「あの、ショタンくん……さっきのことなんだけど……わたしたち、どうかしてたというか……」
「えっと、大丈夫ですよ。ボクは気にしてませんから」
気まずそうに口ごもるユリナに、ショタンはにこやかに微笑んでみせる。
「うう……ほんとうにゴメンなさいね、わたしったら、どうしてあんな……」
あの後、ショタンはアクメイキして気を失ったユリナたちを泉から引き上げて介抱してやったのだが、目を覚ました3人はところどこ記憶が飛んでいながらも、自分たちがナニをしたのかぼんやりと覚えていたらしく、今も恥ずかしそうに顔を赤くしていた。
「あぁ神よ、お許しください……聖職者でありながら、ショタンくんのような幼い男の子に、あんな淫らな、淫らな……はぅッ」
懺悔しながらショタちんぽを思い出してしまったのか、エクスは襲いかかる羞恥に悶絶していた。
「いや本当にさぁ、わたしたち、いつもはあんなんじゃないんだよ? あのときは何ていうか……本能的にショタンくんのおちんちんに惹き寄せられてたっていうか……って、これじゃあ本当に欲求不満みたいじゃん……もう、おかしいなぁ……」
隣を歩くローリエが納得いかないといった様子で首をひねる。その推測は案外いい線いってるが、まさかショタンの放出するフェロモン(命名:ショタニウム)による効果だとは思いもしないだろう。
そんなこんなで、現在、一行はモンスター狩りも終えて街へと向かっているのだった。
「あっ、ショタンくん、見えてきたよ」
しばらく歩いていると、ローリエが指差す先に、街を囲む城壁と門が見えてきた。すると、近づいてくるユリナたちに気づいた門番が手をあげて迎える。
「よおユリナ、今日はずいぶんと戻りが早いじゃないか」
「ええ、ちょっと色々あってね。狩りは早めに切り上げたの」
どうやら気心の知れた相手らしく、エクスやローリエも軽く挨拶をして横を通り抜けようとしたとき、門番の視線がショタンに向けられる。
「お? なんだ坊主、ひとりか? お父さんやお母さんはどうした?」
(またか……いちいち面倒じゃのぅ。お姉ちゃんに気にしてもらえるのは嬉しいが、男の心配なぞ無用じゃわい)
困っていると思ったのか、ユリナがショタンの手を引いた。
「この子はショタンくん。わたしたちのパーティーの新しいメンバーよ。ギルドで冒険者登録する予定なの」
「仲間だぁ? こんなちっこいのがか?」
「ええ、こう見えてショタンくんはすごいんだから」
ユリナの言葉を聞いて、なんの冗談だという顔をする門番にエクスとローリエも頷いて見せる。
「マジか……まあ、お前らが決めたことなら口出しはしないが……よお坊主、冒険者ってのは危険な仕事なんだ、姉ちゃんたちの言うことをちゃんと聞いて、せいぜい命は大切にするこった」
そう言って、門番はショタンの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。男に撫でられても鬱陶しいだけだが、どうやら悪い人間ではないらしい。
ショタンは門番に頭を下げてから、ユリナたちとともに門をくぐった。
街に入ると、そこは活気に溢れた場所だった。多くの商店が建ち並び、多くの人々が行き交っている。長年森の奥に引きこもっていたショタンにとっては、久方ぶりに見る人々の暮らしだ。なんだか新鮮でついキョロキョロしてしまう。
「ユリナさん、冒険者ギルドの登録は明日にして、まずはショタンくんが今日泊まる場所を決めたほうがいいのでは?」
エクスの言葉にユリナはふむと思案する。
「そうねぇ、だったら……」
そうして3人がショタンを連れて来たのは、軒先に酒場と宿屋を示す看板がぶら下がった建物だった。
「ここは、わたしたちが活動の拠点にしてる宿屋なの。ショタンくんがよければ一緒にどうかしら? なんなら、わたしと相部屋でもいいし……」
「ちょっとユリナ、なにさらっとショタンくんを独り占めしようとしてるの?」
「そっ、そんなことないわよ! わたしはただ、先立つものがないんじゃないかなって心配して……」
「えっと、いちおうお金なら少しはあるので、ひとり部屋で大丈夫ですよ」
「そっ、そう? ならいいんだけど……」
どこか残念そうに言うユリナ。ショタンとしてもユリナと相部屋はかなり嬉しいお誘いだったが、自室でこっそりとやりたいこともあるため、やむなく断ることにした。
4人が宿に入ると、まだ夕方前ということもあり、店の中は静かだった。どうやら一階が受け付けと食堂なっていて、二階が客室らしい。
「あら、おかえりなさいユリナ」
すると、店内を掃除していた一人の娘が、ユリナたちに気づいてハタキを片手にやってきた。
刺繍の入った白いスカーフを頭巾のようにかぶり、胸元がゆったりとした服にエプロンを身につけている。おそらく宿屋の娘なのだろう。素朴だが愛らしい顔立ちをしており、たぷんっと揺れるおっぱいにショタンの鼻息も荒くなりそうだ。
「ただいまイレーナ。ねえ、この宿ってまだ空きの部屋があったわよね?」
「急にどうしたの? たしかに部屋は余ってるけど……」
「よかった。ちょうど、この子の泊まる部屋を探してたところだったから」
ユリナの視線を追ってイレーナがうつむくと、そこでショタンと目が合った。
「あらあら? キミは……」
「はじめましてイレーナさん。ショタンといいます」
それから、今日何度目かになるやりとりをしながら、イレーナに事情を説明することに。
「そうなんだ、まだ小さいのに冒険者だなんて、ショタンくんはすごいのねぇ」
しゃがみ込んでショタンと視線を合わせたイレーナが、感心したように言う。
「いえ、それほどでも……」
「それにとっても礼儀正しいのね、うちの弟にも見習わせたいわ」
どうやらイレーナには弟がいるらしい。つまりマジもんのお姉ちゃんである。これにはショタンの期待も高まるというものだ。
「うん、わかったわ。それじゃあ案内するから、ついてきてちょうだい」
イレーナはニッコリと笑って立ち上がり、受け付けから鍵を取ってくると、ショタンたちを連れて2階に上がる。廊下にはいくつものドアが並んでおり、そのうちの1つに案内された。
「ここがショタンくんのお部屋よ」
イレーナがそう言ってドアを開けると、そこにはベッドと机、それから棚があるだけの簡素な部屋だったが、もとから贅沢な暮らしに興味のないショタンには十分だった。
「ありがとうございますイレーナさん。これからお世話になります」
「ふふ、どういたしまして。それじゃあわたしは仕事に戻るから、何かあったら遠慮なく声をかけてね」
イレーナはそう言うと、3人を部屋に残して去っていった。
「ちなみに、わたしたちの部屋は両隣と向かいですから、いつでも訪ねてくれていいんですよ、ショタンくん」
「ひとりで寝るのが寂しくなったらおいで〜」
「もう、ローリエったら……でもショタンくん、何かあったらわたしたちを頼っていいんだからね?」
口々にそう言うと、後で一緒に夕食を食べる約束をして、3人は部屋を出ていった。
残されたショタンはベッドに腰かけると、順調な滑り出しに満足しながらごろりと横になる。
(うむうむ、ユリナたちにくわえて、イレーナもなかなかイイお姉ちゃん具合じゃったわい。ぬふふっ……これからが楽しみじゃのう)
こうして、ショタンのお姉ちゃんとのパコパコハーレムライフの野望がまた一歩前進したのであった。
*
さて、その日の夜。ショタンの歓迎会も兼ねて、ユリナたちが奮発してくれた食事で腹を満たしたショタンは、解散して各自が部屋に戻って少し経ってから、そうっと自室から抜け出した。
暗く静まり返った廊下を抜き足差し足。向かったのは向かいにあるユリナの部屋だった。そして、こんこんとドアを叩き「ユリナさん、おきてますか?」と声をかける。
すぐに返事が聞こえてゆっくりとドアが開かれると、中から寝巻き用の薄手のシャツを着ただけの無防備な格好をしたユリナが姿を見せた。どうやらこれから寝るところだったようだ。
「ショタンくん、どうしたの?」
「えっ、えっと……じつは、知らないところで、ひとりで寝るのがちょっと心細くて……」
それを聞いたユリナがクスッと笑う。
「そっか、それじゃあ今日はわたしの部屋で一緒に寝ましょうか?」
「いいんですか?」
「もちろんよ、ショタンくんはまだ小さんだから、遠慮しなくてもいいのよ」
ユリナは安心させるようにニッコリと微笑む。そしてショタジジイは内心でほくそ笑む。
(イージーィぃぃっ! じつにイージーじゃわいっ!)
ショタというだけで、こうもたやすく女性の部屋に入ることができるなんて、大魔導士もビックリなチート性能である。
ショタンが足を踏み入れたユリナの部屋は、間取りは自室と同じ簡素なものだったが、やはり女性が住んでいるせいか、どこかいい匂いがした。
「ほら、いらっしゃいショタンくん」
ベッドに入ったユリナが毛布を持ち上げて、空いてる場所をポンポンと叩く。
「うっひょ〜いッ!ユリナお姉ちゃぁぁんっ!バブバブぅ〜!!!」と、おぎゃり狂って飛び込みたくなる衝動を抑えて、ショタンはモジモジと恥ずかしそうにユリナのベッドに潜り込んだ。
「お、おじゃまします……」
ショタンがベッドに横たわると、ユリナも向かい合わせで横になり、ショタンの背中を優しく撫でる。
「どう、ショタンくん、これなら寂しくないでしょう?」
「はっ、はい……ユリナさん……」
シャツの胸元からはだけた乳房を目の前にして、ショタンは思わずユリナに抱きついてしまう。
「ふふっ、ショタンくんてば、甘えんぼさんね」
胸に顔を埋めてきたショタンに、しかしユリナは怒るどころか、いい子いい子と頭を撫でた。
(しゅごいぃっ! 何をしても甘えで許される……ショタ最高じゃ!)
もちろん一緒に寝るだけで満足するはずもなく、ショタンは込み上げてくるおぎゃりの衝動をユリナで発散しようとするのだった。