だった。
それから夕食の時間となり食堂に出向いたシーズだったが、昨日と違いテーブルに用意されていたのは一人分の食事だけである。
シーズの後ろに立ち給仕をするアルテラに尋ねてみると、自分たちはすでに使用人なのだから、主人と食事の席を共にはできないと言われてしまった。
ちなみに、これまでもマーサとドイルは、シーズの食事が済んだ後に、厨房にあるテーブルで賄い料理を食べていたのだが、特にマーサは歓談をするようなタイプではないので、食事のときは実に静かなものだった。
しかし、そこにアルテラとミリアが加わったことで厨房の空気が変化した。
ミリアの朗《ほが》らかなお喋りに対して、ドイルは孫を相手にするお爺ちゃんのようにそうかそうかと相槌を打ち、マーサは変わらず黙々と食事をしつつ、ミリアのテーブルマナーに細々と注意はするものの、意外なことにお喋りを禁ずることはしなかった。
*
さて、シーズは食事を済ませた後に、一日の汗を流すために入浴をしているのだが、なぜだか浴室には裸にタオルを巻いた姿のアルテラが一緒にいた。
そこでなにも起こらないわけもなく、今もアルテラの舌がシーズの肉棒を丁寧に舐めている。
「んっ、れろっ……れるっ、れろっ、ちゅっ、ちゅぷっ……」
「うぁっ……そこ、気持ち良いよ……アルテラ」
「んんぅっ……ちゅぷっ、りょうひゅひゃまぁ……きひいいれふかぁ?」
舌の上に亀頭を乗せながら、アルテラはペニスを弄ぶように裏側を刺激する。
最初こそ遠慮していたシーズだったが、いざ事が始まってしまえば快楽に抗えるわけもなく、盛り上がった気分に身を任せていた。
「んっ……ちゅぽっ、じゅるっ……ちゅぷっ、れぇっ……んっ、んふっ……旦那様のお○んぽ、射精したくて震えてますわぁ……」
咥えていた肉棒を口から離すと、アルテラは手を使って陰茎を擦る。
シーズはアルテラの乳房を触りがなら、柔からな唇を堪能する。
「んっ、ちゅっ……れるっ……んむっ、ちゅっ……」
互いの舌を絡ませ合い、アルテラの甘い唾液が口に広がる。
キスをしているだけでも、性交をしているかのような甘い疼きが肉棒に伝わってくるようで、アルテラの手淫による刺激も合わさって、すでに我慢は限界に達していた。
「んむっ、ちゅるっ、んっ……旦那様の白くてドロドロした精子、たっぷり出してくださいませ」
本当ならアルテラの膣内に射精したいのが本音だったが、彼女の手わざがそれを許してくれない。
「うっ、ぐぅっ……」
「旦那様のここ、とっても苦しそう……アルテラの手にビュッビュしましょうね、ほぉら、びゅっびゅ〜っ」
「うっ、ぐぅっ、で、出る……っ!」
まるで赤子をあやすように耳元でネットリとした艶声で囁かれながら耳の中を舌でグチュリと舐められたシーズは、ぞわりとした快感によって我慢できずに射精してしまう。亀頭から放出される精液はアルテラの手にたっぷりと射精されドロドロの白濁液まみれになる
「はぁっ……はぁっ、気持ちよかった……」
シーズは射精の余韻に浸りながら、アルテラのふくよかな乳房に顔を埋める。
「ふふっ、旦那様は甘えん坊さんですね。可愛いですわ」
「そっ、そうかい?」
幼い頃に母親が他界しているのでシーズには母親に甘えた記憶があまりない。だからだろうか、アルテラのような包容力のある大人の女性に弱いのかもしれない。
「それじゃあ、旦那様のおちんちん、きれいきれいにしましょうねぇ」
子供扱いされて恥ずかしいのに、アルテラの母性に逆らうことはできず、言われるままに大人しくなったイチモツをやんわりと撫でられながら、体も隅々まで丁寧に洗ってもらった。
入浴が終わってからシーズの身体に付着した水滴を拭いてもらいながら、含みのあるような視線を向けてくる。
「旦那様のここ、まだまだお元気みたいですわね」
股間をそっと撫でてくるアルテラの問いかけに、シーズは彼女の言わんとすること、それが夜伽の誘いであることを察した。
(今夜こそ……アルテラとセックス!)
二つ返事をしそうになったところで、シーズは口から出かけた言葉を飲み込んだ。
いやまて、あんまり手玉に取られるのもなんだし、ここは男の余裕というものを見せておくべきではないだろうか? という男のプライドが邪魔をする。
たっぷり時間をかけて迷った挙句、シーズは残念そうに首を振った。
「いや、明日のこともあるし、今日はやめておこう。アルテラもゆっくり休んでくれ」
「かしこまりました。それでは、おやすみなさいませ旦那様」
未練がましいシーズと違い、アルテラはそれだけ言ってさっと踵を返してしまう。
(あれっ!? 予想してた反応と違う……)
てっきりこれまでのように、アルテラが誘惑してきて「そんなことおっしゃっても、旦那様のココは正直ですわ……」とか言われながら股間を撫でられ、なしくずし的に彼女と寝室へ行く──。
そんな浅はかな期待をしていただけに、シーズは肩透かしをくらった気分であった。
「あっ、アルテラ」
「はい、なんでしょう?」
振り返ったアルテラの顔を見つめながら、シーズは迷った。
ここで引き止めるべきか、おとなしく見送るべきか。男として正しいのはさてどちらだ。
「おっ……」
シーズは決心して口を開いた。
「おやすみ……」
「はい、おやすみなさいませ」
その夜、この判断は正しかったのだと自分に言い聞かせながら、彼は広いベッドで一人寂しく眠りについた。
【13話】領主様は獣人母娘と町へゆく
一夜明けて朝日が高く登った頃に、シーズは昨日言った通りにアルテラとミリアを連れて屋敷を出た。
ミリアは興味津々といった様子で外の景色を眺めており、アルテラは娘が好奇心に引かれてどこかに行かないよう手を繋いで歩いていた。
そして、まず最初に向かったのは、シーズと彼女たちが出会うきっかけとなった農園だった。
ちょうど収穫作業をしていたようで、農園の主人である日に焼けた恰幅のよい中年男性と、その傍にはどっしりとした体格の奥さんが、せっせと動いていた。
シーズが夫妻に獣人の母娘を紹介してから、アルテラは頭を下げ、改めて先日のことを謝罪した。ミリアも母を真似をしながらぺこりと頭をさげる。
アルテラは非難され罵声を浴びせられる覚悟もしていたのだが、農園の主人は苦笑いをしながら薄くなった頭を撫でつけた。
「いやぁ、おっかない獣かと思ったら、こんなべっぴんさんだったとは驚きですわい!」
「ほんとだよ、なのにあんたったら酷く怯えちまって、恥ずかしいねぇまったく! ほらっ、デレデレしなさんな!」
アルテラの美貌に当てられ照れ笑いをする主人の丸い腹を、奥さんの逞しい腕が小突く。
「まぁ……あんたさん方も大変な目に遭ってきたんだろう。シーズ様に拾われて良かったなぁ」
主人はうんうんと頷き、近くの樹から赤い実をひとつもぎ取ってミリアに手渡した。
「もらっていいのぉ?」
差し出された果実を、おずおずと受け取るミリア。
「お嬢ちゃん、うちの果実は美味かっただろう?」
「うんっ、おいしかった」
ミリアの素直な返事に主人は満足そうに頷いているが、アルテラは戸惑いの表情を浮かべた。
盗みを働いたことを罰せられるはずなのに、なぜこのような温情を向けられているのか解せない様子だ。
「あのっ、そんな……いただくわけには」
慌ててミリアが手にした果実を返そうとするアルテラだったが、おかみはカラカラと笑う。
「いいのいいの、うちには売るほどあるんだから、一個や二個ぐらいどうってことないわよ。それに……」
彼女はアルテラに近寄ると、喜ぶミリアの相手をしているシーズに視線を向けながら、小声で囁く。
「お代はもう、シーズ様から受け取ってるわ」
「えっ……?」
「だからさ、あんたも大変だろうけど、頑張りなさいな」
彼女は気前よく笑いながら、激励するように厚い手の平でパンパンとアルテラの背中を豪快に叩いた。
「きゃっ!?」
アルテラは背中に伝わる衝撃におもわず尻尾を逆立てながらも、キョトンとした様子でシーズを見つめる。
「さて、それじゃあ次へ行こうか」
そんなやり取りに気づかなかったシーズは、夫婦に挨拶をして別れると、二人を連れて町を回り歩いた。
屋敷で料理に使う材料を仕入れている店では、これから彼女が世話になるからと顔を見せ、教会では神父から彼女たちへの祝福を賜り、広場で催されていた人形劇にミリアが喜び、通りを歩けば住民は親しげにシーズに挨拶をする。
そうして町を回っているあいだ、獣人であるアルテラたちは当然だが人目を引いた。
その中には、物珍しさに指をさす者もいれば、こわごわと遠巻きに様子をうかがっている者もいた。
しかし、アルテラが恐れていたような、迫害を受けるようなことは一度として起こらなかった。
領主様が近くにいたからというのもあるだろうが、それにしてもだ。
農園の夫婦もそうだったが、なぜこの町の住民はこんなにも獣人に対して友好的なのかと、アルテラは疑問を感じた。
そうこうしているうちに、彼女たちは町をぐるりと回って広場に戻ってきた。
小さな町でもそれなりに時間が経っていた。
人形劇が終わって、集まっていた子供もいなくなった広場は閑散としている。
真上にあった太陽は傾き始め、気だるい午後の空気が辺りに流れていた。
「歩きっぱなしで疲れただろう? 飲み物でも買ってくるから、二人はちょっと休んでいてくれ」
「旦那様、それでしたら私が……」
「すぐ戻ってくるよ」
そう言って、シーズは近くの露店に歩いて行ってしまった。
うららかな日差しに包まれた広場は、遠くに聞こえる町の喧騒をよそに、静かな時を刻んでいる。
広場の椅子で日向ぼっこをしていた老婆が、ミリアにキャンディーを渡しているのを見て、アルテラは思わず声をかけた。
「ここの人たちは、獣人を見ても驚かれないのですね?」
「いんやぁ、みんなびっくりしてますよぉ。あなたがたのような人は初めてですからねぇ」
老婆はシワまみれの柔和な笑顔をアルテラに向け、のんびりとした口調で答える。
「そうなのですか? とてもそうは見えなかったので……」
「シーズ様がねぇ」
「え?」
「シーズ様が皆んなに言いなさったんですよぉ。獣のお耳が生えた人が町に住むけど、怖がらないで仲良くしてほしいって」
そこでアルテラは、昨日シーズが外で何をしていたのか気づいた。
「日が暮れるまで、ずぅっと、町を走り回っておりましたねぇ」
老婆は思い出すように空を見上げた。
「この町に住んでる人は皆んな、代々の領主様に良くしていただいておりましたから、シーズ様にお願いされたら、お助けしたいと思いますもの」
「そう……なの、ですか」
ニコニコと微笑む老婆とは対照的に、アルテラは困惑しながら曖昧な返事をした。
領主とはいえ人生経験も乏しく、女性に対する免疫もないから、誘惑すればあっさりとほだされてしまう若者。それがアルテラの目に映るシーズであったのだが。
(もしかしたら、あの人は……)
アルテラは考えようとした事を頭の中から消し去った。なぜならそれは、彼女が捨てたものだったから――。
遠くには、露店で買った飲み物を抱えてたシーズの姿が見える。
憂いを帯びていたアルテラの顔は、すでにいつも通りの綺麗な笑みが上塗りなされていた。
*
シーズたちが屋敷への帰路へとついた頃には、町が茜色の夕日に照らされ、並んで歩く三人の影が仲良く地面へ伸びていた。
獣人という存在を町の人々に知ってもらうのが目的の外出は、概ね成功したといってもよいだろう。
すぐにとはいかないだろうけど、アルテラたちが町に馴染んでいくことを期待しながら、シーズは隣を歩く獣人母娘に目を向けた。
夕日に照らされたアルテラの美しい横顔が目に入る。
(やっぱり美人だよなぁ……)
視線に気づいたアルテラは、やんわりと微笑むとシーズの手を握った。しなやかな指が手に絡められると、それだけで心が高鳴ってしまう。
アルテラとの情事にばかり気が取られてしまうシーズだったが、こうして穏やかな時間を彼女と過ごすことも存外に幸福を感じていた。
胸の疼きは、まだ恋や愛と呼べるほど確かな感情ではなく、年上の美女に対する憧憬に近いものだったが、それでもシーズは今の気持ちを伝えようとアルテラの手を握り返した。
ふと、反対側でアルテラと手を繋いでいるミリアが、歩きながらコクリコクリと頭を揺らしているのに気づく。
「ミリア、眠いのか?」
「うう……んっ、だいじょーぶ……です」
シーズが声をかけると、ミリアは今にも寝入ってしまいそうな様子で返事をする。よほど外出が嬉しかったのだろう、そのせいで少しはしゃぎ過ぎたようだ。
「ほら、おいで」
「んぅ……にゅ……」
フラフラとした足取りのミリアをシーズが抱き上げる。
「旦那様、私が抱きますので……」
「これぐらい大丈夫だよ、君も疲れただろう?」
「ですが……」
シーズの腕に抱かれながら、ミリアはすぐに寝息を立て始めた。その表情は安らぎに満ちており、娘の幸せそうな寝顔にアルテラも起こすのを躊躇われた。
「さっ、帰ろうか」
「……はい、旦那様」
そうして二人は寄り添うように、夕日に照らされながら歩いていった。
【14話】童貞領主様、ついに人妻巨乳メイドと初じめてのセックス
屋敷に戻ると、先に眠りこけているミリアを部屋のベッドに寝かせてから、シーズはマーサが準備していた夕食を食べてから、入浴をする。
一日の汗を流しサッパリとして浴室から出ると、控えていたアルテラがタオルでシーズの身体についた水滴を丁寧に拭き取っていく。
シーズは大人しくアルテラに身を任せながらも、昨夜は余計なプライドのせいで発散しきれなかった性欲が下半身で疼いてた。
そのせいで、アルテラが股間をタオルで拭く際のちょっとした刺激によって、シーズのイチモツはぐいっと頭をもたげてしまう。
それに気づいたアルテラは 淫らな光を宿した視線をシーズに向ける。
「ふふっ、旦那様は何を期待されてるのでしょうか?」
「アルテラ……」
誘惑するような瞳にたじろぎそうになるが、今日こそは最後まで致すつもりのシーズは無言でアルテラを抱き寄せる。
「あんっ……旦那様」
二人はしばし無言で見つめ合う。アルテラ表情からは嫌がっている気配は感じられなかった。むしろ、彼女は熱っぽい瞳でこちらを見つめ返しているではないか。
(これは……いけるか? いやっ、いくしかないっ!)
シーズはこの一瞬に、これまでの人生で何回もないという度合いで決意を固めた。
「アルテラ、このまま寝室に来てくれないか」
言い終わってから緊張で心臓がバクバクと暴れてしまう。
しかしアルテラは、緊張で顔をこわばらせているシーズの唇についばむようにキスをした。
「んっ……ちゅっ。もちろんですわ、旦那様」
「じゃっ、じゃあ……今から」
シーズは我慢できないといった様子で、アルテラの手を握って寝室に向かおうとしたが、彼女の手はそれにやんわりと待ったをかけた。
「慌てないでくださいませ。私も体を流してからでないと恥ずかしいですわ」
アルテラにそう言われてしまうと、シーズは興奮して先走ってしまった自分が恥ずかしくなった。
「そっ、そうだな……そうするといい」
「後ほどお伺いしますので……お部屋でお待ちくださいませ」
「ああ、急がなくてもいいから、ゆっくりしてから来るといいよ」
それだけ言い残して一人先に寝室へ向かったシーズは、部屋に入り扉を閉めるとベッドにどっかりと座ったのだが、さて、どうにも落ち着かない。
仰向けに寝転がってみては、また起き上がり、なんとなく枕を整えてみたりするのだが、妙にソワソワしてじっとしていられない。
今ごろアルテラは身体中を念入りに洗っているに違いない、この後自分に抱かれるためにだ。
そう考えると、シーズはいてもたってもいられなかった。
そうして彼が部屋の中をウロウロし続けて、しばしの時間が経った後、不意を突くように扉をノックする音が寝室に響いた。
「っ!……入ってくれ」
ついに来たこの瞬間、シーズは動揺を悟られないよう務めて落ち着いた声を出した。
開かれた扉から、薄いネグリジェを身につけたアルテラが、静々と入ってきた。
ランプの明かりに照らされ、彼女の豊かな身体のラインがうっすらと透けて見えている。
「お待たせいたしました……旦那様」
「うっ、うむ……いや、大丈夫だ……こっちへ」
言われた通りにシーズの隣に腰を下ろしたアルテラ。
ネグリジェの下に透けて見えるたわわな果実の先端。そこにはピンク色の突起がツンと張り出していて、すぐにでもムシャぶりつきたくなる光景だった。
シーズが焦る気持ちを抑えながら腰に回した手でやんわりと抱き寄せると、アルテラはなすがままに身体を預けてくる。
「旦那様……あっ、んむっ、んっ……ちゅっ」
シーズから重ねた唇は離れることはなく、その手は優しくアルテラの乳房に触れた。
「あぅっ……ふぅっ、んっ……! ぁっ……」
薄いネグリジェしか阻むものがない彼女の身体は柔らかく火照ったように熱かった。
彼女の熱い吐息がこれ以上漏れないように、シーズは唇を重ね彼女の口を塞いだ。
「んっ、ぴちゅ、くちゅ……ちゅっ、ちゅぷっ……」
口内から漏れてくる唾液に濡れた唇が官能的な音をたてる。
シーズはアルテラを抱きしめながら、その手は彼女の乳房をやんわりと揉みしだく。
ネグリジェの薄布が乳首を擦ると、むず痒いような微小な快感となってアルテラの性感を刺激する。
乳輪の周りを指先で撫でられる甘い快感によって彼女の乳首が硬く尖ってきた。
シーズの手つきからは、不慣れながらも悦ばせようとする気持ちがアルテラに伝わってくる。
自然と開いた歯の隙間から舌がヌルリと滑り込み、アルテラの舌もそれを迎え入れるように、くちゅりと舌を合わせる。
「んっ、れろっ……くちゅ……んぅ、ちゅぷ……れるっ……」
先日のように激しく絡まるようなキスではなく、舌をそっと付き合わせ互いの息遣いを感じるようにゆっくりと擦り合わせる。
ねっとりとしたディープキスが、アルテラの性感を高めてゆくなか、シーズの手が不意にアルテラの獣耳に触れる。
「んんっ……! あっ……ふっ、ちゅっ……りゃ、りゃんなはまぁ……」
性感帯が集まる獣耳の内側を指で撫でられ、甘い刺激が走る。
「あんっ! ふっ……ぅっ」
シーズの指が耳に触れるたび、アルテラの身体がぴくぴくと反応する。そして今度は耳の付け根を指でクニクニクと刺激される。
「ふうぅっ……んっ! 旦那様ぁ……だめです、そこは……あぁっ」
どうやらそこは、アルテラの弱い部分だったらしく、トロンとした声を出しながら、ぷるぷると身体を震わせる。
「じゃあ、こっちは?」
シーズは彼女の背中に回していた手を下からネグリジェの中へと潜り込ませると、柔肌を伝って指を臀部へと移動させる。
そこはつい最近、彼が確認しそびれた尻尾の付け根があった。
「ひゃッ、ァァッ! そこも、ひあっ……んンッ!」
尻尾を触られたアルテラの腰が驚いたように浮き上がる。
やはり尻は敏感な部位らしく、シーズは乱暴にならないように優しく触れるのだが、それが逆に焦らすような快感の刺激となってしまう。
アルテラの身体は次第に火照りを帯びて、肌にはじっとりと汗が滲みだし、身体の感度がどんどん高まっていく。
シーズは彼女が感じているのがわかり、もっと快感を味わってほしくなり、アルテラの身体を隠すネグリジェを脱がして細い首筋に舌を這わせる。
鎖骨から乳房、滑らかな腹部、ふっくらした太ももの内側、抱きしめたくなる華奢な背中と、彼女の身体中に口を付け舌で舐め、指も使って愛撫した。
「あぁっ……! ぁっ、あぁっ……ふっ、ぅぅっ……ひぁっ……!」
拙いながらも情熱的な愛撫によって、アルテラは全身を襲う甘い快楽に弄ばれ、けれどイクことができないもどかしさに身体をくねらせる。
ずっと疼いている股間は溢れ出る愛液によってしとどに濡れていた。
シーズの男根も大きく反り返り、先っぽから先走りの汁が出ていた。
シーズはアルテラの腰に指をかけると、彼女の秘部を隠していたショーツを抜き取る。
露わになったアルテラの秘部は溢れる蜜によってしとどに濡れていた。そこからムッとするほど濃い雌の匂いが漂ってくる。
「あぁっ……見ないでください……旦那様ぁ……」
アルテラは顔を手で覆い股を閉じようとするが、シーズはそんな彼女の脚を掴んで強引に開かせると、熱く蕩けた彼女の膣口に顔を近づけると、秘裂をかき分けるように舌をねじこむ。
「アァぁッ! うぅっ……んんっ! んぁっ……! アっァァッ……」
シーズの舌は、膣口の浅い部分をツプツプと出入りしたかと思えば、急に深くまで舌を伸ばして膣壁を刺激する。
「あッ……アぁっ!あふッ、ううっ……んくっ!」
うねうねと動く舌に膣をまさぐられ、アルテラは痺れるような甘い快感に身体を仰け反らせる。
シーズも舌の根が引きつりそうになるぐらい舌を伸ばし、愛液に濡れるのも構わずにトロトの膣を更にかきほぐす。
舌を動かしながら指でクリトリスも擦られて、アルテラは快楽の渦に呑み込まれゆく。
「あぁっ! んんっ……あァッ! だめっ……旦那様……もうっ、あぅっ……!」
アルテラが絶頂を迎えようとしているのが分かり、シーズは舌はよりいっそう激しく動かす。
「あアアッ!うっ、いっいっく! ンっふっ……うぅっ、アッ! アアぁぁッ!!」
アルテラがひときわ大きく腰を反らし、ガクガクと身体を震わせると、シーズの顔に温かい飛沫がびしゃりとかかった。
女の潮吹きというものを初めて見たシーズは、驚きとその淫らな様子に唾を飲む。
「あぅっ……ふぅっ……ふっ、はっ……ふっ……」
こわばっていた身体の力が抜け、アルテラは呼吸を乱しながらぐったりとベッドに横たわる。
シーズはガウンを脱ぎ捨てると、いまだ身体に力の入らないアルテラの脚を手で押し広げる。
「アルテラ、もう我慢できないよ……」
シーズは今にもはち切れそうな程に大きく膨らんだ肉棒をアルテラの秘部に擦り付けた。
「ああっ、ダメです旦那様っ! イッたばかりで……身体が敏感になってて……」
止めようとするアルテラの言葉も聞かず、シーズは熱くいきり立った肉棒を膣口に合わせる。
大きく膨れた亀頭が肉ヒダに埋まると、そのままズブリと肉棒をアルテラの膣に挿入した。
【15話】ケモミミ巨乳人妻メイドに中出しするご主人様
シーズは初めて挿入した膣内の肉壁のうねる感触とその熱さに驚きながら、勢いに任せて腰を突き出す。
亀頭が膣襞を掻き分けながらアルテラの膣の奥へと侵入していく。
「あぁっ、んんっ! あっ、んぅっ……! んっ、はぁっ!」
絶頂を迎えたばかりで敏感になっているアルテラの膣内に、想像していたよりも太く逞しい肉棒が容赦なく潜り込み、膨らんだカリ首に膣壁を擦られる。
そして、亀頭が膣の奥にある子宮口に到達し、コツンとぶつかった瞬間、ビリビリとした快楽の刺激がアルテラの体に走り抜け、淫らな嬌声がぱっくり開いた口から漏れ出た。
「うっ、ふっ……あぁっ! んンッ!! ふぅっんっ、旦那様っ、そんな……いきなり、そんな奥まで……んぁっ!」
アルテラは童貞の領主様に性交の手ほどきをするつもりだった。実際、若さと勢いに任せたようなシーズの腰使いは童貞丸出しの拙く単調な動きしかできていない。
しかし誤算だったのは、アルテラとシーズの体の相性が想像以上に良かったということだ。
シーズの肉棒は形から太さ長さまで、アルテラの膣に驚くほどハマっていた。
まるで二人の性器は交わることを前提に造られたかのように、ペニスはピタリとアルテラのヴァギナを埋め尽くし、腰を動かせばアルテラの感じる箇所を刺激してくる。
「ふっ、あっ、あっ、あぁっ! 旦那様! 旦那様ぁっ! もっと、ゆっくり、あっ、ぅぅっ……!」
想定外の快楽に淫猥な吐息を漏らし悶えるアルテラだったが、シーズもそれどころではなかった。
(ぐうぅっ! なんだこれ……っ、膣内が動いてっ……気持ちよすぎる……!)
アルテラの膣はまさに名器だった。根元から先っぽまで、シーズの肉棒をズッポリとのみこんだアルテラの膣は、ねっとりとざらつく膣肉で包みながらも、うねうねと絡みつくように肉棒をしごいてくる。
彼女の呼吸に合わせてうねる膣内は、挿れているだけで射精してしまいそうなほど気持ちがいい。
(ぐうぅっ……奥に当たると、先っぽに吸い付いてくる……)
それは男の本能だろうか、シーズはこみ上げてくる射精感に耐えながら、亀頭を膣奥の子宮口へとグリグリと押し付け始めた。
「ひぅっ! ああぁっ、旦那様、そこっ、子宮口っ、だめっ、ですっ……」
「んぐっ……ここが、そうなのか……?」
「そうっ、ですっ……赤ちゃんのお部屋の、入り口ですっ……だからっ、ああっ! そんなっ、ぐりぐりしちゃ、ふぅっ! んんっ!」
アルテラは女性の最奥を責められてしまい、あまりの快感に動きを止めようとするものの、逆にシーズは亀頭を子宮の中に挿れんばかりに何度も叩きつけた。
「あっ、ああぁっ! なんでっ、旦那様の……また大きくなって……ふっ、ううっん!!」
「うぅっ……出したい、アルテラの、子宮口に……射精したいっ……!」
「ひぁっ! うぅっ……旦那様ぁっ、だめっ、赤ちゃん、できちゃいます……そこはっ、夫婦じゃないと……んんっ!」
夫婦という言葉を聞いたシーズの脳裏に浮かんだのは、妊娠の心配などではなく、アルテラにミリアを孕ませた顔も知らない男の姿だった。
この淫らな肢体をくねらせ、自分の肉棒を咥え込んでいる美女は、しかし既に別の男の子種によって孕まされたことがあるのだ。
シーズにはそれが無性に気に食わなかった。
「なんだアルテラ! 前の旦那のことが忘れられないか!?」
「ちっ、ちがいますっ……んっ、あっ、はぁっ……! もし赤ちゃんができたら……旦那様にご迷惑が……んんっ、あぁっ! うぅっ……」
独占欲に火がついたシーズは、アルテラを強く抱きしめながら、貪るように口づけをする。
「んっ、ちゅ……ちゅっ、ちゅぷ……ぁっ! あぁっ、旦那様ぁ」
キスをしながらも、シーズはがむしゃらに腰を打ち付け肉棒を抽送する。
「いいからっ、アルテラ! もうお前は、俺のものなんだ……だからっ……!」
命令するというよりも、まるで子供が駄々をこねるように、シーズは必死にアルテラの膣を犯して自分のものにしようとした。
「はぁっ、ふぅっ……うふっ、旦那様ぁ……そんなにアルテラが欲しいのですか……?」
白い肌に玉の汗を浮かべたアルテラは、シーズの気持ちを見透かしたように紫色に輝く瞳で笑いかけてきた。
くらっとするような魔性の笑みにシーズは言葉に詰まってしまうが、アルテラは言葉を続ける。
「ふふっ……ご心配なさらなくても、アルテラはもう、旦那様のものですわ」
まるで駄々っ子をあやす母親のように優しく抱擁されたシーズは、包まれるような安らぎを感じながらも、その反面、滴る汗から鼻をつくほどに香る媚薬のような甘い匂いによって情欲をさらに掻き立てられる。
聖母のような優しさと、淫魔のような肢体。アルテラからもたらされる喜びと快楽に頭の中は蕩け、本能のまま俄然激しく腰を動かし始めた。
愛液の溢れた膣に肉棒がジュブジュブと出し入れされる。入り口まで引き抜いては、子宮口まで突き入れるを繰り返す。
ペニスが引き抜こうとすれば、アルテラの膣はそれを逃すまいときつく締めつけてくる。
「うぅっ、あッあァ……旦那様、とてもお上手ですわ……私、こんなに感じてしまって……んぅっ……恥ずかしいですわ、あぁっ……」
膣壁を肉棒で抉《えぐ》られるたび、アルテラの体が快感に震える。
「んんっ! 旦那様のお○んぽが……子宮口にキスして……あぁっ、こんな逞しいお○んぽで突かれたら……んっ、旦那様の赤ちゃん、本当に孕んでしまいそう……」
亀頭が何度も子宮口をノックする。アルテラはそのたびに嬌声をあげる。
少しでも長くこの愉悦を味わいたいシーズは、すでに限界まで高まった射精感を我慢しながら、ひたすら腰を振った。
腰を打ち付けるたびに、パンッパンッと肌が合わさる音が立ち、じゅぷじゅぷと粘液を掻き分けて、アルテラの子宮口を何度も叩く。
「んっ、んンッ! ふぅっ……あアァッ! だっ、だんな、さまっ! そんなっ、おくっまで……犯されたら、またっ、んンッ……わたしっ……」
アルテラの喘ぎ声からも彼女がまた達しようとしているのが伝わってくる。
「アルテラ、出すぞ! お前の子宮に、俺の精子を出すぞ!」
アルテラは両足でシーズの腰を挟み込むように引き寄せる。より密着したことで、亀頭が子宮口の入り口をこじ開けんばかりに吸着する。
「んんっ!きてっ……だんなさまっ……ください、ンッ! アルテラの子宮に、旦那様の子種をくださいませ!」
アルテラの言葉が引き金となり、溜まった精子が尿道を駆け上がり爆発するように放出される。
どびゅっ! びゅるっ! ドクッ! どぶっ!
大量の精液がアルテラの子宮に注ぎ込まれ、熱く粘ついた精液は子宮から溢れアルテラの膣内を白濁に犯す。
「アッああアァッ! ひぅっ、あァッ!」
お腹の奥に熱い精液が流れ込むのを感じながら、アルテラも絶頂を迎え身体をビクビクと痙攣させる。
シーズは射精しながらなお、アルテラの子宮口に亀頭を押し付け、自らの精子をアルテラの卵子に着床させようとした。
妊娠だとか子供だとかの細かい事は考えていない。ただこの美女を孕ませたいという男の本能が激しく訴えてくるのだ。
その誘惑に抗うことなどシーズにはできなかった。
「ぐぅっ! アルテラッ、孕め! アルテラ……!」
「んンッ! ふぅっンッ……だんな……さまぁッ……!」
子宮口に擦り付けるようにペニスを動かしながら、シーズが最後の一滴まで彼女の膣で射精し尽くすと、二人はようやく動きを止めた。
静かになった寝室には荒い息遣いだけが響く。
二人は繋がったままの姿勢で、強く抱きしめ合いながら、ねっとりと唇を重ねた。
【16話】ご主人様と巨乳人妻メイドの気持ちよすぎる子宮セックス
二人は絶頂の余韻に浸りながら、緩やかな動きで互いの唇を愛撫する。
「ちゅっ……んっ、旦那様……」
アルテラがシーズの唇をついばみながら、自らの下腹部を手で触れると、挿れたままの肉棒が膣内《なか》でピクピクと動いている
のを感じる。
ペニスが膣口に栓をしているせいで、射精された大量の精液は今も膣内に留まっており、アルテラの膣は愛液と精液の混ざったドロドロの粘液にまみれていた。
身体を動かさずとも、アルテラの膣はうねうねと収縮し、射精して大人しくなったシーズのペニスを柔らかく刺激する。ぬったりと温かい肉襞に優しくしごかれた肉棒は甘やかな快感によってすぐさま硬さを取り戻してゆく。
「あんっ……旦那様のお○んぽ、アルテラのお腹の中でまた大きくなってますわ」
「うぅっ、このまま、もう一度するぞ……」
抜くのがもったいないと思うほど気持ちのいいアルテラの膣内で、シーズは滾る肉棒をまた動かし始める。
一度射精したことでシーズにも若干の余裕が生まれたのだろう。最初のような勢い任せの抽送ではなく、今度はアルテラの膣をじっくり味わうよう肉壁を探るように肉棒を擦り付ける。
膣内を擦られるたびに艶のある声で喘ぐアルテラの姿に、シーズはもっと彼女を感じさせたくなり、亀頭を引っ掛けるように腰を動かす。
「あっ、あっ、あぁっ……! そこっ、んんっ…………ぁっ!」
膣内で射精された精液が、ペニスを出し入れするたびにグチュグチュと音を立て、抽送によって白く泡だったそれが膣口の隙間から漏れ出てくる。
「ああっ、んぁっ……ふぅっ、んんっ……」
快感を耐えるように目を閉じて少し眉をひそめるアルテラ。その切なげな表情は見惚れるほどに官能的で、劣情を掻立てられたシーズはアルテラの肩に手を回すと、寝そべっていた彼女の身体を抱き起こし、自分の膝の上に股がらせた。
挿入しながら向かい合うような座り姿勢になり、身体を密着させながらグリグリと股間を擦り合わせる。
「あっ! ふぅっ……んぁっ」
互いの身体を抱きしめながら肌を合わせる体位は、腰を激しく打ち付けるセックスとはまた違う、ゆるやかな快感を二人にもたらした。
「はぁ、ふっぅ……あぁっ……旦那様、アルテラの膣内は気持ちいいですか?」
「ああっ、すごくいい……最高だ……っ!」
腰を揺するたびにアルテラの柔らかい尻たぶが膝にぶつかりタプタプと揺れ、合わさった肌から互いの体温と鼓動が伝わる。
(女の体っていうのはこんなに良いものだったのか……娼婦に入れ込む奴の気持ちが今ならわかるな……)
熱く柔らかいアルテラの肢体を感じながら、色欲の熱に汗を浮かべたアルテラの顔を覗き込む。
(こんな色っぽい顔をして……たまらん……!)
「あんっ……旦那様、そんなに、見つめないでください……恥ずかしいですわ……」
視線に気づいたアルテラに頭を抱き寄せられ、その豊満な胸に顔に押し付けられたシーズは、柔らかな乳房に手を這わすと両手で揉みしだきながら片方の乳首を口に含む。
シーズはこの乳房を独占しようと、ピンと尖った乳首を舌で嘗め回しながら、ちゅうちゅうと音を立ててしゃぶる。
「あっ、んっ……旦那様ったら……おっぱいがお好きなのですね」
まるで子供をあやすように、アルテラに頭を優しく撫でられているシーズは、恥ずかしいと思う以上に、安らぎにも似た心地よさを感じていた。
おっぱいをしゃぶるなんて、平時であれば恥ずかしくて躊躇ってしまうだろうが、こうして互いに生まれたままの姿となり、全てをさらけ出している間は己の欲求に素直に従うことができた。
アルテラは乳房を吸われながらも、小刻みに揺れるペニスで膣を刺激され続けているせいで、快感はゆるやかな絶頂へと彼女を誘《いざな》おうとしていた。
「あ、んっ、旦那様……このままだと、私……また、イッてしまいそう……」
「ああっ、俺もまた出そうだ……」
アルテラの膣がもっと精液を搾り取ろうと無意識に肉棒を締めつける。
シーズは乳房から口を離すと、アルテラの尻肉を掴み寄せながら自らも大きく腰を動かした。
尻肉が太ももにぶつかり、弾力に揺れながら音を立てる。
「アルテラ、このまま……また膣内に出すぞ……!」
「はぁっ、んんっ! あぁっ……きてください……旦那様の熱い精液……思う存分、アルテラの膣内《なか》に射精してくださいませ……」
快感を高めようとする二人は、抱きしめ合いながら互いの感じる箇所を擦り付け合う。
密着が高まり亀頭が子宮口に押し付けられると、まるで子種を欲するかのように、子宮口が亀頭に吸い付いてくる。
「ふぁっ、んんっ……! あぁっ、旦那様のお○んぽ……私の子宮に入りたそうにしてますわ……」
「ああ、また子宮に射精すからなっ、アルテラ」
自分こそが今のアルテラの主人だと認めさせたい。支配欲に駆られたシーズは肉棒を再奥まで突き立て狙いを定めるように子宮口を何度もノックする。
「あっ、んっ、んぅっ……くださいっ、旦那様の赤ちゃんの種! アルテラの子宮にたっぷり注いでください!」
「ぐっ、ううぅっ……!」
アルテラを孕ませることを想像すると、シーズはぞわぞわとした快感と共に尿道の奥から精液が込み上げてくるのを感じた。子宮口を執拗に責められているアルテラもまた絶頂の寸前であった。
「出すぞっ……! アルテラッ!」
「はっ、はいっ……わたしも、もうっ……んっ! んンッ!! あアアァッ!!」
ビュルッ!! ドブッ! ビュッ、ビュクッ!
亀頭から二度目とは思えない量の精液が迸《ほとばし》ると同時に、絶頂を迎えたアルテラの膣が精液を搾り取るかのようにペニスを締めつける。
「ふっ、ふぅン!……うぁっ……あっ、あぁっ……」
絶頂の快楽によがりながら、アルテラはシーズの肩を強く掴むように抱きついた。
絶頂の痺れるような快楽に浸りながら、乱れた呼吸で抱き合う二人は身体中から汗を滴らせる。寝室は性交の蒸せ返るように濃い匂いが充満していた。
完全に射精を終えたシーズは、呼吸が落ち着いてくるとアルテラをそっとベッドに寝かし、挿しっぱなしだったペニスをゆっくりと引き抜いた。
「んっ……」
くったりとベッドに倒れているアルテラの膣口からは、せき止めるものがなくなり、精液がドロリと溢れ出てくる。
二回射精したとはいえその量は凄まじく、トロトロと流れ出る精液はベッドのシーツに大きな染みを作った。
ずっとアルテラの膣に挿入していた肉棒は粘液にまみれ、膣内の熱を溜め込んで湯気を立てそうなほど温まっていた。
力なく横たわっているアルテラの股間を覗けば、肉棒を抜いてからも秘部はぱっくりと開いたままで、そこからドロリとした白濁液を垂れ流していた。
その姿は酷く扇情的で、この美女の最奥まで自らの精を注ぎ犯したことに満足感を覚えながら、シーズはアルテラの横に寝そべると彼女の肩を抱き寄せた。
「ふっ、んっ……旦那様……」
満ち足りた顔をしているシーズに、アルテラは薄っすらとした微笑みを向ける。
「とてもお上手でしたわ。わたくし……こんなに乱れてしまったのは旦那様が初めて……」
「そっ、そうか? うん……俺も初めてがアルテラで良かったよ」
「まぁっ、嬉しいですわ旦那様」
アルテラは喜びながらシーズの胸に額を押し付けてくる。
おだてられたシーズは満更でもないといった顔で、アルテラの白くて細い肩を抱きしめると、性交の余韻を味わいながら彼女のフサフサな耳と尻尾を撫で続ける。
腕の中に抱かれているアルテラがどんな顔をしていたのか、そのときのシーズからは見えなかった。
【17話】領主様は幼馴染に会いに行く
獣人の母娘を町に連れていってから数日が経ち、彼女たちも屋敷の生活にだいぶ慣れたようだ。
主人であるシーズへの性的な奉仕ばかりが目立つアルテラではあるが、彼女はメイドとしても十分に有能で、屋敷の雑務から来客対応まで完璧にこなした。
屋敷を訪れた者がアルテラの獣耳と尻尾を見れば、大抵は面食らった顔をするものの、彼女が魅力的な笑顔を見せつけるや、相手はその美貌に見惚れて警戒心も解かれてしまう。
しかし、それがメイドの務めだとわかっていても、シーズはアルテラが他の男に笑顔を向けるのが気にくわないので、あまり愛想を振りまきすぎないよう、それとなく彼女に注意するのだが――。
シーズの嫉妬心などアルテラにはお見通しだったようで、クスクスと笑われた挙句、まるで子供をあやす母親のように慰められてしまった。もちろん性的な意味の慰めであったことは言うまでもない。
アルテラの豊満なおっぱいにむしゃぶりつきながら、シーズはなんだかいいように操られている気がしてならなかったが、彼女の柔らかな肢体に包まれていると、そんなことはどうでもよくなってしまうのだった。
初めてアルテラとセックスをした夜以降も情交は続いており、エッチの回数は増える一方である。
ちょっと二人きりになれば、どちらからともなく体を寄せ、唇を寄せ、それがベッドの上だろうが机の上だろうが、服を着たままでもおかまいなしに――むしろシーズはメイド服を着たままのほうが興奮する――すぐさま性器で繋がってしまう。
シーズも自重しようと思ってはいるが、アルテラと身体を重ねるたびに快感も増していくようで、いったん快楽の虜になってしまえば、なかなか我慢もできるものではなかった。
もちろん、母親とのエッチなスキンシップだけではなく、娘のミリアのことだって、シーズはちゃんと面倒を見ている。
暇があればミリアを連れて近くの森林を散歩したりもする。小さな手を握って仲よく歩く姿は歳の離れた兄妹のようで、周囲の人々は微笑ましく見守っていた。
シーズにとってもミリアは使用人ではなく妹のような存在であった。今では一緒に風呂に入るぐらい仲良しである。
勿論、いかに性欲旺盛な男子とはいえ、つるつるのぺったんこな幼女の体に欲情はしない。
けれどアルテラの娘だけあって顔の造りは整っているし、きっと数年もすれば幼さも抜け始め、やがては美少女に成長するだろう。
母親の巨乳も遺伝しているのなら、きっと胸もすぐに膨らみ始めるに違い無い。
(そうなれば、果たして俺は理性を保てるのだろうか――――)
アルテラの裸を見ればすぐに蕩けてしまう自分の理性が、最近は全く信用できないシーズであった。
*
さて、少々色事にうつつを抜かし過ぎではあるものの、獣人の母娘と共に平穏な日々を過ごしていたシーズだったのだが、そんな彼の元にある日、一通の手紙が届いた。
差出人は遠方の街に住む幼馴染の少女からだった。
幼馴染は大きな商家の娘で、毎年盛大な誕生日パーティーを催すのが恒例となっており、シーズにもその招待状が届いたのだ。
(そうか、もうそんな時期なのか……)
父親が他界してからは忙しくてなかなか会いに行くこともできず、もっぱら手紙のやりとりだけだったのだが、幼い頃から仲が良く、男と女だけどシーズにとっては気の置けない大切な友人である。パーティーには出席しないわけにはいかない。
(というか、断ったら後で酷い目に遭うのは俺だし……)
幼馴染の顔を想像しながら、シーズはやれやれと苦笑するのだった。
そんなわけで、マーサたちに屋敷の留守を任せたシーズは単身、幼馴染の住む遠方の街へ訪れていた。
そこはシーズの住んでいる町とは比べものにならないほど活気があり、外部から訪れる人々によって賑わいを見せている。
それというのも、この地域一帯を取り仕切る大商会によって物流が盛んになっているのが要因なのだが、幼馴染の少女というのは、そのヴィクタール商会の一人娘なのだ。
シーズのラングレイブ家とヴィクタール商会は、祖父の代から深い付き合いをしてきた。
彼の治めるゼルトリアは森に囲まれた田舎であるが、それゆえに森林資源の宝庫でもある。
立派に育った樹木から採れる質の良い木材は、高級家具の材料として高値で取引される。そして、伐採した材木の流通はヴィクタール商会が担っていた。
ラングレイブ家とヴィクタール商会は、大事な取引相手でもあり、商会の現当主とシーズの父は親友同士でもあった。
そしてそれはシーズの代にも受け継がれ、彼は商会の一人娘と幼い頃より交友関係にあったのだ。
街の賑わいに感嘆しながらも、シーズがヴィクタール家の屋敷に到着すると、そこではメイドが慇懃な態度で出迎えてくれた。
もちろん彼女たちに獣耳は生えていないし、スカートからフサフサの尻尾がのぞき見えることもない。
メイドに獣耳と尻尾がないことに軽く違和感を感じてしまうのは、シーズがアルテラやミリアといつも一緒にいるからだろう。
会場へ案内される途中で彼は屋敷の内装に目を向ける。
(何度も訪れてるが、いつ見ても凄いな……)
天井は見上げるほど高く、廊下は並んだ人がすれ違えるぐらい広い。磨かれた大理石の床は滑らかな光沢を放ち、至る所に絢爛と煌めく調度品の数々が飾られている。それも屋敷に来るたび品が変わっているのだ。
流石はやり手商人の邸宅である。シーズの住む年季の入った屋敷とは雲泥の差であった。
そうして到着したパーティー会場の広間は、すでに多くの来客で賑わっており、テーブルに並べられたお抱えシェフによる豪華な料理の数々に、皆が舌鼓《したつづみ》を打っていた。
シーズが当主に挨拶しようと広間を見回していると、それに気づいた中年の男性が向こうから近づいてきた。
恰幅のいい体型で、髭を生やした顔にどこかひょうきんな感じの笑顔を見せながらシーズに手を振っている。
「やぁシーズ! よく来てくれたね!」
よく通る大きな声でガッハッハと笑いながら、シーズの肩をバンバンと叩く。この豪快に笑う男こそ商会の現当主、ドミニク・ヴィクタールである。
「ご無沙汰してます。ドミニクおじさん」
シーズにとっても馴染み深い人物であり、父親の死去に際しては、まだ経験の浅いシーズのために手を尽くしてくれた恩人でもある。
肩にのしかかる衝撃に苦笑しながらも、シーズは彼に会えたことを喜んだ。
「それにしても……毎年のこととはいえ、今年は特に盛大ですね」
シーズがパーティー会場の様子に驚いていると、ヴィクタールはまた大きく口を開けて笑った。
「そうだろそうだろ! なにせ可愛い娘の誕生日だからね! 派手にやらないと!」
「で、肝心の主役はどこにいるんですか?」
シーズがいくら会場を探しても、主役であるはずの幼馴染の姿はどこにもなかった。
ドミニクはシーズに問われて、気まずそうに視線をそらす。
「ああ、またですか……」
何も言わないドミニクの様子から、シーズは全てを察したように呟いた。
「すまないんだがシーズ、あの子を呼んできてくれないか? 主役がいないんじゃあせっかくのパーティーが台無しだ」
これもまた、毎年恒例となっているやり取りだ。
「分かりました。彼女は部屋に?」
「ああ、きっとそうだろう。すまないね」
シーズは頼まれるまま幼馴染の部屋へと向かい、そのドアの前で立ち止まって軽くノックをした。
コンコンとノックの音が響くも、しかし中から返事はなかった。
「マリー、いるのか?」
声をかけてもやはり返事はない。シーズが仕方なくドアノブに手をかけると抵抗なく回り、ゆっくりとドアを開けて部屋の中に足を踏み入れる。
広い部屋の中には、まるでお姫様が使うような美しいレースの天蓋の広がる豪華なベッドがあり、大きな窓から差し込む陽光がぼんやりと部屋を照らしていた。
あまりに静かすぎて一瞬気づかなかったが、窓の前に鎮座する椅子には、綺麗なドレスをまとった人形のように可憐な少女が片膝を立てて座っていた。
「いるなら返事ぐらいしてくれよ、マリー」
シーズと同い年だが、その愛らしい容姿は彼女を少し幼くみせる。
さらさらと艶めく背中まで伸びた髪。小さな顔に細い手足。全体的に華奢な身体つきだが、胸は年相応にふっくらと丸みを帯び、透き通るような瞳がじっと虚空を見つめている。
動かないでいると本当に人形なのではと思わせる無機質な美しさに、初めて彼女を見た男は感嘆すらしてしまう美少女だった。
彼女は顔を動かすことなくガラス玉のような大きな瞳をシーズに向けると、小さく愛らしい口を開いてこう言った。
「おい、くるのが遅いぞバカ野郎」
初めて彼女の容姿を見た男は感動し、その透き通った美声で信じられない粗野な言葉を浴びせられて失望する。ここまでがワンセットである。
それがシーズの幼馴染。マリーレイア・ヴィクタールだった。
【18話】領主様と残念な幼馴染
顔を合わせるなり「バカ野郎」とはいきなり酷い言われようだが、そこはシーズも長年の付き合いで慣れたものだ。
怒ることなく仕方ないといったふうに肩をすくめながらマリーレイアに歩み寄る。
「そんなに遅れたかな?」
「お前は私のエスコート役だろ。お前がなかなか来ないから、私は部屋から出られなかったんだ」
それはシーズも初耳である。
(どうせパーティーを面倒くさがって部屋に篭ってんだろうなぁ)
シーズは内心で独りごちながらマリーレイアのそばに立つ。久しぶりに近くで見た幼馴染の顔は相変わらず美しく、まるで精緻《せいち》な人形を見ているようだった。
するとマリーレイアは椅子に座ったまま、気だるげにシーズへと手を突き出してきた。
手を取ってエスコートしろという意味かと思ったが手の甲が下を向いているので、どうやら違う意味らしい。
そこでシーズは察したように、誕生日プレゼントとして持参した箱を彼女に手渡した。
マリーレイアは渡された箱から無造作にリボンをほどき、蓋を開けて中身をあらためる。
すると、つまらなそうな仏頂面が一転して柔らかな笑みに変わったではないか。
いったい何が入っていたのか。少女の喜ぶものといえば、一般的には綺麗なアクセサリーなんかだが、あいにくとマリーレイアは普通の少女ではない。
彼女の手によって箱から取り出されたのは、一見するとよく判らず、二度見してもやはり判らない、謎な形をした石器だった。人形のようにも見えるのだが――はっきり言ってガラクタである。
けれど、しつこいようだがマリーレイアは普通の少女ではないので、その謎な石器をいたく喜んでいるようだった。
「どこで手に入れたんだ?」
「森へ狩りをしに行ったときに見つけた遺跡で拾ったんだよ」
未開拓の自然が残るゼルトリアではたまに森の中で遺跡なんかが発見されるのだが、財宝が眠っているならともかく、朽ちてボロボロの建物なんて住民にとっては邪魔なだけであった。
けれど、シーズには理解しがたいのだが、それらはマリーレイアにとって、お宝に匹敵するほどの価値があるようだ。
しばし石器を眺めていたマリーレイアは子供のような笑みをシーズに向けた。
「悪くないぞシーズ。お前にしてはいいセンスだ」
(うーん、褒められても全く嬉しくない……)
シーズにしてみれば、拾ったガラクタをプレゼントしただけなので、そんなに喜ばれると逆に恐縮してしまう。
マリーレイアはいそいそと立ち上がると、部屋の引き出しからケースを取り出しソレを大事そうに保管した。
彼女の部屋をよくよく観察すれば、壁や棚のいたるところに、そういった類の品が飾られている。
虹色に輝く虫の標本や、用途不明の奇抜な造形をした調度品、妖しく輝く水晶の原石、見たことのない文字で書かれた古文書などなど。
父親の財力にモノを言わせて、あらゆる場所から変てこなものを取り寄せては部屋に飾って喜んでいるのだ。
遠回しにいって変わり者。端的にいえば変人である。
だからマリーレイアの関心を引こうと、高価な装飾品の類をプレゼントする男たちは見事に玉砕するわけだ。
いや、彼らが悪いのではない。むしろ問題は全て彼女にある。マリーレイアは外見と中身が全く一致していないのだ。
こんな可憐な少女が、自室でガラクタをうっとり顔で眺めているのを誰が想像できるだろうか?
まあ、もしも彼女が高価な装飾品を所望したところで、シーズにはそんなものを買う財力はないのだが――。
「マリー、お客さんたちがキミを待ってるぞ。早く会場に行こう」
シーズが声を掛けると、心底嫌そうな顔をされる。
「あーもう、面倒くさい」
マリーレイアはそう言ってベッドに座ると、足をパタパタと揺らす。
「せっかく綺麗なドレスを着ているのに勿体ないぞ」
「お父様がしつこいから仕方なく着てるだけだよ。動きづらいったら」
「ほら、駄々をこねてないで行こう。エスコートさせてくれるんだろ?」
シーズの言葉にマリーレイアはニヤッと笑う。
「だったら私はこうしてるから、お前が勝手に連れて行け」
そうして彼女は目を閉じると、ぱたりと仰向けにベッドへ倒れた。
「ほら、早くしろ」
マリーレイアは女性に不慣れなシーズを少しからかってやろうとしたのだ。
きっとシーズのことだから、照れて困り果てるにちがいないと、彼女は内心でほくそ笑んだ。
しかしマリーレイアの目論見とは裏腹に、シーズの手は迷いなく彼女の小さな背中と太ももの隙間に潜りこみ、華奢な身体をひょいと抱き上げた。
「きゃぁっ!」
マリーレイアの口から思わず女の子らしい悲鳴が漏れる。
彼女はその外見通り、簡単に持ち上げられるほど軽かった。けれど、手に伝わってくる女性らしい柔らかな感触に、横柄な態度ばかりが目立つこの幼馴染も、やはり女の子だなとシーズは感じた。
「おいっ、バカッ、なにしてる!?」
「なにって、マリーが勝手に連れてけと言ったんだろ」
「っ〜!! いいから放せバカ!」
シーズは仕方なく、じたばたと暴れるマリーレイアをベッドに降ろした。
予想外だった行動に驚かされ、マリーレイアは顔が紅潮するのを感じながら、シーズをまじまじと見つめる。
「お前、なんか変わったか……?」
「ん? まあ背は伸びたかもな」
「そーじゃねーよッ」
シーズがなにか変わったというのなら、それは間違いなくアルテラが要因だろう。
あのような美女と蜜月の仲になったことで、他の女性に対する距離感も自然と縮まっていたわけだが、本人にその自覚はなかった。
見当違いな返答をするシーズに、彼女は毒気を抜かれたように息を吐くと、自分の足で立ち上がった。
どうやら諦めて行く気になったようだ。
そうしてまた、彼に向かって無造作にマリーレイアの白い手が突き出される。こんどは手の甲が上を向いていた。
「ほらっ、ちゃんとエスコートしろよな」
ふんっ、とそっぽを向きながら、ちょっと恥ずかしそうに呟くマリーレイア。
彼は肩をすくめながら、まるでお姫様へするように、うやうやしく手を取るのだった。
【19話】幼馴染との婚約ルートを華麗に回避する領主様
マリーレイアがパーティー会場に顔を見せた途端、その聞きしに勝る美しさによって大勢の男たちが殺到してきた。
巻き込まれてはたまらんと、シーズはさっさとその輪から抜け出そうとする。
自分を置いて逃げようとする幼馴染に文句を言いたいマリーレイアだったが、次から次へと男たちに声を掛けられて仕方なくよそ行きの愛想笑いを浮かべる。
いつボロが出ることやらと、シーズが離れて傍観しているところにドミニクが近づいてきた。
「助かったよシーズ。あの子も少しは社交性を身につけてくれたらいいのだがね」
マリーレイアと社交性。およそ結びつかないその二つに、父親のドミニクも悩まされているようだった。
「えーっと、そうですね。彼女はその……素晴らしい容姿に加えて、なんというか、独特な感性を持っているので……常人にはなかなか相手が務まらないというか」
シーズが微妙なフォローを口にするが、しかしドミニクは気を悪くたし様子もなく大きく頷いた。
「そうなんだよ、うちの子は可愛いんだ! 見たまえあの愛らしい姿、天使といっても過言ではないだろう!」
まあ、見た目だけなら――と、シーズは心の中で付け加えた。
「このあいだなんて、さる貴族の息子がマリーの可憐さに惚れ込んで求婚しに来たぐらいさ」
「えっ、そうなんですか?」
それはシーズも初耳であった。
「もちろん私はマリーの幸せを第一に考えているからね。大事な娘をほいほいと渡すわけにはいかない」
「そうでしょうね」
ドミニクが娘を溺愛していることは重々承知している。マリーレイアの我儘っぷりは父親の甘々な育て方に拠るところも大きい。
「だから、いちど二人で話をする場を設けてみたのさ」
「ほうほう」
「するとどうだい! 春風のように爽やかな顔でやって来たその彼は……」
「その彼は?」
「ゲロを吐きそうな顔して帰っていったのさッ!」
なんということだ――。
ドミニクとシーズは押し黙って顔を見合わせる。
そして、道化師がおもしろいジョークでも飛ばしたかのように、二人同時に『アッハッハッ!』と声を上げて笑った。
「いや笑い事じゃないんだよシーズ」
「うぇっ!?」
かと思えば、いきなり真顔になったドミニクがシーズに詰め寄る。
「大変だよ! このままじゃ私の可愛いマリーちゃんが行かず後家になっちゃうよ!」
「いや、そんな……マリーはまだ若いのだし」
シーズも彼女と同い年だが、まだ伴侶を迎えることについては漠然としか考えていなかった。
そのときシーズの脳裏には獣耳が生えた美女の顔がよぎったのだが、そんな妄想はドミニクのやかましい声でかき消された。
「最近は女だてらに学者の真似事なんか始めちゃってね、そんなことをさせるためにアカデミーに通わせたんじゃないんだがなぁ」
「おじさんが変なものを買い与えるからでは?」
「可愛い娘の頼み事を断りたくない! 私は娘に理解のある父親でいたいんだ!」
「ははぁ……」
もう間の抜けた返事しか出てこない。
「だからこのパーティーはマリーの婿探しも兼ねているというわけさ」
「ああ、どうりで男が多いわけだ……」
「見てみろシーズ、入れ食い状態だ! まるで砂糖に群がる蟻のようじゃないか!」
今もマリーレイアを取り囲んでいる身なりのいい男たちに向かってドミニクが指をさす。自分で呼んでおきながら酷い言い草である。
しかし、マリーレイアに話しかけていた男たちを見ていると、一人、また一人と、悲痛な面持ちで去っていくではないか。
「その蟻が、だんだんいなくなってますけど」
「なぜだ!?」
「砂糖だと思ったら、塩だったみたいな……?」
「おおぅ……」
ドミニクは悲しい現実を目の当たりにして両手で顔を覆った。
「まあ、そんな焦ることないと思いますよ、娘さんは本当に見た目だけは可愛いですから」
「うむぅ……何か引っかかる気もするが、そうだね……マリーの可愛さと感性を受け入れてくれる幼馴染がきっと何処かにいるだろうしネッ」
ドミニクはチラッと横目でシーズを見る。
「――え?」
「よく知った男が相手だったら、私も安心だなぁ……」
チラッ、チラチラッ。
「いやいやいやいや、俺たちにそういう話は早いですって」
危険な香りを察知したシーズは慌てて防壁を張ろうとする。しかしドミニクはこそっと顔を近づけると、手元でジェスチャーを作りながら低く野太い声で囁いた。
「ここだけの話……うちの持参金は凄いよ?」
「ちょっ!? 生臭い話はやめてくださいよ!」
ここら一帯を牛耳る商会主が言う「凄い」とは一体どれほどのものか、田舎領主のシーズは想像するだけで逆に怖くなってしまう。
「いいじゃない! なにがだめなのさ!? 父親の私に言ってごらんよ!!」
「いやっ、そもそもですね……」
ぐいぐいと爆弾を押しつけようとするドミニクを、シーズは沈痛な面持ちで見返す。
「彼女は――異性に興味があるんでしょうか?」
「おぉぅ……」
重大な問題に気付いてしまい、二人は揃って首を傾《かし》げた。
「おいお前らぁ、ずいぶんと面白そうな話をしてるじゃないか」
そんな彼らの後ろには、天使の皮を被った少女が悪魔的な目をして立っていた。
結局、誕生日パーティーは盛況であったが、ドミニクの期待した収穫はゼロのまま幕を下ろした。
【20話】ご主人様はケモミミ巨乳人妻を孕ませたい
誕生日パーティーがおひらきになった後、シーズはドミニクの厚意で屋敷に泊まっていくことになった。
人が居なくなるや、マリーレイアは豪華に飾られたドレスを脱ぎ捨て、代わりに動きやすそうなシンプルなドレスに着替えると、シーズを自室に引っ張っり込んだ。
そして、部屋に入るなり「面白いものを見せてやる」と言って、部屋にある数多のコレクションの中から小さな木箱を取り出して机に置いた。
蓋が開けられ、マリーレイアはとっておきの玩具を自慢する子供のような顔をしながら、中から古びた首飾りを取り出した。
シーズには古美術の知識などなかったが、劣化具合からソレが自分の生まれた時代よりも遥か昔に造られたことは察しがつく。
ところどころ風化しているものの、中央に位置する黒い石だけは欠けることなく鈍い光沢をたたえていた。
「これはかなりのレアものだぞ」
マリーレイアはドヤ顔で見せびらかしてくるのだが、シーズにはそれが古い物だということ以外は何も分からず、どれだけの価値があるのかさっぱり見当がつかない。
「高価なものなのか?」
物の価値という点で一番判りやすい”金額”を訪ねたシーズだったが、どうやらマリーレイアはその返答がお気に召さなかったらしい。
やれやれと呆れ顔でため息をつかれてしまう。
「まったくお前は……いいかシーズ、金で測れる価値に大した意味は無いんだ」
「いやそりゃあ、君からすればそうかもしれんが……」
シーズからすれば、その古びたネックレスに付いている鈍い光沢を湛えた黒石よりも、誕生日パーティーに来ていた貴族たちが身につけていたような、キラキラと輝く宝石のほうがよっぽど高価そうに見えるのだが、どうやら大富豪の娘とは価値観に大幅なズレがあるようだ。
それを言ったところで、この幼馴染の少女に通じるはずもないのは分かりきっているので、シーズは気の無い返事をするだけだったが、次にマリーレイアが口にする言葉によって顔色が変わる。
「これはな、獣人の国で発掘されたものなんだよ」
「えっ――?」
――獣人。
それは今のシーズが最も興味を引かれる単語であった。シーズが反応を示したことにマリーレイアも気を良くして話しを続ける。
「私はな、獣人のルーツについて研究してるんだ」
「ルーツ?」
「不思議だと思わないか、なぜ彼らには獣の耳と尻尾が生えている?」
ごく一般的な信仰心の持ち主であるシーズにとって、生命とは神の創り賜うた奇跡であり、そこに自らの考えをはさむ余地はなかった。
「それは、そういう種族として生まれたからだろう?」
「まあ、世の中には様々な主張が飛び交ってるけどな。けど私の考えは違う、植物であれ動物であれ人間であれ、その姿には意味があり、そうなった過程が必ず存在しているはずなんだ」
マリーレイアの言葉は自身に問うているようにも見えた。
「それでは、なぜ人の姿に獣の耳や尻尾が必要だった? 私には獣人が最初からあの姿で生まれたとは考えられない」
なにやら急に小難しい話をしだした幼馴染に面喰らいながらも、シーズは黙って話に耳を傾ける。
「人族に獣の耳が生えたのか、それとも獣が人の姿へと変化したのか。交配によってというのは、獣と人が生殖行為をしても子は生まれないので却下だな、いや、もしかしたらどこかに人と交配が可能な獣が存在するという可能性もあるか……」
可憐な少女の口から「生殖行為」なんて言葉が出てきてシーズはぎょっとする。
「ちなみに、獣人と人族の性行為によって子供が生まれることは確認されている」
「へっ、へぇ? そこんとこ、もうちょっと詳しく」
「なんだお前、そんなことに興味があるのか?」
「まっ、まあね! 俺もほらっ、領主として色々と知っておくべきかなぁって」
その知識が領主の責務になんの関係があるというのか疑問だが、マリーレイアは生徒から珍しく質問をされた教師のように、シーズの質問に答える。
「獣人と人族では繁殖の周期に差があってだな、人族は年中孕むが、獣人はごく短い発情期以外では、いくら性行為をしても受精しないらしい」
うら若い乙女が「性行為」とか「受精」とか臆面もなく口にすることに、この幼馴染には恥じらいというものを知らないのだろうかと、シーズは疑問に思ってしまう。
シーズが微妙な顔をしているのを照れているのだと勘違いしたマリーレイアは、からかうように意地悪い笑みを浮かべる。
「おいおい、もしかしてお坊ちゃんは子供の作り方も知らないのか? まったく……いいか? 男と女に付いている雄しべと雌しべをこうしてだな――」
マリーレイアは片手を握り、もう片方の手で人差し指を立てると、握った手の横から人差し指を挿してズボズボと動かして見せる。
「このように刺激することで男のチ○コから射精された精液に含まれる精子が――」
既にアルテラとの実技体験を済ませているシーズだったが、綺麗な顔をした少女がチ○コとか平然と口にするのは流石に止めてもらいたい。
「やめてくれ、子供の作りかたぐらい知ってるから……」
「ハハッ、そりゃよかった。領主様が世継ぎの作り方も知らないのは問題だものな」
「あのなぁ……」
呆れたシーズの様子を見て愉快そうに笑うマリーレイア。
しかし、話が脱線してしまったせいで、シーズはまだ本当に知りたいことを聞けていない。
「ごほんっ……ところで、マリー?」
シーズは咳払いをしてから、さりげなさを装って本題に移ろうとする。
「なんだ?」
「獣人のその、発情期っていうのは……いつ来るものなんだ?」
そう、本当に聞きたいのはそこだ。
世継ぎのことだとか色々と問題があるのは分かっていても、アルテラとセックスをしていると「この美女を孕ませて自分のものにしたい」という支配欲、独占欲に抗うことができず、彼女の子宮目がけて膣内射精をするたびに狂おしいほどの快感を覚えてしまう。
アルテラにしたって、どうぞ孕ませて下さいといった様子で受け入れているように見えたが、実は繁殖期外はいくら中出しされたところで妊娠しないのであれば、それを隠しつつシーズを容易く手玉に取っていたのだろう。
(うぅむ……さすが経験豊富な人妻だけある)
アルテラの手管にシーズが心の中で舌を巻いていると、マリーレイアに怪訝な顔をされてしまう。
「私もそこまでは知らんが」
「そっ、そうだよな……」
「まあ生理現象なんだろうし、女は体調の変化でわかるのかもな」
「なっ、なるほど?」
「なんでそんなこと聞く?」
マリーレイアに訝しげな瞳を向けられて、シーズはぎくりと表情を引きつらせる。
「いやっ、その、マリーの話を聞いて、俺も学問に興味がでたというか……」
マリーレイアは明らかに不審な様子のシーズを鋭い瞳でじっと見つめる。
「お前、私になにか隠してないか?」
「べっ、べつに、なにも……」
追求の視線から逃れるように目をそらしながら、シーズは誤魔化すように机に置かれた首飾りを手に取った。
「それにしても、なんだろうなぁこれ。獣人の国の宝物だったりして」
「そいつの出処は調べてるところだ――って、おい……ちょっとまて、おまえ、それ……」
「あっ、触っちゃまずかったか?」
マリーレイアが急に血相を変えたので、勝手に触れたことを怒ったのかと思ったが、それにしては様子がおかしい。
「お前の指輪……光ってないか?」
「は?」
マリーレイアに言われてシーズが自分の手を見ると、確かに家宝の指輪がうっすらと光っているように見える。
いや、指輪だけではなく、シーズが手にした首飾りの黒石も淡く光っているようだった。
マリーレイアが急いで部屋のランプを消したことで、石の淡い光がはっきりと視認できるようになり、暗い室内を照らすのは、石の光と窓から差し込む月の光だけとなった。
夜の空には青白く光る満月が浮かんでおり、シーズの手の中にある光はそれによく似ていた。
「マリー、これはいったい……」
「わからない、こんな現象は初めてだ……」
マリーレイアは探究心に火がついたのか、食い入るようにシーズの手で光る石を覗き込む。
まるで共鳴するかのように光っていた二つの宝石は、次第にその瞬きを潜め、やがて発光は完全に止んだ。
マリーレイアは部屋のランプに火を灯し、机から取り出した拡大鏡で石を観察しながら呟く。
「石の色が変わってる」
言われて見れば、首飾りについていた黒い石は少し青みを帯びたように見える。逆に指輪の宝石は少し青色が薄れていた。
「げっ……ほんとだ」
代々受け継がれてきた大切な指輪が変色してしまい、ショックを受けるシーズだったが、マリーレイアは興味津々といった様子で目を輝かせる。
「なあシーズ。とりあえずその指輪、私に売ってくれないか?」
「売れるかっ! 家宝の指輪だぞ」
「いいだろ別に。似たような指輪つけとけばバレないって」
「だめだって、いくらマリーでもこれだけはダメだ」
「ちぃっ、強情だなぁ……あっ、そうだ、名案閃いた」
シーズはそれを聞いた瞬間、マリーレイアが絶対にろくでもないことを言うと確信した。
「私たちが結婚すればいいんじゃないか? 家族になれば家宝も私のだし」
「いや、その理屈はおかしいだろ」
結局、あの発光現象がなんだったのかわからないまま、二人が指輪をめぐって騒いでるうちに夜は更けていった。


