麻奈美が弟にレイプをされてから数日が経過した。
彼女は今、自室でニセモノの”山田健二”と一緒に居る。
なぜなら、二人は長年の想いを打ち明け合い、晴れて恋人同志となったのだから、一緒にいるのは当然だ。
部屋に招いて一緒に過ごすこともあれば、もちろんセックスもする。
あんなことがあった後なのに、二人の恋人関係は続いている。
これは麻奈美にとって思いもよらない展開だった。
あの日、弟に精液を中出しされながら果てた麻奈美は、これから弟が何を言い出すか想像し絶望的な気持になっていた。
きっと弟は、”ケンくん” と別れろと言うに違いない。そう思っていたのだ。
しかし、実際はそうならなかった。
健二は、麻奈美がニセモノと付き合うことを容認したのだ。
しかし、その代償として麻奈美に、ある条件を提示していた。
そのことが不意に麻奈美の頭をよぎり表情が曇る。
「麻奈美ちゃん、どうしたの?」
隣に座っていたニセモノが浮かない顔をした麻奈美を気遣うように声をかける。
「あっ、ごめんね……なんでもないの」
「そう? っと、もうこんな時間か、そろそろ帰らないとな、修一も帰ってくるだろうし」
「うん……そうね」
帰り支度をした恋人を、麻奈美は玄関まで見送る。
「それじゃあまたね麻奈美ちゃん、メールするから」
「うん、まってる」
ぎこちなく微笑みながら頷く麻奈美に、ニセモノがおもむろに顔を近づけると、二人はそっと唇を触れ合わせ、別れのキスをした。
恋人とのキスは、麻奈美を少しだけ幸せな気持にさせてくれた。
そして、ニセモノを送り出し、玄関のドアが閉まった後、一人になったはずの麻奈美の背後に近づく人影。
「随分嬉しそうだね? 姉さん」
麻奈美の後ろ髪を指先で弄りながら囁きかけたのは、ずっと自室で麻奈美たちを監視していた健二だった。
一瞬だけ晴れ間が差した麻奈美の表情は、すぐにまた暗い雲に覆われる。
「そんなこと、ないわ……」
「嘘つかなくてもいいよ、姉さんはアイツが好きなんだから」
「…………」
「羨ましいなぁ、僕がどれだけ姉さんのことを愛していても、姉さんは僕を好きになってはくれないのに」
「私は、弟してちゃんと、シュウくんのことも……んっ、んむっ、ンンッ……!」
言いかけた麻奈美の言葉は、弟の強引なキスによって抑え込まれた。
「んんっ……んぅっ……」
先ほどニセモノの唇が触れた箇所を自分の唾液で上塗りするように、健二は麻奈美の唇をピチャピチャと何度もねぶり、吸い上げてから唇を離す。
垂れた唾液が細い糸のように口元から伸びた。
「口答えしないでよ姉さん、姉さんは僕の言うことだけ聞いていればいいんだよ」
「……ごめんなさい」
冷たい目を向ける弟に、麻奈美は怯えた様子で目を伏せる。
あの日、弟に犯されて失意の底に落ちている麻奈美に対して、健二が強要したのは「命令への絶対服従」だった。
もしも従わなければ、部屋の監視カメラで撮影した映像を、アイツや両親、友人、SNSによって不特定多数にも公開すると脅しつけた。
部屋を盗撮されていたことなど知らなかった麻奈美は、それを聞いて青ざめた。
弟にレイプされた映像を他人が見たらどうなるか想像すると、体から血の気が引き、恐怖で震えがはしる。
“ケンくん”は、弟にれいぷされた自分を好きでいてくれるだろうか、両親はいったいどんな反応をするのか、友達は、世間は……。
「そんなことをしたら、いちばん困るのはシュウくんよ……!?」
それが麻奈美にできる、最後の抵抗だった。
けれど、健二は顔色一つ変えずに告げる。
「いいよ、姉さんが僕のものにならないなら、いっそ全部滅茶苦茶になればいい」
仄暗い瞳からは、その言葉が脅しの類ではなく、本気で言っていることが伝わってきた。
弟の狂気に怖気づいた麻奈美は、従うしかなかった。
ニセモノを家に招いたのも「アイツと会うときは僕が監視できる場所だけにしろ」という命令に従ったのだ。
弟が家にいないフリをして、しかし隣の部屋でずっと自分たちを監視していることを知りながら。
本当なら恋人と過ごす幸せな時間も、鳥かごの中で観察されているようで心から楽しむことなどできなかった。
「そういえば、今日はあいつとセックスしなかったんだね?」
健二はそう言いながら、伸ばした手で麻奈美のお尻を撫でる。
「んっ……だって……シュウくんが見てるの、わかってるから……」
「そんなの気にしなくていいのに、でもちゃんとゴムは付けなよ? 姉さんに中出ししていいのは僕だけなんだからね」
「…………」
健二は柔尻を揉んでいた手を、麻奈美の股間に移動させ、ショーツの上から秘裂を擦るように指を動かす。
ショーツを盛り上げるぷっくりとした肉唇を弄られながら、麻奈美は恥辱に耐えるようにキュッと目を瞑った。
今の麻奈美には、弟の気が済むまで無抵抗に身体を差し出すことしかできない。
健二は秘裂をなぞりながらも、的確にクリトリスを指の腹で刺激しながら、麻奈美の耳元に口を寄せ、伸ばした舌を耳穴にねじ込む。
「ぅっ……んんっ……あぁっ……」
どれだけ嫌がろうとも、耳の中を濡れた舌でねっとりと舐められ、熱い吐息を吹きかけられると、どうしようもなく性感が反応して、ビクッと体が震えてしまう。
膣から分泌された蜜液がショーツにじんわりとシミをつくると、健二はショーツの中に手を入れて、直に濡れ具合を確かめる。
ぬるぬるの肉唇は潜り込んできた指をあっさりと吞みこみ、膣口が指先を咥え込む。
「姉さんて本当に淫乱だよね、男だったら弟でも感じちゃうんだ?」
「そんな……ことっ……ひぅっ!」
反論しようとした麻奈美は、唐突に膣奥へ差し込まれた指の感触に悶える。
「だからさ、口答えしないでよ姉さん」
「ひぐっ……ごっ……ごめんなさい……」
「それじゃあ、壁に手をついて、尻をこっちに向けて」
「はい……」
言われるままに、麻奈美は大人しく玄関の壁に手をつくと、尻を突き出すような格好になる。
健二はスカートをめくり、ショーツのクロッチ部分だけずらして、濡れた膣穴に勃起した肉棒を一気に挿入した。
「ああぁっ! あっ、くぅっ……うっ、んんっ……!」
お腹の中を無理やり広げられる感覚に、麻奈美はたまらず悲鳴を漏らす。
「ほらっ、姉さん、玄関でそんな大きな声を出したら、近所の人にバレちゃうよ?」
「んぅっ……ふぅっ……んんっ!」
麻奈美は必死に声を押し殺しながら、膣肉を掻き分けながら出し入れされる肉棒を受け止めた。
初めて犯された日から、健二は家の中で麻奈美を犯し続けている。
それが朝だろうが夜だろうが、どこに居ようがお構いなしに。
たとえ自室に居るときでも、勝手に部屋に入るなり、有無を言わさず押し倒し、ペニスを挿入する。
素直に従えば丁寧に愛撫もするが、麻奈美の態度が気にくわないときは乱暴に犯す。
そして、避妊などせず膣内射精するのだ。
麻奈美と恋人同士になることを諦めた健二だが、麻奈美を手放す気なんて毛頭ない。
そしてこれは、麻奈美の心を射止めたニセモノに対する復讐でもある。
盗撮映像で脅迫すれば、麻奈美とニセモノを別れさせることもできただろう。
しかしそれじゃあ健二は満足できないのだ。
恋心などでは抗えないほど、性の快楽で身も心も屈服させることで、晴れて麻奈美を自分のものとする。
ときおり垣間見せる麻奈美の淫乱な性が、それを可能だと思わせた。
健二は麻奈美を淫乱なメス奴隷に調教しようとしているのだ。